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俺の名前は、川崎。
今日も誰かが死んだ。
騒ぎにはなってない。
教師は「事故」と言ってたし、生徒たちは少し曖昧に納得してる。
けど、俺は知ってる。
あれは、事故じゃない。殺されたんだ。
なんでわかるのかって?
何回も見てきたからだよ。
おかしいんだよ、状況が。
発見された、
時間、位置、表情、手の角度。
普通の死に方じゃねぇって、もう体が覚えてんだ。
俺も最初はそうだった。
「かわいそうだな」で済ませてた。
けど、
最近……ある奴が気になってる。
そいつは秋原
教室の一番後ろの席。
いつも無表情。
誰とも喋らない。
けど、妙に目だけが、生きてる。
そいつと目が合うと、
なんだか、背筋がゾッとする。
あれはなんだろうな……
警戒心?
それとも、
俺の中にある”知らない方が良い”って感覚かもしれない。
俺さ、最近よく思うんだ。
……なんでみんな、転校を考えないんだろうなって。
いや、動いてる奴はちゃんと動いてる。
親が学校に連絡したり、急に引っ越し決めたり。
でもそれ以外の大半は、
まるで「自分は大丈夫」って顔して座ってる。
あれ、マジで不思議だ。
ここまで死んでんのにさ。
なんでまだ、“この教室”に居続けようとすんの?
平気なフリしてるのか、
それとも本気で、自分は関係ないって思ってんのか。
その“呑気さ”が一番怖いんだよ。
……きっと今日も、誰かが死ぬのだろう。
そう思ってしまう自分が、
もうすっかりこの空気に馴染んでしまった証拠だとわかっているのに、
何も感じられない。
カレンダーの数字が進むように、
時間割がただ流れるように、
人が一人、また一人と消えていく。
それだけの話。