葛葉 「う、わ。」
叶 「早いね、今回のクロ。」
長尾 「日を跨ぐもんだと思ってたわ…」
全員が驚いた表情を浮かべた。
前回まで、シロクロが決まった次の日の朝に死体が見つかることが多かった。だって、夜に殺した方が目撃者が少ないから。
だから、こんな大胆な殺しをするなんて…リスクを犯しすぎじゃないか? クロは。
そう考えていた時だ。
体育倉庫から、数匹の鳩が飛び出してきた。
月ノ 「うわっ!」
本間 「わっ、なんや?!」
夜見 「あー!こんな所にいたの?!」
加賀美 「はっ、鳩…?」
皆が呆然とする中、夜見さんはまた違った意味で驚いていた。
夜見 「皆が来る前、見つからなくて困ってたんだよね…なんで体育倉庫に居たのかな。もう、結構探したし、体育倉庫の中も見たはずなのに…。」
葛葉 「夜見さんが準備してる時は開いたんすか?」
夜見 「開きましたよ!しっかり開いて、中も見たけど…その時はなかったよ、死体なんて。」
……ンー、えぇ?じゃあ、星川さんはいつ殺されたんだ?
そう考えていたら、電子手帳から通知音が鳴った。
__事件ファイル__
被害者:星川サラ
死亡場所:体育倉庫
遺体の状況:頭に殴打傷があり、全身には切り傷が多くあるが、どれも重傷とは言えない。
葛葉 「…情報少なッ」
思わずそう声が出た。
え、だって、ん? 被害者の名前と、死亡場所くらいしかちゃんとわかんないじゃん。死因と死亡時刻は…ぁあっと、犯人に結びつくものってことだよな?なんにしろ、困るわ…。
叶 「うーん…、これは捜査するしかないね。」
叶も、苦笑い混ざりにそう言った。今回ばかりは、しっかりしなきゃ絶対解けない。
早速、捜査を始めよう。
____
死体も調べたいけど…とりあえず、倉庫から調べようかな。気になるところだらけだし。
そう考え、まずは扉を見た。
葛葉 「夜身さーん、扉って鍵閉めてましたー?」
夜見 「閉めてなーい!」
らしい。ではなぜ開かなかったんだろう。扉の鍵穴を見てみる。
…ん?なんか詰まってる?
葛葉 「……ぁれ、」
しかも扉の側面、閉まる時にくっつくところって言うのかな。そこに何か付着しているみたいだ。これは……接着剤? じゃあ、鍵穴の中のやつも…。
____
葛葉 「……くっせぇなぁー。」
鳩にあげる餌の匂いって言うのかな。実は、体育倉庫を開けた時点でかなり臭っていた。
体育倉庫の中は、星川さんの遺体…と、大きな袋でいっぱいだ。その袋から、ドックフードっぽい見た目のものがたくさん溢れている。これは、星川さんにもかかっているみたいだ。体の至る所についている。
これは……だから、匂いの通り、鳩にあげる餌だろうな。なんでこんなに大量にあってしかもたくさん溢れているんだろう。やっぱり、飛び出してきた鳩と何か関係があるのだろうか。
本間 「…全身に、切り傷…」
俺が部屋を調べていたら、珍しくほんひまが遺体に触れて捜査をしていた。珍しくなのかは知らん、俺は見た事ないけど。
葛葉 「おー、どうすか、そっちの方は。」
俺がそう問いかけると、話しかけられたことに少し驚いたのか目を開いてから、俯き気味で答えてきた。
本間 「ファイルの言う通り、いっぱい切り傷がある…結構新しくて、血がまだ止まってない。でも、失血死するほどの傷じゃないで。葛葉も吸血鬼の衝動に駆られてないし。」
葛葉 「へぇ…じゃあ何死だろ」
本間 「…まだ証拠が足りないから分かんない、」
葛葉 「……そ。」
声色がとても落ち着いている。静かというか。真剣なんだなっていうのがよーく伝わってくる。
でもなんか、調子狂うな…ほんひまが大人しいの。
複雑な心境に、俺は頭を掻いた。
葛葉 「しゃちょー」
加賀美 「はい、なんでしょう?」
次は社長に話しかけた。どうやら、体育倉庫全体を見回したりして、現場の様子を調べてるみたい。
葛葉 「なんか見つけた?」
加賀美 「小さいナイフならそこに落ちてましたよ。あれで切りつけたんでしょうか。」
彼の指の先を見ると、果物ナイフが落ちていた。先には少し血が付着している。確かに普通に見たら、このナイフが凶器だよな。
でも……
葛葉 「死因がまだ分かってないんすよね…」
加賀美 「そうなんですよ、だからこのナイフが凶器だって言うにはもう少し証拠が必要で…」
葛葉 「絶対ないってやつから消してって、残ったヤツが死因じゃないすか?」
加賀美 「…じゃあ、星川さんのご遺体を調べて一緒に考えてみましょうか。」
そう言って、2人で遺体の前にしゃがんだ。
コメント
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めっちゃ遅いですが続きありがとうございます!! ダンガンロンパとにじさんじどっちも好きなので読んでて 凄く楽しいです!!
続きありがとうございます!!!!!!!!!!!!!!