コメント
0件
👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!
14話 深淵の咆哮
——夜。街の外れにある廃工場。
そこはまるで、世界から切り離されたような静けさに包まれていた。
海「……来たな。ここだ」
工場の中から、異様な気配が渦巻いている。空気が歪み、影が蠢く。
とき「今までのアノマリーとは桁が違う。これが、Sランク……」
らんま「正面からぶつかったら、誰かが消えるんだ……」
ふぶき「っ……」
みこ「でも、もう逃げないって決めた。自分の“願い”の代償と向き合うって——私たち、そう誓ったでしょ?」
ふぶき(……わたくしも……)
ふぶき「はい、わたくしも……皆さまと共に参りますの」
その時、闇の中心が裂けた。
咆哮と共に現れたのは、巨大な黒い獣。歪んだ顔、何本もの手足、そして瞳のない眼。
Sランクアノマリー《ヴォイド・グリード》
らんま「これは、“願いを喰らう影”だ……! 魔法少女の希望を食べて、自我を壊す存在するんだ!」
ヴォイド・グリード「……クウ……ホシイ……タリナイ……タリナイ……」
みこ「来るよ……みんな、構えて!」
戦闘シーン:暴走と覚醒
攻撃が交錯する中、ときの魔法が乱れ、
ふぶきが傷を負い、
海の防御も破られる。
海「クソッ、こいつ……強すぎる!」
ヴォイド・グリード「オマエノ……ココロ、クウ……」
その言葉と同時に、みこの胸に激しい痛みが走る。
視界が歪み、“過去の記憶”が脳裏に蘇る。
——あの日、誰にも言えなかった後悔。
——大切な人を守れなかった罪。
みこ「やめて……やめてぇえ!!」
だが、そこに光が走る。
???「……もう、やめなさいよ」
突然、影の前に割り込む少女の姿——寿カレン。
カレン「この子の心にまで手を突っ込むなんて、最低ね。Sランクだかなんだか知らないけど……これはやりすぎよ」
みこ「カレン……!?」
カレン「安心して。私は“審判者(ジャッジメント)”。でも、時には助ける側に立つこともあるの」
彼女が掲げた手から、強烈な光が放たれ、ヴォイド・グリードの動きが一瞬止まる。
カレン「今よ、みこ。あなたの“願い”を、叫んで」
みこの心に、あの記録された声がよみがえる。
みこ「後悔しない自分に、なりたい」
みこ「私は——もう後悔なんてしたくない!!」
その叫びに応えるように、ステッキが輝き出す。
周囲の空間が凍り付き、全員の魔力が共鳴する。
とき「これは……みこの魔法、進化してる!?」
ふぶき「わたくしたちも、今こそ——!」
連携攻撃がヴォイド・グリードの核を撃ち抜く。
叫び声と共に、影は音もなく消滅していった。
戦闘後
カレン「ふふ……ちゃんと乗り越えたわね」
海「お前、本当に味方……なんだよな?」
カレン「さあ、どうかしら?」
(微笑みながら、意味深に振り返る)
みこ「……カレン。あなた、何者なの?」
カレン「私はただの案内人。けれど——この“ゲーム”の終わりを知ってる人間よ」
らんま「“ゲーム”……?」
カレン「魔法少女になるってことは、ね。誰かが“仕組んだ物語”に巻き込まれるってことなのよ」
そして、彼女は一言だけ残して姿を消す。
カレン「次に現れるのは、“裏切り者”よ——」