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「大好きだよ」
「世界一!」
「だからずーっとここにいようね?♡」
なんでこんなことに…??
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生まれた時から俺の運命は決まっていた。
この神様とかいう奴のせいで
「君には重大な仕事をしてもらうぞい!」
「はぁ」
「主人公の花咲智也のいじめっ子になってもらう!」
「……いじめっ子…??!」
「まぁ、簡単に言えばこの世界の悪役じゃよ。」
「キラキラな学園モノのBL(ハーレム)を生で見たかったんじゃ…!!」
その神様とかいうやつは目をきらきらさせて妄言を吐いている。そんな妄想に俺を巻き込むなよ。
「はぁ…なんで俺がこんな……」
「仕方ないじゃろ!前世で早く死んじまったお前のためにわざわざワシが!!お前を!!拾ってやったのじゃぞ!!」
魂の管理は普段天使がしているんじゃないのか??どっちかと言えばこの神様がやっていることは単なる拉致だ。
「いやそうな顔をしたって無駄じゃ!とにかくお前には小学生の時に転生してもらって悪役ポイントを稼いでもらう!」
「…悪役ポイント?」
「そうじゃ!こいつは悪役だっていう印象をつけるためじゃ!ある程度貯めながら高校生になれ!」
なんという無茶ぶりだ…つまり主人公をいじめてたくさんポイントを稼いで悪役になればいいってことだろう。
「じゃあよろしく頼むぞい〜」
「完璧にできたら俺のことぜっったいマシなところに転生させろよ〜!!!」
はっと目が覚める。俺はいわゆる転生をしたのだろう。いつもより目線が下で違和感がある。全身鏡の前に立ってみたら、確かに俺は小学生4年生ほどの子供になっていた。
「…まじかよ。」
鏡に映る俺は二重でありながらも目付きが悪く、紫の綺麗な瞳をしていたがハイライトは残念な程に入っていない。背は他の小学生より小さくて髪はサラサラの黒髪だ。
「まさにいじめっ子ってかんじ……」
そして俺は家を歩き回ってみた。
家を探索してみて色々わかったことがある。
俺の今世の名前は佐久間 晃だということ。名門のおぼっちゃま学校に通っていること。大きな屋敷に住んでいること。
「こんな贅沢な暮らししてんのかよ……」
正直羨ましい。
外にも少し出てみようと思った。
外は凄く綺麗な建物たちが並んでいて、まるで異世界だった。
まあ、ここは異世界な訳だが……
俺の隣の家も結構立派なお屋敷が建っていた。おそるおそる覗いてみると、同い年ぐらいの綺麗な少年が見えた。
ぱっちり二重の大きな青い目、眩しいほど輝く金髪、高い鼻にぷるっとした唇。
この歳でセンター分けとは、なかなかイカしている。
とゆうかここの人間はみんなこうなのか?こんなに派手な子供がいていいものか。
あの子供がこちらをちらっと見る。目が合った時恥ずかしそうに下を向いてしまった。
間違いない。あのやたらキラキラした子供が主人公の花咲だろう。
「おーい…君、智也くん? 」
少し小さい声でコソッと話しかけてみた。すると俺につられて小声で呟いた。
「そうだよ」
「やっぱり!ねぇ、遊ぼ?」
「う、うん!」
かかった。とりあえずいじめてポイントを稼げば俺は素晴らしい他の世界に転生できる!!
その一心で彼を公園まで連れて行った。
「ねぇねぇ!ブランコであそぼ」
「うん!や、やる!」
ブランコの方へかけて行き、座り漕ぎ出した。そして俺はその小さな背中を強く押す。
わぁっという声とともに勢いよく彼が倒れる。俺は悪役っぽく豪快に笑ってやった。
「ばーか!!誰が遊んでやるか!お前みたいなグズいじめるために話しかけたに決まってるだろ!!」
どうだ!?結構悪役っぽいだろ?
「う、うう……」
ほら!泣いた!俺にかかればこんなのよゆーだ…し……
「なんでぇ……僕仲良くしたいだけなのにぃ……ふぇぇ……」
………か、…かっ……
かわいい!!!
なんだこいつ、かわいい…こんな可愛い子を私欲のためにいじめるだなんて…どうかしてた…!!いや、俺より小さい子供をいたぶる時点で俺は最低野郎だ…
俺は焦って背中をさすりハンカチで目元をふき取った。
「ごめん…ほんとにごめん。俺こんなことして…最低だ。お願いします。俺と仲良くしてほしいです。」
彼の顔が晴れる。眩しいほどに光を放っている。美人というのは昔からこうなのか…
「だい、じょぶ…!!ぼくも!君とあそびたい!」
子供の優しさには心が穏やかになる。
このまま二人の時間を楽しんだ。
「はー…楽しかった〜!」
「ぼくも楽しかったよ!またあそぼ!」
「もちろん!」
「じゃーな!」
「ばいばい!」
今日は充実した一日だった。
あの神の言うことなんて守らなくたっていいじゃないか。あんな馬鹿みたいなことを頼む神なんざまともじゃない。もう無視しよう。
そして眠りについた。
「もぉう!困るじゃないの!投げ出したらダメじゃよ!」
「…!?」
これは夢か?
「これから投げ出さないようにしっかりと罰を作るぞい!もしちゃんといじめなかったら1時間快楽地獄じゃ!」
なんだその変な仕置は……ばかばかしい。
「…いやだね。なんで俺が従わなきゃ…」
その瞬間、ゾクッと体に刺激が走った。
何もしていないのに電撃のような快楽がびりっとして全身に充満していく。
「んあっ…!」
何が起きたか理解できなかった。ただただ体が疼いて痙攣する。声もだんだん抑えられなくなってきて恥ずかしさで顔を赤らめる。
「あっ、ぁんっ!あぁっ!」
「やめ、っ!わかったっ!したがうっ!したがうからぁっ!」
「それでいいんじゃよ!」
満足そうな顔をしててムカつく。
仕方ない。あんなのをずっとされたら俺の体は壊れてしまう…いたぶるのばどうしても気が引けるが、生命を守るためだ。ごめんな…
智也side
今日は楽しい一日だった。新しい友達もできたし、幸せ!しかもその友達がとても綺麗でドキドキしちゃった…!
彼のことを思うとなんだか胸がドキドキする。
「明日も会えないかなあ♪」