第15話 揺らぐ信頼
あの戦いの翌日。
教室ではいつも通りの時間が流れていた。だけど——
みこ(心の声)「あれからずっと、胸の奥がざわざわしてる」
みこ(心の声)「“裏切り者”って、誰のこと……?」
放課後、公園に集まったみこたち。
海「カレンの言葉、冗談って感じじゃなかったよな」
とき「冗談で済むような顔じゃなかったわ。あれは……予告よ」
ふぶき「裏切り者だなんて……そんなの、信じたくありませんの」
沈黙が流れる。
誰もが言葉を選び、互いの表情を探っている。
みこ「……でも、考えたくないけど、可能性はゼロじゃない」
その時、スマホが震えた。
《Magica Order》:深層契約記録・解放申請あり
【記録再生:松下とき】
とき「……え? ちょっと、なにこれ——」
タップすると、自動再生される音声。
《記録:松下とき》
「力が手に入るなら……私は、誰かを犠牲にしても構わない。守るって決めた人だけを守れれば、それでいい」
⸻
静寂が落ちた。
海「とき……これ、マジか?」
とき(顔を伏せて)「……そうよ。あたしが《Magica Order》を始めたときに、そう願った」
ふぶき「……そんな……」
みこ「でも、それって……」
とき「あんたたちを犠牲にしようと思ったわけじゃない。あたしは……あたしなりに、ただ生き残るために……」
みこ「……わかってる。でも……でもさ、ときが本当に“裏切る”なんて、思えないよ」
海「そうだな……過去の願いが、今のお前を決めるとは限らねえ」
ふぶき「わたくしも……信じたいですわ。ときさんが、わたくしたちと共に戦ってきた日々を」
ときの目に、じわりと涙がにじむ。
とき「……ありがとう。でも、もしまた……誰かを選ばなきゃいけない時が来たら——」
とき「あたしはきっと、迷わない」
その言葉に、空気が少しだけ重くなる。
けれど、同時に1つの“覚悟”が宿った。
その夜。
《Magica Order》に、再び通知が入る。
【次なるアノマリー:《Noir Venom(ノワール・ヴェノム)》】
【対象者:新城ふぶき】
みこ「……ふぶき……?」
らんま「この影は、心の“やさしさ”を喰うんだよ。優しい者ほど、深く侵食されるんだ……」
ふぶき「……あら、わたくしが“試される”番ですのね……」
ふぶき「なら、覚悟はできていますわ」
(ふわりと笑って、ステッキを握る)
コメント
0件
👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!