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じゃあ、残ったこいつがホビットなんだな。
ホビットは若い男だった。申し訳ないが、まだ仕事を決めていない。妖族レア度2コンプリート目的だったからだ。ゼロも同じだったらしく、素直にホビットに問う。
「何か得意な仕事ってある?」
「おら、ずっと店やってきたから、商売なら得意だ」
人の良さそうなヤツだとホビットを観察していたら、ゼロがそっか! と声をあげる。
「ドワーフの人たちには作るのに集中してもらって、売る専門の人を置けばいいんだ!」
確かにちょうどいい。彼には駆け出し用ダンジョンで、武器・防具の販売を担当してもらう事になった。ちょうどドワーフたちの案内を終えて戻ってきたユキに事情を話して、今度はホビット君をダンジョンに連れて行ってもらう。
いつのまにか場所もしっかり把握してるし、可愛い顔してユキは意外と有能なんだよな。
そして残るはいたずらっ子設定のブラウニーだ。ここまではおとなしくしてくれてたけど、いたずら好きだってのが性質らしいから、どうなることやら。
俺はてっきり5~6歳のやんちゃ小僧が出てくると思ってたから、それよりはちょっと、トウがたっている。
「こんにちは。よろしくね」
優しくゼロが優しく声をかけたら、ブラウニーはほっぺたをプクッと膨らませてなぜか不満げだ。
「なんだよ~! マスター、美人のおネーサンじゃ無いじゃんかぁ」
「えっ? ゴメン」
なぜか謝るゼロ。
「じゃあ、私の弟子になる?」
「却下」
「犯罪が起こりそうだからムリ」
急にしゃしゃり出てきたルリの意見はもちろん一蹴された。ルリは顔的には絶世の美女なんだけどな、口を開くと急に残念なんだよな。
でも、ゼロは『弟子』という言葉で閃いたのか、楽しそうにブラウニーを錬金部屋に放り込んだ。
途端に湧き上がる悲鳴。
軽い爆発音。
いきなり何があった!?
「ゼロ様ぁ! なんですか、この子っ! いきなりスカートめくるしっ! 胸揉むしっ! あげく錬金釜に適当に材料ぶち込むしっ!」
マーリンが泣きながら飛び出して来た。
ああ、それであの爆発音。
「マーリンの助手にどうかなって思って。可愛いでしょ? 君、適当に材料入れるなら、1個だけにしてね」
ゼロは見当外れの注意をしている。ていうかお前、それが目的だろう。恐ろしいヤツだ。
「ゼロ様、こんな助手イヤですぅ!」
「う~ん……でも、錬金の可能性が広がると思わない? 思いもかけない物ができるかもよ?」
「そんな博打みたいな……! 私、普通の錬金がしたいですぅ」
「えー、おれ、あれやりたい。ブクブクってしてちょー面白い!」
泣きが入っているマーリンとはうらはらに、ブラウニー君は錬金釜がお気に召してしまったらしい。どんぐり目を目一杯開けて一生懸命に主張している。
まあな、ゼロもあれだけやりたがってたくらいだもんな。子供からしたら面白いおもちゃみたいなもんなんだろうなぁ。
「うーん。じゃあえーと、ね。マーリンお姉さんの言うことちゃんと聞いてね。いたずらはほどほどに」
ゼロの言葉にマーリンはガックリとうな垂れる。
ブラウと名付けられたこの子とマーリンが一体何を発明してしまうのか、想像も出来ない。
本当に、ほどほどにして欲しい。
マーリンが落ち込んだ様子で錬金部屋に帰ろうとすると、ゼロが引き止めた。
「ちょっと爆発に巻き込まれた?ケガしてる」
ホントだ。カスリ傷だけどな。
ゼロは、うーん…と考えると、ルリにスラっちを連れてくるように告げた。
お前、まさか…
「スラっち、この子マーリン。こっちはブラウ。新しい仲間だよ。マーリンがケガしてるから、治してやって?」
やっぱりかぁ!
でも、7色にビカビカ光って、初の大仕事に大興奮のスラっちを、がっかりさせるのも偲びない。
俺達は祈った。
成功しますように!!!
スラっちは回復魔法を放った。
立派にやり遂げた。
そして、スラっちはなんだか目まぐるしく光り…
メタモルフォーゼ!!!
スライムメイジに、進化を遂げた…。
「しっ…進化っ…進化したぁ~!」
「スラっち、凄い~!!」
もちろん大騒ぎだ。
とはいえ、見た目は大きくは変わらない。ひと回りデカくなり、色が青から緑っぽくなっただけだ。
ただヤツは、レベルの上げ底と自らの努力によって、ただのスライムから、魔法が使えるスライムメイジに進化したのだ。
いや、マジで結構凄い。
マーリンとブラウは訳が分からずポカンとしている。
俺はスラっちに施されている壮大な実験が、今実を結んだ事を、簡単に説明してやった。
「…あんた達、バカな事してんな~…」
ブラウの一言。
…否定できない。
落ち着いた所で、スラっちのステータスを見てみる事になった。
どれどれ…
名前:スラっち
LV:1
種族:スライムメイジ
性別:不明
レア度:2
◆能力値
HP:485/485
MP:485/485
STR(筋力):485
VIT(耐久):485
INT(知力):485
MIN(精神):485
DEX(器用):485
AGI(敏捷):485
LUK(幸運):485
スキル:
・回復魔術
・不屈の闘志
・開眼
・スライム一斉攻撃
称号:
・臨界突破の実践者
・スライムの星
▽スキル詳細。
《回復魔術》。回復魔術を扱う事が出来る。
《不屈の闘志》。類い稀な精神力で即死攻撃を無効化する。
《開眼》。戦った相手のスキルを身につける事ができる。
《スライム一斉攻撃》。スライムを率いて敵に一斉攻撃をかける事ができる。敵にスライム数×発動者レベルのダメージを与える。
▽称号詳細。
《臨界突破の実践者》。自らの限界に挑み続け、臨界点を突破した者に贈られる幻の称号。奇蹟を誘発すると言われるが、定かではない。
《スライムの星》。スライムの信頼と尊敬を一身に集めた者にのみ許される称号。全てのスライムを統率できる。