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#クロスオーバー
くらげ𓂃 𓈒𓏸
12
霰石
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じこまん
49
怜
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お久しぶりです。
夜の帳が下りた頃、武装探偵社の社員寮の薄暗い一室に、ガチャリと鍵の回る音が響いた。
使い慣れた手つきで勝手口から上がり込んだのは、中原中也である。手にはスーパーのロゴが入ったレジ袋。中身は今夜の食材だ。
部屋の中は相変わらずの有様だった。脱ぎ捨てられたコートが床に散らばり、デスクの上には自殺全集とかいう馬鹿げた本と飲みかけの日本酒が雑然と放置されている。相変わらず自分の身の回りのことすら満足にできない人間だ、と中也は小さく息を吐いた。
「おい、いつまで寝転がってやがる。電気もつけねぇで」
床の上で丸まっていた人影が、のろのろと起き上がる。それが纏っているのは、探偵社のコートを脱いだ白いシャツだ。焦げたチョコレートのような頭髪から、どこか気怠げな琥珀色の瞳が中也を捉えた。
いつ見てもこの女は、心臓の嫌なところを引っ掻き回していく。中也は持ってきた荷物を台所のカウンターに置きながら、胸の奥で小さく疼く熱を強引に押し殺した。
「ねぇ中也、君暇なの?なんで毎週社員寮に来て家事して帰ってくるのさ」
気だるげな声が背中から飛んでくる。中也は振り返りもせず、買ってきた食材を冷蔵庫にしまいながら言い放った。
「うっせぇ、手前がずぼらな生活送ってると元相場として寝覚が悪いんだよ」
「ほーん、ずいぶん暇なもんだねぇ。ポートマフィアの五大幹部サマは」
「つべこべ言ってねぇで食え、カニクリームコロッケあるから」
中也は手際よく調理を済ませ、ちゃぶ台の前に膝をついた。そこに白米、湯気の立つ味噌汁、きれいに揚げられたカニクリームコロッケ、そして山盛りのキャベツの千切りを並べる。箸と茶も忘れずに置いた。
「うわぉ、おいしそう……。いただきます」
太宰は物珍しそうにちゃぶ台を覗き込み、箸を手に取った。サクッと衣が割れる音とともに、中から熱々のクリームが顔を出す。一口運んだ太宰の瞳が、わずかに見開かれた。
「このコロッケ美味しいねぇ、どこで買ってきたの?」
「俺が作った」
「へぇ……えっ…………。……。」
一瞬、太宰の動きがピタリと止まる。驚きに目を見開いたが、次の瞬間にはいつもの、どこか人を食ったような飄々とした表情に戻っていた。
「あー、……中也、君きっといい奥さんになるよ。」
「気色悪いこと言ってんじゃねぇ、第一俺は男だ」
「えぇ〜そうなの?あまりにもちっちゃすぎて女の子かと思っちゃったぁ〜中原中子ちゃん♡」
「……手前のゴミ箱の中身玄関にぶちまけてやろうか」
「……それは勘弁してほしいなぁ」
軽口を叩き合いながらも、太宰は出された食事を綺麗に平らげた。中也は手際よく食器を下げると、シンクに向かい、水音を立てながら皿を洗い始める。その背中を、背後からじっと見つめる視線があることに気づかないふりをした。
食器を片付け終えて振り返ると、太宰はすでに勝手に敷いた布団の上にコロンと寝転がっていた。
「おい、なに寝ようとしてんだ。風呂入って歯磨け」
「後ででいいよシャワーなんて〜。今日私汗かいてないし」
「汗かいたかいてないの問題じゃねぇだろ……」
「お堅いねぇ……どうせ、また汚れるんだからいいじゃないか」
「は?なに言って……」
咄嗟に振り向く。
太宰と目が合った。相変わらず軽薄で、どこか浮世離れした光を放つ瞳。
「中也だって最初からそのつもりだったんでしょ?」
太宰の白い手が、枕元から小さな箱とチューブをすくい上げた。コンドームと、使い慣れたローションだ。
迷いのない手つきで自分のシャツのボタンを一つ、また一つと外していく。滑らかな鎖骨から、包帯の巻かれた肌が露わになる。
「ほら、来て?」
その誘惑は、あまりにも自然で、そして残酷なほどに慣れきっていた。
中也の足が、呪われたようにその場に釘付けになる。
いつからだ。こんな関係になったのは。
ポートマフィアと武装探偵社という、決して交わってはならない立場になり、お互いにお互いの日々を送っていたはずなのに。気がつけば、どちらの部屋でも、こうして肌を重ねることが当たり前になっていた。
身体だけの関係。愛しているのは自分だけで、この女にとって自分は、退屈しのぎか、あるいは都合の良い憂さ晴らしの道具にすぎないのかもしれない。そんなことは頭では分かっている。この腐れ縁を、この中途半端で泥沼のような肉体関係を、いい加減に終わらせなければならないと、何度誓ったことか。
だが、その濡れたような瞳で見上げられると、強がりもプライドも、すべてが音を立てて崩れ去ってしまうのだ。
「……相変わらず勝手な女だ、手前は……」
悪態をつきながら、中也は自身の帽子をちゃぶ台に置き、ジャケットを床に落とした。
畳の上へ這うように歩み寄り、太宰の覆いかぶさるように膝をつく。間近で見る太宰の顔は、化粧っ気のない素肌のままだが、どこか妖艶な熱を帯びていた。その細い首筋に手を添えると、太宰は満足げに小さく喉を鳴らす。
拒絶したいのに、心の底ではこの温もりを求めてしまう自分が憎たらしい。
「中也、そんなに難しい顔をしてどうしたの? 楽しもうよ、今夜も」
耳元で囁かれた声に気圧されるように、中也は太宰の唇を塞いだ。
酒の匂いでも、甘い香水の匂いでもない。ただの、太宰治という人間の匂いが鼻腔をくすぐる。はじめは乱暴にぶつかり合うだけのキスだったが、だんだんと熱を帯び、お互いの息が絡み合っていく。
太宰の細い腕が中也の首筋に回り、逃げ場を塞ぐように引き寄せられた。
「ん……ぁ……」
口づけが離れた瞬間、太宰の吐息が熱く中也の頬を撫でた。シャツのボタンはすべて外され、その下にある柔らかい肌が、室内の冷気と中也の体温にさらされる。女特有のしなやかな曲線を描く身体は、何度抱いてもどこか現実感がないほどに儚かった。
中也は焦るように、しかしどこか乱暴に太宰の身体を自分の下へと引き入れた。
「…ふ、ぁ……痛いのは嫌だよ、中也。優しくしてね」
からかうような、それでいてどこか冷めた響きを含んだ声。その言葉に、中也の胸の奥がチクリと痛む。
優しくなどできるものか。こんなにも自分を狂わせるこの女のすべてを、めちゃくちゃにしてしまいたい。この身体に自分の痕跡を刻み込み、二度と他の男……いや、誰のことも思い出せなくなるくらいに支配してしまいたい。そんな黒々とした独占欲が、理性のタガを外していく。
中也は持ってきたローションを手のひらに取り、体温で温めるようにして太宰の身体へと滑らせた。
「っ……ひゃ……」
小さく身を震わせた太宰の足首を掴み、自身の膝でその足を開かせる。恥じらいなど微塵もない、けれど極めて無防備なその姿に、下腹部が熱く疼くのを感じた。
「ちゅうや、待……」
「……文句言うな、手前が誘ったんだろ」
震える指先で、濡れた秘部へと導く。まだ硬さの残る場所に触れただけで、太宰の身体がビクリと跳ねた。その反応に、中也のなかの理性が音を立てて崩壊する。
ゆっくりと、しかし逃がさないように深く指を差し入れると、太宰の喉から再び甘い声が漏れた。
「っ……あ……ちゅうやぁ……もっと、……ぁッ……」
初めて聞いたわけではないその声に、頭が真っ白になる。
普段は誰に対しても食えない笑みを浮かべ、すべてを達観したような顔をしているこの女が、今、自分の手の中で乱れ、声帯を震わせている。それが自分だけのものなのだという錯覚に、どうしようもなく溺れそうになる。
愛してほしいなんて贅沢は言わない。せめて、この瞬間の熱だけでも、自分に向いていると信じさせてほしい。そんな惨めな願いが、胸の奥でドロドロと渦巻いていた。
「……声がでけぇよ、近所に聞こえるだろ」
「誰も……いないよ、こんな時間……んっ……ぁ……」
言い訳をするように紡がれた言葉の続きを、中也は再びのキスで飲み込んだ。
準備が整ったことを確認し、中也は腰を浮かせ、その身体の隙間へと滑り込む。衣擦れの音と、お互いの荒い息遣いだけが、狭い寮の部屋に響き渡った。
「あ"、ぁ"ぁ"っ……」
結合の瞬間、太宰の眉がわずかに顰められ、細い爪が中也の背中の皮膚を引っ掻いた。痛みに似た快感が、二人の神経を直撃する。
「っ……は……ぁ……」
「……動くぞ」
警告を発した直後、中也は堪えきれなくなったように腰を突き上げた。
これ以上ないほど密着した距離で、逃げ場のない快楽の波が押し寄せる。太宰の身体は柔らかく、中也の動きを受け入れるようにしなった。突き上げるたびに、太宰の細い足が中也の腰に絡みつき、もっと奥へと促すように力を込める。
理性を保とうとすればするほど、太宰の纏う甘い空気と、その熱に引きずり込まれていく。
「中也……っ、もっと……」
名前を呼ばれるたびに、心臓が締め付けられるように痛んだ。それが快楽によるものなのか、それとも哀しみによるものなのか、もう中也自身にも分からなかった。ただ、この時間が永遠に終わらなければいいのにという黒い願いと、早くこんな関係を終わりにしなければならないという焦りが、頭の中でぐちゃぐちゃに混ざり合う。
部屋の明かりはついたまま、薄汚れた天井のシミが視界の端でぼやけていく。
外では冷たい夜風が寮の窓ガラスを揺らしているというのに、この狭い布団の上だけは、汗ばむほどの熱気と、泥臭いまでの生きた体温に満ちていた。
中也は荒い息をつきながら、さらに深く、容赦なく太宰の身体を突き上げ続けた。夜が白み始めるまで、二人は互いの傷口を舐め合うように、ただ貪欲に身体を重ね合わせることしかできなかった。
はーーーッ
久しぶりにエロ書いた……下手になってる……
喘ぎ声練習しないと……練習部屋つくろ(確信)
コメント
10件
お久です(/・ω・)/ 中也は純愛でだざさんは歪んでそうなイメが強かったけどなんかっ、こう……好きです。はい。(?)コロッケ食べてきます 練習部屋絶対見に行く((((
久しぶりデス。切ないシーンも入ってて、最高でした(*`ω´)b 文の構成とか情景の表現とか上手すぎませんか?!?! 中太めっさ尊かったです!!!!
お久しぶりです!! 太宰さん♀の身の回りの事を当たり前のように熟す中也が、イケメンすぎました。 太宰さん♀のために、わざわざ手作りの、しかも太宰さん♀好物のカニ使った料理を持ってきてくれるのが、優しすぎるしそれを美味しそうに食べてたのに、中也の手作りと知った途端に、少し気恥しそうにしてる太宰さん♀が可愛いかったです。 同じ想いが帰ってくる保証は無いのに太宰さん♀を愛してる中也の姿が最高でした