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翌朝、二人が甘い朝を迎えていると、部屋のドアがノックされた。
「純喜くーん、朝ごはんできたよー」
聞き慣れた豆原一成の声に、二人は飛び起きた。
「やばい、豆…!」
純喜は焦って瑠姫に目配せをする。瑠姫も、どうしたらいいか分からず、ベッドの中で固まっていた。
「純喜くーん? 入るよー?」
ドアが開くと、そこには朝食のトレイを持った豆原と、その後ろから顔を覗かせる木全翔也がいた。
二人は、ベッドの中で毛布にくるまっている純喜と、その隣にいる瑠姫を見て、目を丸くした。
「え、瑠姫くん、なんで純喜くんの部屋にいるんですか…?」
一成が戸惑いながら尋ねる。
純喜は、どう言い訳をしようかと考えたが、何も言葉が出てこなかった。
その時、翔也がニコニコと笑いながら、二人に近づいた。
「あれ? もしかして…?」
翔也の言葉に、純喜と瑠姫は顔を赤くし、思わず顔を見合わせた。
二人の関係は、メンバーにバレてしまったのだ。
「いや、違うんやって! 昨日の夜、ちょっと話してたら…」
純喜は慌てて言い訳をしようとするが、言葉が続かない。
「え~?まだ何も言ってないですよ~?」
翔也は、焦っている純喜が面白くて、つい、からかってしまう。
一成は、純喜と瑠姫の顔を交互に見て、何かを察したように静かに微笑んだ。
「そっか…そういうことだったんですね」
一成の言葉に、純喜はさらに戸惑う。
しかし、一成の表情は、怒りや非難ではなく、祝福のようにも見えた。
翔也は、純喜にそっと耳打ちする。
「ふふ、純喜くん、よかったね。俺、前から、純喜くんと瑠姫くん、なんか雰囲気違うなあって思ってたんだ」
翔也の言葉に、純喜は驚いて彼を見つめた。
「…なんで、分かったの?」
瑠姫が尋ねると、翔也は優しく微笑んだ。
「だって、瑠姫くん、最近すごく幸せそうだったから。純喜くんといるとき、いつもキラキラしてるんだもん」
翔也の言葉に、純喜と瑠姫は顔を見合わせ、静かに微笑んだ。
二人の愛は、記憶がなくても、周りの人たちに伝わっていたのだ。
リビングに集まった他のメンバーたちも、事の経緯を一成と翔也から聞いた。
「えー! マジすか!?」と、金城碧海は驚きながらも、すぐに二人のもとに駆け寄り、「おめでとうございます!」と力強く抱きしめた。
與那城奨は、微笑みながら二人の肩に手を置いた。
「二人とも、話してくれてありがとう。俺たちは、いつも二人の味方だからね」と、リーダーらしい温かい言葉をかけた。
川尻蓮は、少し戸惑いながらも、二人の幸せそうな表情を見て安心したように笑った。
「よかった。最近、二人ともすごく楽しそうやったから、何かあったんかなって思ってた」
鶴房汐恩は、少し複雑な表情をしていたが、純喜と瑠姫の二人を見て、照れくさそうに「…お幸せに」と呟いた。
川西拓実は、何も言わずに二人の手を取り、そっと握った。
その優しい眼差しは、言葉以上の思いを伝えていた。
大平祥生は、「瑠姫くん、純喜くん、おめでとうなぁ…」と、泣きそうな顔で二人のもとに駆け寄った。
彼の言葉は、二人の愛がどれほど周囲に影響を与えていたかを物語っていた。
そして、最後に、佐藤景瑚が、いつものようにふざけた口調で二人に言った。
「おいおい、二人だけで甘い時間過ごすなよー。俺も仲間に入れてくれよな」
その言葉は、二人の関係をからかっているようにも聞こえたが、彼の瞳は優しく、二人の愛を祝福していた。
河野純喜と白岩瑠姫。二人の愛は、メンバー全員に祝福され、さらに深まっていく。
記憶がなくても、愛は決して消えない。そして、その愛は、周りの人々を幸せにする力を持っていた。