テラーノベル
アプリでサクサク楽しめる
次の日のレッスン。
⸻
結菜が、珍しく音に近づいてきた。
⸻
「昨日さ」
⸻
嫌な予感がした。
⸻
「告白、断ったんだって?」
⸻
一瞬、空気が止まる。
⸻
「……誰から聞いたの」
⸻
「噂」
軽く笑う。
⸻
「もったいないことするね」
⸻
何も言えない。
⸻
すると結菜は、少しだけ顔を近づけて言った。
⸻
「ねえ」
⸻
「音くんのこと、好きなの?」
⸻
心臓が、跳ねる。
⸻
「……違います」
⸻
反射的に出た言葉。
⸻
でも——
どこか、引っかかる。
⸻
「へえ」
⸻
結菜は楽しそうに笑う。
⸻
「じゃあさ」
⸻
そのまま振り向いて、彼の方を見る。
⸻
「私、いっていい?」
⸻
空気が、一瞬で変わる。
⸻
彼は何も言わない。
⸻
ただ、結菜を見ている。
⸻
「ファンとしてじゃなくて」
⸻
一歩近づく結菜。
⸻
「ちゃんと好きって意味で」
⸻
周りがざわつく。
⸻
音の心臓も、同じくらい騒がしくなる。
⸻
(なんで…)
⸻
関係ないはずなのに。
⸻
関係ないって、言ったのに。
コメント
1件
結菜の「私、いっていい?」のセリフ、めちゃくちゃ効きましたね。音ちゃんが「違います」って否定しながらも内心引っかかってる感じ、心情の描き方がすごく丁寧で、読んでるこっちまで胸がざわつきました。結菜は単なるライバルというより、何か計算して動いてるように見えて、今後の展開が気になります。設定や伏線を読み解くのが好きな身としては、この「揺さぶり」のタイトル通りの展開にやられました。続きが待ち遠しいです!
177