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朝の光が差し込むキッチンで、愛梨はパララに微笑みかけた。「おはよう、パララ」
「……ん、おはようパラ〜!」
小さな体をくっつけて、パララが目を細める。愛梨は心の中でちらりとつぶやいた。
(可愛いけど…性別男、だよね!?)
「パララ、朝ごはんは何がいい?」
「フルーツサンドがいいパラ!」
愛梨は冷蔵庫を開け、残りのフルーツを確認する。ブドウとミカンがあるだけだった。
「うーん、コンビニにあるかな……」
思い立った愛梨は急いでコンビニへ向かい、缶詰コーナーで黄色く輝くパイナップルを手に取った。
(これも買っておけば、パララ喜んでくれるよね)
家に戻ると、廊下を歩きながらキッチンへ向かう。コンビニ袋を置くと、パララが興味津々に顔を覗かせた。
「この黄色いの、なにパラ?」
「パイナップルだよ」
「美味しそうパラ!」
愛梨は手際よくフルーツサンドを作り、たっぷりのフルーツを挟んだパンを二枚の皿に盛った。
「パララ〜、できたよ」
「いただきますパラ〜!」
二人は並んでテーブルに座り、そっとフルーツサンドを口に運ぶ。
「いただきます」
「美味しいパラァ〜!」
パララの笑顔に、愛梨も自然と笑みを返す。
「喜んでもらえてよかった」
朝の優しい光に包まれ、小さなキッチンには二人だけの穏やかな幸せが満ちていた。