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テラーノベルの小説コンテスト 第3回テノコン 2024年7月1日〜9月30日まで
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「ただいまー…疲れたぁ」

「お、早かったねー!蒼くんどうだった?」

「なんかやばかったです…」

「そう?」

「あー眠い…ってげっ」

「げってなんですかー?可愛い後輩に向かって」

「ななな、なんであのクズ男がここに!?あんたなんて一生採用しないんだから!誘惑科に入れるもんか」

「えぇ〜?それより新入りが2人入ったんだっけ?それも人間の」

「そ。クズ男…お前新しくうちにはいった誘惑科の女の子に手出すんじゃないわよ?」

「約束はできません。あと、俺のことクズ男っていうのやめてくれます?峰山斗癸って名前があるんで」

「覚える必要もないわ。あと、私をナンパできると思わないでよね、クズ男。言っとくけど私は一途なの」

「え?意外…一途なんて、彩先輩好きな人でもいるんですか?」

「いないわよ。気色悪いから名前呼ぶな」

「はぁい…」

誰…?すっごいクズ男って言われてるんだけど…

背は俺よりずっと高いし、顔もまあかっこいいと思う。二人並んだら美男美女カップルにも見えかねない…いや、こんなこと言ったら怒られるか。

「あ、ごめんごめん。俺の名前は峰山斗癸。拷問科だよー」

「あんまり鶫にちょっかいかけたら拷問されるわよ?」

「されてみたいもんだねー。彩先輩の誘惑もされてみたい」

「気持ち悪い。ばーか、だれかやるか。私眠いんで寝たいー…まだ帰っちゃ駄目?」

「だーめ。書類整理まだ終わってないし。というかまだお昼寝の時間でしょ!蒼くんも手伝ってー」

「あ、はい」

あんな野蛮な仕事より、こっちの方がずいぶん楽だ…

「ひらり先輩膝枕してー」

「しょうがないなぁ…じゃあ休みをくれてやろう」

「やったーおやすみー…」

って言って、5分も経たないうちに甘愛さんは熟睡した。

どんだけ寝てなかったのこの人…

次の瞬間。

ドーン!!

「おいいるか凪野蒼。次は私との仕事だ」

嘘だろ…岸さん?

「頑張ってねー」

「ちょっと!!書類整理は!?」

「それよりそっち優先だから。いってらっしゃい」

「ほら行くぞもたもたすんな」

「何故…」

何故、俺はこんなことになっているのだろう…いや、そんなことを考え出したらキリがない気がする。

もう考えるのはやめよう…うん。

「ところでお前使える魔法は?」

「え?ないです」

「は?」

「え?」

知らなかったの!?

いや俺みたいな平凡な人間が魔法なんて使えるわけな…

「じゃあまあ…1つか2つくらいは教えよう。あとは彼岸花に聞いてくれ」

「はい…」

「じゃあまずは防御魔法。自分の身ぐらい自分で守れないと。見学するにもな」

確かに。なんかさっきも巻き添えくらいそうだったし。自分の身ぐらい自分で守れないと…

でも問題はそこじゃない。

まず俺が魔法を使えるかってことだ!!

「呪文は『フェアタイディグング』。ちょっと長いけど言ってみ」

「えーと、ふぇあ…たいでぃん…」

「防御魔法〈フェアタイディグング〉」

「おわっ!?」

急に目の前に壁が…

「強く壁をイメージして、言ってみ」

「ふーっ…防御魔法〈フェアタイディグング〉」

ヒュン

「あ!」

「なんだ、できんじゃん。あれ?でも人間って魔法使えたっけ…」

いや俺自身もびっくりしたんですけど…なんで当然のように俺魔法使えてんの!?

「わかんない。彼岸花に聞いてみる、あとで。じゃあ現場行くぞ。私は彩のように甘くないし、掃除科の仕事はキツイからな?」

いやそもそも俺掃除科じゃないんで!!!

死んでも入りたくない…拷問科もそうだけど。

というか俺が見た甘愛さんの仕事はたまにある現場の仕事だったんだよな…ほんとの誘惑の仕事は…うん。考えないでおこう。

あの人のことだ、今まで手にかけてきた男性は数えきれないほどなんだろう。もちろんこの人も何人殺したかわからな…

「殺人魔法〈モルト〉」

「うぉっ!?」

目の前に血飛沫が…って岸さん血まみれ!!返り血なのか…?

「はい、ターゲット抹殺完了。じゃ、返り血綺麗にするかぁ…凪野、はい雑巾。血拭いて」

「あ、はい…」

甘愛さんのときと全然違うんですけど…いや一瞬!!

「…もう一人いるね…いーや、こっちの方が手っ取り早い。凪野、防御」

「あ…防御魔法〈フェアタイディグング〉」

「よし。刃物魔法〈シュヴェールト〉」

刃物が飛び散る。量が多い。

それになんかあちこちから血飛沫が…うぅ、鉄の匂い…

「よし。もういないな。さ、掃除掃除〜」

あー、これが掃除科の仕事か…

それから俺は見たくもない死体の処理をさせられた…ああもうほんとに吐き気がする!!

こんどこの人と仕事するとき吐き気どめ飲んどこ!!

「さ、帰るぞ」

「はい…」


一方、本部ー…

「もうやめて!!わかった…自白するから!!」

「あー、これには耐えられなかったかぁ…強がりのお姉さんも」

「このクソ男!!」

「おーっとそこまで」

パチン…

「斗癸さん。拷問終わった?」

「はーい、鶫教官終わりましたぁ」

「じゃ次は書類整理するよ。彩さんはまだ寝てんのか…?」

「そうかもっすねー。だいぶお疲れのようだったし?」

「じゃ、早めに片付けるよ」

「了解〜」

相変わらずこのチャラ男は…と思いながら鶫は斗癸をながめていた。案外整った顔立ちしてんのに、なんでナンパ成功しないんだろうか、と。

「ただいまです…」

「あー、凪野くんおかえりー!じゃーん、凪野くんに紹介したい子がいまーす!」

「あ、彩。起きたんだ…」

「こら岸、先輩呼びは?私の後輩ちゃんよー!」

「あの…冬熊水梨です」

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