テラーノベル
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「寒……」
愛は体を起こしスマホを確認する。時刻は6時50分、少し遅めに起きてしまった。
「うわ…間に合うかな」
急いで身支度を済ませた。焦りすぎて服装は少し雑だが遅刻と比べたら些細な問題だ。
「行ってきまーす!」
靴を履き、玄関にある鏡で少し前髪を整えドアを開ける。
「う~す」
「え!なんでのんちゃん居るの!?」
「ん?お前乗せて自転車で帰るのが怖くて怖くてしょうがないから私も徒歩で来たって訳」
「え?でもそれだとのんちゃん帰るのめっちゃ遠くない?」
「そうだよ」
「え~それなら別に私乗るとか言わないよ?」
「え~でもぉ…」
「でも?」
「愛と一緒にゆっくり話ながら帰りたくてぇ(小声)」
「は?お前可愛すぎ何だが?」
「あ”ぁ”-!だから言いたくなかったんだよぉ!」
「可愛いこというじゃ~ん!そんなに私と帰りたいの?」
「あぁそうだよ一緒に帰りたいの!なんか悪い!?」
「いや?そんなこと言ってくれるんだぁって」
のぞみは頭を掻きながらそっぽを向いた、それでも彼女の耳は赤く成っていた。それは冬の寒さから来たものなのか、それとも照れからなのか。
「のんちゃん耳赤くな~い?」
「うるさ」
そうしてやいのやいの言い合っているうちに学校についた。未だにのんちゃんは不貞腐れていて、喋ってくれるがそっぽを向いて声のトーンが何時もより低くなっている。
「ごめん…流石にイジりすぎた…」
「…」
「マジでごめん!なんでもするから!」
「あれぇ?お姉さん今「なんでもする」って言いましたよねぇ?なにして貰おうかなぁ?」
まんまと嵌められた。さっきまで不貞腐れていたのに「なんでもする」という単語を聞いた瞬間彼女は元気に成った。
「は?なんでもするなんて言ってないが?のんちゃんの勘違いなんだが?」
「いいや言ったね!愛がそういう否定のしかたする時は大体愛に都合悪い時なんだから」
「…せめて軽めのやつにしてよ?」
「それは私の気分次第だからな~?まぁ心して待ってると良いさ」
「のんちゃんが次こうなったら覚えてろよ!」
「負け犬乙~そんじゃ!」
満面の笑みで煽ってきた彼女は機嫌良くクラスの友達に挨拶していた。今日も楽しそうで何よりだ。
「おっはよ~!」
「おは~」
クラスに入り、挨拶をすると直ぐに返ってくる。今日も賑やかだ。
「そういや愛は今日体育だけどジャージ持ってきた?」
「あ~…忘れてきた!」
「えぇ~?今日クソ寒いのに半袖半パンはやばくね?凍え死ぬよ?」
「えぇ…どうしよう」
「愛ってダチ多いんだから体育あるやつとかいないの?」
「あ!のんちゃん居るわ」
「なんか愛ってこういう困った時に真っ先に名前出るの必ず神谷さんだよね」
「ん~まぁのんちゃんは気を使わないで良いからね」
「ほんとに仲いいね~」
「のんちゃ~ん!」
大声で入り口からのんちゃんを呼ぶと、のんちゃんは一瞬驚きこちらに近付いてくる。
「どしたん?愛」
「ジャージ貸~して」
「また忘れたのか…しょうがねぇなぁ貸し1な」
「ありがと~のんちゃん」
「確認しろよな~ホント…因みに今日何あんの?」
「バレーボール!」
「借りたんだからちゃんと活躍しろよな」
「任せろって!皆にのんちゃんの名を轟かせてやるよ」
「やっぱ轟かせんで良いわ…恥ずいから」
「いいや、言ったからにはちゃんと活躍してくるわ」
「なぁんでこういう時は頑固なのかねぇ…」
「遅れるからもう行くね!」
「あいよ」
「ジャージありがとねー!」
「頑張れよー!」
のんちゃんは窓から身を乗り出して手を振ってくれている。チラッと見たら私が見えなくなるまで手を振ってくれていた。
「アイツ私のこと好きすぎかよ~」
口角が自然と上がるのがわかった。
今日はC組と合同授業だった。その一環でクラス対抗勝負が行われ、愛はそのチームに選ばれていた。
「愛!そっち行ったよ!」
「おらー!」
得点の追加と共に試合終了の笛が鳴る。愛のチームの勝利だった。
「いやー負けちゃった…神谷さん名前は聞いたこと有ったけどこんな強かったんだ」
「あー…私は鷲見愛!今ジャージ忘れてのんちゃんの借りてるの」
「のんちゃん?あぁ、神谷さんの事ね…まぁ次は負けないからね」
「うん!」
話が終わるや否や友達が寄ってくる。「おめでとう」や「凄かった」等の言葉をくれる。だが授業中なのでのんちゃんをはいない。一番聞きたい友人の声が無いのは少し寂しさもある。
「のんちゃ~ん!」
「お疲れ~」
「ごめん貸してくれてありがと!」
「次は忘れんなよ?」
「それは…わかんない!」
「返事だけはいっちょまえだな?」
「取り敢えずありがとね~」
「うい~次の授業寝るなよ~」
「のんちゃんじゃないから大丈夫!」
「じゃかぁしぃわ」
「じゃあまた帰りね」
「昇降口で待っとくわ」
「うん!」
「あ、そういや」
「どしたん?」
「ちゃんと活躍はしたかぁ?」
「もっちろんよ!」
「アッハ!なら良かったよ…じゃあまたな~」
「バイバ~イ!」
コメント
4件
相変わらず仲が良い...平和な日常だけど作品名からしてもうすぐ壊れそうなのが切ない..
こういった日常も消えてくんだろうか。今はそんな前兆は著しくではないけど、怖いです。 あと、このもう少し地の文の世界描写や情景を書いた方がいいと思いました