“ 私 それ 運ぶ ”
「え?でも、」
私がおぼんを持って居間へ行くと、赤傘さんがヒョイとおぼんを私の手から取り上げた
“ あなた 大変 私 手伝う ”
「!、ありがとう赤傘さん」
“ あなた こっち 座る 一緒 ! ”
「ありがとう、這いばいさん」
その後、私は這いばいさんに手を引かれて
座らされ、麦茶を喉へ流し込んだ
「えっと、” 私 したい 2 聞く」
“ ?”
「 ” 2 ではない 人間 ? 」
これはこの二人に出会った時からの疑問だ
別に種族が違うとしても、私を助けてくれた事実だし、どうとも思わないのだが
ただの興味本位だ
“ 私 違う 人間 ”
“ あなた 私 嫌い..? “
「え?いいえ、” 私 ではない 嫌い ”」
私は微笑みを浮かべ、そう伝えた
「だって、二人共とても優しいし
そんな人達をどうして嫌いになんかなれるの?」
私がそう言った瞬間、私の身体の前後に包み込まれているような温もりが走った
“ 私 あなた 好き ずっと 一緒 ”
「ふふっ、くすぐったいよ這いばいさん」
“ 私 あなた 好き
あなた 私 好き 名前 教える ? ”
「うーん、名前は教えられないかな」
後ろから脇を持ち上げられ、私は後ろにいるであろう赤傘さんの足の間に座らされ
這いばいさんは私の頭を撫でて来た
「ふぁぁ、」
“ あなた 休む ? ”
あまりの心地良さに私に睡魔が襲った
「うん、少し、寝るね、」
私はそのまま意識を手放した
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「あぁ?特級呪霊二体に取り憑かれた少女の保護だぁ?!」
とある高専内、五条のそんな声が教室に響き渡った
「あぁ、何でも仙台にある小学校内で呪霊らしきモノが現れたらしい」
「呪霊らしきもの?」
「随分曖昧な言い方ですね」
「目撃報告によれば、呪霊の気配とはまた違い、別の何かのようだったらしい」
「んだそれ、傑ー。
それ取り込むのか?」
「そうだな、実際に会ってみないと分からない」
「えぇ、特級呪霊なんて、ちょっと怖いな、」
「大丈夫だよ果穂、私が守ってあげるから」
「し、硝子ちゃん、!」
果穂と呼ばれた可愛いらしい容姿の少女は硝子に抱きつき、そう甘えた声を出した
「、特級呪霊ねぇ」
五条は今にも雨が降り出しそうな雨雲を見ながら、そう呟いた
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「スー、スー、」
“ スー、スー、”
“ ん、あなた、 “
そんな事を知らない二体の怪異は一人の盲目少女を抱きながら、心地良さそうに眠っていた