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第75話「神々との修行、極限の闘志」
神の領域・修練の地。
そこは広大な浮遊大地に神々の属性が宿る特別な空間だった。空は黄金に染まり、大地には神々の加護が流れ、英雄たちの魂を試す場となる。
――ゲズ × アルテミス
風のような軽やかさでゲズを翻弄するアルテミス。その手には光の矢ではなく、月の刃が握られていた。
アルテミス「雷の力だけでは、この世界では通用しないわよ、ゲズ。もっと“感じて”」
ゲズ「感じる……?」
次の瞬間、アルテミスの姿が消えた。空間が揺らぎ、後ろからの一閃。咄嗟に雷光で防御したゲズだったが、その衝撃に吹き飛ばされる。
アルテミス「見えている敵だけが全てじゃない。“気配”を読まなきゃ」
ゲズ(雷を撃つだけじゃダメだ。俺は……“気配”を、空間ごと読むんだ!)
次の一撃、ゲズは目を閉じ、雷を纏いながら一歩を踏み出した。
ゲズ「雷鳴、流影!」
空間を切り裂くような雷の奔流が走る。アルテミスの頬をかすめ、彼女の瞳がわずかに揺れた。
アルテミス「フッ……少しは感覚が鋭くなってきたじゃない」
⸻
――リオン × ポセイドン
海の加護を受けた広大な水の間で、リオンは巨大な水柱に囲まれていた。ポセイドンは大海の槍を構え、静かに語る。
ポセイドン「力とは、激しさではなく、深さだ。お前は熱い。だが、それだけでは見誤る」
リオン「……冷静さ、か」
ポセイドンの槍が唸ると、周囲の水が一斉に刃となってリオンに襲いかかる。咄嗟に炎を纏って防御するも、水は熱を呑み込み、反撃する。
リオン「ぐっ……!」
ポセイドン「炎は制御できるか? 暴走すれば、それは自分をも焼くぞ」
リオンは息を整えた。燃え上がる炎を、自らの手で押さえつけるように制御する。
リオン「燃やすんじゃない……導くんだ!」
炎が剣の形を成し、水の刃と交差する。激突の中で、リオンの眼差しに冷静な光が宿った。
ポセイドン「……ならば、その眼で未来を見定めよ。戦いは続く」
⸻
――セレナ × アポロン
空中に浮かぶ光の神殿。無数の光子が舞う中、セレナはアポロンの奏でるハープの音と共に“集中”を試されていた。
アポロン「音に乗せて、光を制御してごらん。心が乱れれば、光は暴れる」
セレナ「……わかったわ」
目を閉じ、静かに呼吸を整えるセレナ。ハープの音色と共に、光の粒が手のひらに集まっていく。
だが、一筋の不安が胸をよぎった瞬間──光が弾け、爆ぜた。
アポロン「セレナ、その心の“陰り”はなんだ?」
セレナ「……兄のこと。リオンが……もう傍にいない時期があったから……」
アポロン「その痛みも、力に変えなさい。“光”は闇があるからこそ輝く」
セレナは深く息を吐き、再び手を伸ばした。今度は確かな意志と共に、光が弓を形成する。
セレナ「私は、光を放つ――希望のために!」
⸻
――ウカビル × アレス
荒野を舞台に、ウカビルとアレスは拳でぶつかり合っていた。火花のような衝撃。大地が割れる。
アレス「もっと来い! お前の拳、まだ“迷い”があるぞ!」
ウカビル「……迷いなど、ない」
アレス「カティアのこと、忘れられてねぇんだろ?」
ウカビルの瞳に微かな陰り。しかし、次の瞬間には拳に闘志を込めた。
ウカビル「過去は、力に変える。それが俺の答えだ!」
拳と拳がぶつかり、地鳴りのような轟音が響いた。アレスが口角を上げる。
アレス「よし、それでこそ星の英雄だ」
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こうして、星の英雄たちは神の幹部たちとの修行を通じ、精神・技・力を高めていった。
一週間の猶予、その終わりは確実に近づいていた。
次なる戦い――そして、決戦の時が、静かに迫っていた。