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「転生したらスライムだった件について」
暗闇の中だった…
音も聞こえず、感覚もない。
「……どうだ?」
声が聞こえた。
まいかはゆっくり目を開いた。
視界に広がったのは、見慣れない天井。
そして、青髪の美しい人。
「…え、?」
「目が覚めたか、よかったよ。」
安心したような声。その声が、不思議と胸が温かくなる。
「リムル…?」
自然に名前が口から出た。
「なんで俺の名前を…。いや、それより、大丈夫か?体に違和感は?」
まいかは自分の手を見る。
透明感のある白い肌。軽い体。
頭の奥で声が響いた。
《告。個体名:まいかの覚醒を確認しました。これにより、【共有演算(シンクロ・システム)】を起動します》
「……な、なにこれ」
大量の情報が流れ込んできた。
魔素の流れ、空間認識、周囲の生命体の反応。
そして__
リムルと繋がる温かい感覚。
「…あったかい」
理解した。自分は今、リムルと“回路“を共有している。
「やっぱりか…(笑)」
リムルが少し困ったように笑う。
「お前、俺の進化の余波で生まれた存在なんだ。言うなら…妹、みたいなものだな」
妹。
その言葉に胸がじんわり温かくなった。
「じゃあ、おにいちゃんだ…」
そう言うと、リムルが一瞬固まった。
「…破壊力高いなそれ(笑)」
苦笑しながらも、どこか嬉しそうだった。
〜まいかの能力〜
まいかの能力は特殊だった。
【共有演算(シンクロ・システム)】
・リムルの能力の一部を使用可能
・大賢者の演算補助を簡易的に共有
・魔素循環を自動最適化
《固有能力【共鳴支配(レゾナンス)】》
相手の魔素と“調和“し、暴走や敵意を弱める力。
*弱点は、魔素を大量に消費してしまうこと
決して戦闘向きではない。
けれど、誰よりも“隣に立てることができる“能力だった。
まいかが目を覚ましてから数日後。
テンペストは少しおかしくなっていた。
原因はただひとつ。
「まいか様、お茶をどうぞ!」
「いや俺が先に持ってきた」
「ベニマル様ずるいです!!」
「……なんで?」
目の前で始まる小さな争い。
シオンとベニマルが真剣な顔で睨み合っている。
ランガはまいかの影に潜んでるし、護衛は常に一人は隣にいる。
完全に過保護体制だった。
「いや〜人気者だな妹よ」
隣でリムルが楽しそうに言う。
「絶対お兄ちゃんのせいだよね?」
「否定はしない(笑)」
即答だった。
魔王ミリム襲来
その日、空が割れた。
凄まじい魔素。
テンペスト中の魔物が震える。
「はっはー!我が名はミリム・ナーヴァ!」
ピンク髪の少女が空から降り立った。
最古の魔王。
存在そのものが災害級。
普通なら緊張が走る場面。
だが、
ミリムの視線がまいかで止まった。
「……?」
次の瞬間…
「なんだこれは!?とても落ち着くのだ!!」
抱きつかれた。
「え!?!?」
全員が固まる。
まいかの【共鳴支配」が無意識に発動していた。
暴力的な魔素を持つミリムにとって、それは初めて感じる“安心“だった。
「気に入ったぞ!!お前は今日からマブダチなのだ!」
「!?!?」
リムルが頭を抱える。
ベニマルの額に青筋が浮かぶ。
「距離が近すぎるのでは…?」
小さく呟いた声は誰にも聞こえなかった。
取り合いの始まり
その日から…
ミリムは常にまいかの隣
ランガは警戒して唸る。
シオンは給仕を理由に接近。
ベニマルは護衛を名目に常駐。
そして__
「おいおい、お前ら。近すぎだろ」
リムルが呆れた声を出す。
「俺の妹なんだから、俺の隣が定位置だろう?」
沈黙。
全員が一歩引いた。
魔王の圧だった…。