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甘えん坊だねぇー!可愛い((o(。・ω・。)o))
すちはまだ少し寝ぼけた頭を掻きながら、ベッドの上でちょこんと座るみことを見下ろしていた。
今日はひまなつの家に、みんなで集まる約束の日だ。
「みこと、今日はひまちゃんの家行く日だよ。お着替えしようか」
そうやさしく声をかけると、みことは小さく首を横に振った。
「……やだぁ」
「やだ、じゃなくて」
「やなの!」
ぷいっと顔を背け、すちのシャツの裾をぎゅっと掴む。まるで「ここから離れない」と言わんばかりだ。
すちは苦笑して、しゃがみ込み、みことの目線に合わせる。
「みこと、今日はみんなに会う日でしょ?こさめちゃんも、らんらんも、いるまくんも来るよ」
「ぅわかんない…すちがいっしょじゃなきゃ、やなの…」
「もちろん一緒。でも、お着替えしないと風邪ひいちゃうよ?」
それでもみことは「いや……」と小さな声で呟き、ぷくっと頬を膨らませた。
すちはやれやれと肩をすくめる。
「じゃあ、俺が手伝うね」
そう言ってタンスから、柔らかいコットンのTシャツと小さなズボンを取り出した。
小さな服――すちの手の中では驚くほど軽く、頼りないほどのサイズ。
みことの腕を袖に通そうとするが、本人がぐにゃぐにゃと身体を動かしてなかなか通らない。
「みこと、じっとして?」
「すちの手、あったかい……」
「そんなこと言ってないで、ほら――あ、袖が……うわ、通らない」
みことはすちの膝の上で、まるで甘えるように身体を預けてきた。
「すちがぜんぶして……!」
「してるよ、してるけど……うーん、このサイズむずかしいな」
すちは苦戦しながらも、そっとみことの腕を引いて袖を通し、背中側でシャツを整える。
みことはされるがままにすちの胸にもたれ、満足そうに小さく笑った。
「できたね。かっこいいよ、みこと」
「……ほんと?」
「ほんと」
その言葉に、みことは嬉しそうに頬を染め、すちの胸に顔をうずめた。
「じゃあ、つぎズボン」
「すち、して」
「はいはい……」
すちは微笑みながら、小さなズボンを履かせていく。
やっとのことで着替えが終わると、みことは両手を広げて「だっこ」と催促。
「もう……しょうがないな」
すちはみことを抱き上げ、その軽さに思わず頬を緩ませた。
「よし、行こうか。ひまちゃんたち、びっくりするだろうなぁ」
「すち、いっしょ?」
「うん、ずっと一緒」
みことはすちの胸に頬をすり寄せ、安心したように小さく「ん……」と息をもらした。
その小さな指先は、すちのシャツをぎゅっと掴んだまま離さなかった。