テラーノベル
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午前11時、俺は映画を見てる。沙和子は今日も遊びに出かけ、友三は買い物に行った。
仕事が休みの日は録画した映画を見るか、友三と2人で映画館に行ったりする。
友三とは付き合い始めたころから、よく映画館に行っている。
本当に優しい女性だ。
俺は洋画が特に好きだ。
友三は俺の趣味に合わせて、いろんな映画をよく見てくれる。
友和も小さいころ「お父さん。何見てるの?」って俺の膝に座って一緒に見たな。
それであいつも洋画を見るようになった。
俺や沙和子と違って、英語は苦手だったが。
英語の成績が特に酷かった。
俺や沙和子が教えて、多少はマシになったと思う。
「父さん、おはよう」
友和が階段から降りてきた。
「おはよう」
「これから武とカフェ行った後、そのまま東京へ帰るよ」
「そうか」
「父さん。今日は遊星からの物体Xを見てるんだね」
友和も見たことがあるようだ。
「ああ」
映画を見ながら答える。
「宇宙人が取り憑いて、みんな疑心暗鬼になっちゃうんだよね……。でも人間って宇宙人関係無く、疑わしいことばかりだと思うけどね」
友和が寂しげに微笑んだ。
去年から色々あったからな。
「そうだな」
「母さんと沙和子は?」
「母さんは買い物、沙和子は遊びに行って、そのまま東京へ帰るそうだ。」
「そうなんだ……。俺はそろそろ行くね」
友和が扉まで向かおうとする。
「友和!」
呼び止めた。
「どうしたの?」
「この映画の登場人物のように、人を信用できなくなっているようだが……」
「だが、家族は別だ。それだけは覚えておけ」
友和が目を丸くしてる。
親族から見捨てられた俺が、こんなこと言って意外に思ったんだろう。
「俺は……。いや、俺だけじゃなく母さんも沙和子もお前を見捨てたりはしない。あんな思いをするのは俺だけでいいんだ。わかったな」
「……ありがとう。父さん」
友和はそう言いながら、家を出た。
そう……。
あんな思いをするのは俺だけでいいんだ。
俺の家族には……。
あんな思いはさせない。
俺は1人で映画を見続けた。
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#ミステリー
鬼霧宗作
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みおん
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コメント
3件
あおいです🌷 「家族は別だ」って言葉、すごく刺さりました。自分が嫌な思いをしたからこそ、子どもにはさせたくない——その静かな決意が、普段の優しいお父さん像と重なって胸が熱くなりました。友和さんの「ありがとう」も短いけど、全部伝わってくるなあ。