コメント
4件
岩本 照
街中が光輝く今日
恋人達が手繋いで歩いている
嬉しそうにプレゼントを持つ子供
そんな人達を眺めながら私は
今年も1人だった
彼氏なんていない
出会いなんてない
恋愛なんて興味ない
この日に限って
私は孤独になる
寂しく街を歩いていると
たった1人で何かを探す人
いつもなら、
“どうでもいい”
そう思ってしまうのに
この人だけは、放っておけなかった
『どうかしたんですか?』
そう聞くと
「大切なネックレスを落としてしまったんです」
彼はそう答えた
『探すの手伝います』
ただ、1人になりたくなくて、
とっさに出た言葉だった
「大丈夫ですよ、クリスマスイブなのに大切な人と過ごしてください」
彼の言った悪気ない言葉は
私の心に静かに刺さった
『………』
「……どうかしました?」
『いや、大丈夫です』
「本当ですか?」
『はい、……私を待ってる人なんか居ないので』
「そうですが、なんかすいません」
『いえいえ、それより、二人で探した方が早いですよ、』
どうしても、話を逸らしたかった
「そうですね、じゃあお願いします」
私の何かを察したのか、
これ以上聞かなかった
あれから何時間たったのだろう
私達は、クリスマスイブなんてことも忘れて
ただひたすら彼の落とし物を探した
『あっ、これですか?』
「それです!本当にありがとうございます」
『見つかってよかったです』
「本当にありがとうございます。お礼をしたいので連絡先教えてもらってもいいですか? 」
『お礼なんて、いいですよ』
「いや、俺がしたいので」
『じゃあ、お言葉に甘えて』
そう言いながら
私は彼にQRコードを差し出した
私のスマホに映る
彼の名前
『”いわもとひかる”』
「”いわもと○○”」
偶然にも彼と私は
同じ名字だった
「同じ名字ですね、」
『そうですね、』
きごちない会話だけど、
私はどこかで彼に
惹かれていた
「夜遅くに女の子を連れまわして、すいません」
『暇だったので、大丈夫です、それこそ照さんは予定がなかったのですか?』
「彼女が家で待ってます」
『………そうですよね、こんな所で私といたら彼女さん悲しみますよ、早く行ってあげてください』
「本当にありがとうございました」
そう彼は私に告げて
愛する彼女の元へ行ってしまった
なぜだろう、
彼氏なんていらないはずなのに、
恋愛なんて興味ないのに、
こんな気持ちになるのは
初めて会ったのに
好きになってはいけないのに
彼に惹かれていた私がいた
スマホの画面に映る
“岩本照”
の文字が私を
苦しくさせた
やっぱり、この日は
嫌いだ
クリスマスなんてなければ_
いつも通りの
何にも変わらない今日なのに
今年もまた、
“クリスマス”
は私を苦しめる
END
駄作ですみません