ストーリー更新はあまり期待しないでください。
この物語は原作通りに進まないことが大いにあります。ご了承ください。
prologue
俺はもともと五感が優れていた。雨が降りそうになればわかるし、遠くにいる小さな虫にも気づくことができた。嗅覚、視覚、聴覚、触覚。味覚はそれほど優れているわけではなかった。それ故、小さな頃から困ることがあった。
「おかあさん、ここくすぐったい」
「よっちゃん少し感覚が鋭いのよね。…どうしましょう」
服を着ると、突起に擦れてくすぐったかった。かゆいとも言える。年齢が上がっていくにつれ、その感覚の正体がわかってきた。確実にわかったのが中学生。そういう年頃だというのもあったのかもしれない。その感覚の正体は、快感であった。もともとそこ、乳首は性感帯の一つであり、感じるのも仕方がなかった。チクニーを始めてしまったのは中学生後半の話だった。意外にも上手く快感を得ることができ、イクこともできた。それが失敗だった。それ以降もずっと弄り続けて、乳首の状態はあってはならない状態になった。赤くなっていて、ずっと突起を主張し続けていた。これ以上はダメだとわかっていても、どうしてもいじってしまう。
こんな状態になっていることは家族にも秘密。このことは墓まで持っていくつもりだ。だから彼女は作りたくないし、作れない。そもそもモテないんだけど。相談相手もいないわけでなんとか時間を見つけて延々とググってる。友達とも海水浴も、温泉旅行もいけない。過去の自分に言ってやりたい。なんで弄りだしたんだ。って。自分にでもそこはまだ疑問である。
そんな中、強化指定選手に選抜された。詳細が書いていないからよくわからないけれど、とにかくサッカーのためなら行くしか無い。
説明を聞いた。今はその場所へ向かうバスの中。隣の人と話せないからちょっと気まずいけれど。考え事をしていれば気にならない。正直、行く一択だった。俺が成長するためには絶対に必要な場所だと、俺が思うサッカーができると思ったから。冷静になって頭の中で今の状況を整理する。絵心という人の説明を聞いている限り、これは合宿であり世界一のストライカーを誕生させるものという解釈が正しいだろう。そこで問題が一つ発生する。プライベート空間がない可能性が高い。サッカーのための施設なだけあり、人数が多く、相部屋で。なんとなく大変なことになっていることを悟った。
その施設についた。ブルーロックだ。静かな場所に唯一つ大きくそびえ立つ建物。緊張感が湧いてきた。
アンリさんに携帯、財布などの私物を没収され、スーツを渡された。チームはZらしい。アルファベット順にいくなら順位は低いような気がした。
指定された部屋に行くと、何人かが部屋にいた。今、手に持っているスーツを身に纏って。そのスーツはとてもピチピチだった。問題がもう一つ発生した。衣類だ。よくよく考えれば、今この瞬間から施設に収監されるのだから、衣類などの生活用品は施設側から貰うことになる。慣れない材質、ピチピチのスーツ。この施設でやっていけるかが心配になった。
入寮テストを終えた。案外スーツに慣れるのも早かった。少しの突起が気になるが、大して目立っているわけではないので許容範囲だ。最初は少し感じるくらいだったが、サッカーをしていると割と気にならなかった。やはりサッカーの凄さを感じた。
もう一つ問題が発生した。風呂だ。よく考えれば、風呂も共有なわけだった。かろうじてシャワールームがあるが、”湯船に浸かりたい“これだけは譲れなかった。何より温かいし、疲れを取ってくれる一つの癒しなのだから。
今はほとんどのやつが出てる。そのタイミングを見計らってさっさと洗って湯船に入る。この計画で行くことにした。だが、どんなときでもイレギュラーが出る可能性は大いにある。この場合だったら、別チームのやつも風呂が合同とか。それぞれのチームに用意していては資金が大変だろう。そのため警戒して風呂に入ることにする。ずっと胸を隠しているわけにはいかないのが大変なところ。
脱衣所へ来た。今のところ誰もいないように見え、
「ぅ゙わッ!?」
「んぇ」
人が脱衣所で寝ていた。しかもタオルを巻いたまま。髪が濡れていないのでこれから入るように見える。当の本人はとても眠たそうにしている。ゆっくりと起き上がり、そのまま大浴場へ入っていった。世の中には不思議な人もいるものだ。
そんな事を考えながら服を脱ぎ、風呂へ入る。
さっき寝ていた人はもう湯船に入っているようで、こちらを全く気にしていない。
「おい凪。先出てるぞ。」
「わかったー」
「ったく…うお、すまん」
ぶつかってしまった。
「こっちこそすみません。」
数秒見られたが、すぐに出ていった。まぁ気にしていたらあれなので早く洗ってしまう。
すぐに洗い終わり、湯船へ入る。あの人はまだ湯船に浮いている。だが相変わらず暖かく気持ちいい。それにつられて少し腕を伸ばす。
「……ねぇキミ」
「はい?」
「なんでそこ赤いの?」
「え?」
「え?」
「!?!?いやちょっとなんでもない!」
完全にやらかした。ただ同じチームじゃなかったのが不幸中の幸いだ。
その後も無事かはわからないが試合を進めていった。風呂もだいぶタイミングを掴めてきた。少し前のあれはイレギュラーであった。次の試合は最終試合。負けたら最期。相手は今のところ全勝中の相手だ。勝てる確証はないけれど、全力を尽くすしか無い。
これまで冷静に驚いたのは初めてだ。きっと負けたら死ぬという緊張感が相まってだろう。対戦相手の二人が見覚えがあった。嫌なことに。確か、白い頭が凪、紫の頭が玲王だ。凪に少し見られた気がするが、まぁ気のせいであろう。気にしないでサッカーに集中しなくてはいけない。
二次選考から新たな日常が幕開けする。
コメント
1件
めっちゃすきッ!続きが楽しみ~.ᐟ