自分の人生を考えたことは無かった
馬鹿できる友達がいて
仲良い彼女もいて
家族だって仲いい方だし…
特に不満はなかったからだ
なのに…
『グク!!』
『え?』
『またぼーっとして!!話聞いてた?!』
『ごめんごめんwww』
『何か悩み事でもあるのか?』
『ないないwww昨日寝るの遅くて』
『もーっ』
『で、何の話?』
『放課後 隣り街に出来たゲーセン行こうって話』
『あぁ…あそこね』
『グク行くよね?』
『アミは?』
『行きたい♡』
『じゃ、行く』
『イチャつくなよー!!』
『あはは』
楽しい
今が凄く楽しい
でも…
放課後 隣り街まで繰り出したグク達
気がつけば外は真っ暗になっていた
『最新の物とかあってヤベーなwww』
『はい、プリクラ』
『サンキュー』
『俺たちここで解散するわ』
『おぅ またな』
『バイバーイ』
『じゃ、俺達も帰ろうか』
彼女を最寄り駅まで送り グクは帰った
『ん?雨? マジかよ』
突然の雨に走って帰ろうとした時
『いやよ!!』
『そんなの嫌!!こんなに…こんなに好きなのに…ぅぅぅ 別れたくない!!お願い!!ねぇ…』
『ごめん』
『なんで…いや、行かないで!!…お願い…ぅぅぅ』
グクは目が離せなかった
何故か自分の胸がギュッと痛んだ
(なんで泣くんだ?…なんでそんなに求めるんだ?…もし アミと別れる時 俺はあんな風にはなれ…)
『…ハッ』
『何だ…』
グクは苦しさと怖さを感じた
『…帰ろう』
自分の中の気付いてはいけない何かに触れそうで怖さを感じた
ダメだ…
分からない
でもダメだ…
グクは必死に気を紛らわした
その日 グクは寝付けなかった
『……朝か』
ピコンッ
『ん?』
〖おはよー♡遅刻しないでね^_^〗
『……』
『あ、やば 遅刻する』
駅には友達と彼女
変わらない毎日
見慣れた風景になんとなく安心した
『グクおはよー』
『早く来いよ 電車来ちゃうぞ!!』
『…ふふっ 今行く!!』
それからまたいつもの日常
あの日の胸のわだかまりを忘れかけていた
キーンコーンカーンコーン
『お腹空いたー』
『早く食べようぜ』
『あれ…』
『どうした?』
『弁当忘れた』
『私の分けてあげるよ』
『いや、売店行ってくる!!先食べてて』
『おう』
『早く行かねーと無くなるぞーwww』
『分かってる!!』
売店には既に人盛り
『くそー 出遅れた』
『ふぅ 何とか買えた』
教室に戻ろうとした時 何気なく外を見た
『ん?』
中庭にフラフラと歩く1人の生徒がいた
その生徒はバタッと木陰に倒れるように横になった
『え?!』
グクは急いで中庭に走った
『はぁはぁ…だ、大丈夫?』
木陰に倒れた生徒は何も話さなかった
『おーい 』
グクは膝をつき覗き込むようにその生徒にまた声をかけた
その時 風が吹き 葉が顔に落ちてきた
(あ、葉っぱが…)
グクはそっとその葉を取ろうと手を伸ばした
ガシッ
『?!』
目を覚ましたその生徒はグクの手を掴んだ
『ご、ごめん 葉っぱが顔に落ちたから取ろうと…』
『…あぁ』
グクは動けなかった
手を掴まれてるから…
いや…何故か目を逸らせなかった
『あ、あの…』
その時
グゥゥゥ
『え?』
その生徒は咄嗟にお腹を触った
『腹減ってるの?』
『う、うん』
『……あはははは』
『パン食べる?』
『いいの?』
『1個だけならw』
『ありがとう…』
恥ずかしそうに笑う姿に
グクの胸の奥がざわついていた
『……何だ』
グクはそのざわつきが何かは分からなかった
でも気付いてはいけない何かだと感じていた
『どうした?』
『え?…ううん ほら、焼きそばパンでいい?』
『うん なんでも食べれる』
『じゃ…俺はこれで…』
その場を立ち去ろうとしたとき
『待って!!』
グクは立ち止まった
止まったけれど振り向かなかった
いや…振り向けなかった
『俺3年のジミン 君は?』
グクはびっくりして振り向いた
『3年?!先輩じゃん…あ、先輩じゃないですか!!すみません!!』
『あはは 別にいいよw』
笑った顔は優しくて胸が温かくなる気がした
『で、名前は?』
『あ、2年のジョングクです!!』
『ジョングク…グク パンありがとう』
グクはお辞儀をして走った
無我夢中で走った
このドキドキが走ったせいだと思いたかったからだ
『おかえりー』
『遅かったな』
『食べ終わっちゃうよ』
『どうした?』
『え?な、何が?』
『息切れしてるし…』
『顔赤いぞ』
『……えっ』
グクは自分の体温と胸の高鳴りから目を背けることが出来なかった
コメント
6件
安定のグクミン❤️❤️❤️ 安心して読める❤️ モチベが上がったらまた投稿してね❤️❤️❤️
ふむふむ🤔 これは私の予想が正しければラブストーリーかな🧐 きっとトキメキスクールラブになるはず‼️