無「俺についてこい。羅刹で沢山学ぶんだ。それで一緒に戦闘員になろう。」
彼の言葉で俺は救われた。
初恋だった。人に嫌われ続けた俺の初恋
でも死んだじじ様が「初恋は永遠に叶わない」と言ってた。確かにそうかも。
でも、ぶっちゃけ
初恋以外は、全部要らない
◇
鳴『おはよぉ無人くん♡』
無「おはよう。鳴海」
鳴『お昼一緒に食べない?』
俺と京夜の同期で、戦闘部隊エース
厄介な能力持ちのため当時、同期の中でも群を抜いて強かった俺が監視役に抜擢された。命令には忠実で命令に背くことはしない性格だったためかいつの間にか同期の間ではこう呼ばれていた。『番犬』と
1つ問題がありそれは俺以外の命令は何があっても聞かない、というもの。担任であろうが校長であろうが全く聞かない。かなり渋るが京夜の言うことなら2%の確率で聞く。
そんな奴とペアで行動すること数年。俺は一線を退いて教員となりエースの座は鳴海に譲った。俺と戦えないと聞いた瞬間大泣きして治めるのに3時間かかった結果、戦闘員として立ち回りつつ羅刹の非常勤講師として働くことになったのだ。
鳴『無人くんと学校の先生♡』
無「審査はこれからだ。気が早くないか?」
鳴『でもでも副担は俺なんでしょ?無人くんと一緒なんて嬉しいなぁ!』
コロコロと変わる表情は俺だけしか知らない。他の奴らにはただヘラヘラと笑って対応している。神出鬼没に現れては昼食に誘ってくる。365日ずっとこんな感じで絡まれてる。
無「俺とペアになってから何年経つんだ?」
鳴『5年ぐらい?』
無「飽きないのか?」
鳴『まさか〜!無人くんに飽きるとかないよ!俺のご主人様だもん!』
無「飽きないんだな」
呆れるが此奴の隣は心地良い
良くも悪くも此奴は目立つ。だからこそ万年人で不足で貴重な人材にむやみに懐いているように見える此奴を良く思わない奴だっている
俺の後輩で視察部隊で活躍している女性は俺に好意を寄せているからかいつも此奴に強く当たっていた。確かに、いいな、と思っている男に長年側にいる女みたいな男が見せつけんばかりの態度をとっていたら目に余るのは分かる。ただ、傍から見ても性格が合わなさすぎる。相性はポケモンで例えるなら4倍弱点であろう。
👩「無陀野先輩にしつこく絡まないでください」
鳴『あれぇ〜?今、下から声がしたなぁ〜?』
👩「………迷惑なんですよ」
鳴『なに?お前みたいな雌豚が無人くんの心を代弁したつもり?お節介女は嫌われちゃうんだよォ〜?』
なぜこんなに強火なんだ。
俺以外への過激派対応も今や羅刹の名物。手綱握れるの俺しかいないんだな。色んな意味で強すぎるが故に。
できるだけ合わせないように手を回していたのに万年人手不足の鬼機関。今回に限っては最悪の組み合わせだ。
👩「後ろで見張りをしてます。何かあれば連絡します」
鳴『ハイハイ。無能ちゃんはそうしてなよ〜』
無「鳴海、口チャックしろ」
鳴『はぁい♡』
明らかに不機嫌な顔を見せる視察部隊の女を気にすることも無く、俺から付かず離れずの距離を保ちながらキャアキャアと騒ぎながら敵陣に消える様子はさぞ恨めしかっただろう。
そんな中、起こった最悪。
無「!通信が消えた」
鳴『ちょっと見てくる!』
鳴海が様子を見に行った時、桃太郎の奇襲にあいあの偵察部隊の奴は腹部を刺され、絶望に染まりきった顔でもがいていた。今からでも助けに入ればまだ生きれるだろうが何せ多勢に無勢。今回ばかりはこちら側に非がある。
無「もう、助からない」
鳴『だねぇ』
👩「な”…………んれ…………ぇ」
鳴『もう助からないんだから。それ以上動くと内臓に余計刺さるよ。』
👩「ゃだぁ……じに、たくなぃ…」
鳴海は少し複雑そうな表情を見せる。
👩「ゆ…る、ゼなィ、……」
鳴海を指しながら彼女は絶命。
死んだ彼女にテケテケと近ずいた鳴海は自前の注射器で彼女の血を吸い取った。
鳴『キミの死は無駄にはしないよー。キミの能力は責任もって俺が使ってあげる。』
無「鳴海、来たぞ。」
顔を上げると20名程の桃太郎。俺がやってもいいが今回は鳴海に譲ろう。ストックが無くなりそうとも言っていたからな
無「鳴海、今日はお前がやれ」
鳴『はぁい♡』
無「3名だけ残しておけ。」
鳴『俺セレクトでいいって事ね!OK任せちゃって〜☆』
キャアキャアしながら取り出したのは対桃太郎用の鎌。能力使うより武器の方が効率良いと自身の血で作った世界に一つだけの一級品。195cmの巨体で振り回されたらひとたまりもない。
5分もしないうちに桃太郎を倒し楽しそうな顔で小瓶に桃太郎の血を流し込んでいる。
鳴『お仕事おーわり!』
無「校長が帰ってこいと言っている。何か重大な話があるそうだ」
鳴『鳴ちゃん了解でぇす!』
あまりいい予感はしなかった。
コメント
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早く続きみたいなぁ〜(*^^*)