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紅優
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第30話
僕はあれから北へ進んだ。魔物も強くなっていく。
普通は、南の方が強いんじゃないかな? 温かいから活発になるようなイメージがある気がする……なぜだか知らんけど……
僕はそんな事を考えてると、アニカとソフィーが楽しく雑談している所が脳裏に浮かんだ。
駄目だ。もっと、しっかりして、模範的にならないと……
『肩の力を抜け。そしたら色々と見えるぞ』
そう言う、フリオの声が聞こえた気がした。でも、振り返ってもいないから違うと思う。きっと、頭の中で繰り返していたんだろう。
……年の功か……変わらないのに、変わってしまう。何でだろう……
封印の術……
封印の術を使っている間の体は半分の時間しか流れない。
ソフィーもアニカも体では年上に見えるのか……
妹と年下だけど……
なんだか、複雑……
僕が一息つこうと木陰に座ったら、魔物の気配がした。
何だ? こんな所にも……
僕は剣を抜いた。
魔物が姿を見せて僕に襲いかかろうとした時、切り伏せた。
……十五年前はもっと早く気づけてた気がする。
何でいつもこうなんだろう……僕って……
僕は日差しの輝る中にある木陰に横になった。
はぁ〜ぁ……十五年寝たから、十五年寝なくても良いようにならないのかな?
ま、そんな都合のいい事があったら理不尽は起こらないって訳か。
僕はそのまま少し昼寝をした。
五日後。
王城が見えた。崩れていて、半壊といったところだろうか。
……城下町は無くなったな。城として何か成り立ってるのかな? そしたら、戻りたいような……
いや、また陰口を言われるだけ。それなら、別に聖騎士なんて辞めて……辞められない。
護らないといけない何かがある内は辞めない。護らないといけない何かが無ければ辞めてやったのに……それに喧嘩、買ったし。
僕は城下町跡を見た。そのままに放って置かれているのだろう。ボロボロだ。家は崩れて、好きだったお肉の屋台も跡形も無かった。
僕が、頼りなかった……
深くため息をついていると後ろに何か黒い物体が見えた。
僕は身構えたけど、遠くで黒いモヤがゴチャついているというのも違う気がするし、たたずむっていうのもおかしい。
もしかして、あそこに……いや、こんな弱い僕が行って困らせては本末転倒。もっと強くならなくちゃいけないんだ……
とりあえず、城に向かってみよう。聖騎士だったから身分証明書が発行されてたし。
十五年前のやつだけど……それに、魔力無いし。
まぁ、剣術……体術は苦手なんだよな……剣術でなんとか誤魔化してるけど、本当に強いやつが来たら負ける。このままでは……
いや、勝つんだよ。負けるなんてあり得ない。うん。勝ちに来た。ただそれだけ。
僕は城下町跡から城まで戻って門番がいる事を確認した。
「何だ? 不審者はやられたくなければまわれ右。どこか行け。仕事を増やすな」
「いや、こういう者ですけど……」
僕は身分証明書を出した。
「……ん? ロルフって……」
「部屋の荷物を取りたいんですけど……入れますか……?」
「き、騎士団長! ロルフと名乗る人が来ました! 騎士団長の言う通り、青い瞳で、金髪の子供です!」
騎士団長! まだ辞めてなかったんだ。
確かに、三十歳くらいって言ってたよな……でも、四十代で続けられるのか……凄い。
「何だ! ってロルフ!」
そこに急いで走ってきた人は少し歳を重ねた騎士団長だった。
「すみません。色々と迷惑をかけて……」
「心配させやがって……変わら……? は? お前、三十歳くらいだろ……」
「色々とあって僕は眠っててそのままの姿なんです。アニカとソフィーがまだ戦ってるから行かないといけないんです」
「は? アニカ姫も、ソフィーって、お前の妹だよな? 生きてたのか?」
「勝手に殺さないでください。ソフィーだって僕にとってつい最近まで探していたのですから……」
「まぁ、色々と積もる話ばかりだ。疲れてるだろうから部屋で話そうじゃないか」
僕はそう言われるがままついて行った。城の中はボロボロだったけど、所々直されてる所が見える。
「……って事です。フリオから色々と聞いたのですが……情けないですね。こんな役目になっておいて……」
「姫を守ったんだろ。それだけでも、十分にやった。責めるんじゃない」
「でも、僕は……」
「お前は、助けに行くんだろ。言う事は分かってる。でもな、前会った時からもっと自分を責めるようになってる。前会った時も酷かったがな……止められなかった。それは、今さらだがすまない」
……責めたって、そんな事気にしてられない。僕を待ってる人がいるんだから。
期待と嫉妬を受け止められない僕は弱い。それに、無敵では無い。そんなやつでは駄目なんだ。
それに、場違いの想いも……それは、墓場まで持ってく話だな。アニカだって、自分のやりたいように生きたいだろうから……
僕は、この気持ちを捨てたらどう生きればいいんだ? 責めてると言われても……
「ま、今日は自分の部屋で休め」
そう言われながら部屋に押し込まれた。
コメント
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第31話、読み終えたよ〜!🌸 ロルフが城に戻ってきて騎士団長と再会するシーン、めっちゃエモかった…😭✨「変わらないのに変わってしまう」ってロルフの複雑な心境がすごく伝わってきて胸がぎゅっとなった。アニカやソフィー、フリオの記憶が頭をよぎるところも切ないね。強くならなきゃって自分を奮い立たせる姿に、思わず「がんばれ…!」って応援したくなったよ🥺💕 次も絶対読むよ〜!待ってる人がいるってロルフが言うの、すごく響いた…✨