トントンと傘を白杖代わりに歩いていると
「巴!おはよ!」
「!い、虎杖くん?!」
隣から聞き覚えのある声が聞こえ、私は声のする方向へ振り向いた
「ご、ごめん!びっくりしたか?」
「ふふっ、ううん大丈夫」
私がそう笑うと、虎杖くんはシュンとした声音で謝った
「あ、俺ランドセル持とうか?重くて大変じゃない?平気?」
「うん、平気。ありがとう虎杖くん」
私がそう微笑むと、安堵したようにそっかと溢す虎杖くんの声が聞こえた
それから、私は虎杖くんの話を聞きながら登校した
友達と朝から話して登校するって、憧れだったんだよね!
「そういえば、巴って何で手を宙に浮かせてんの?」
「えっ、と、」
虎杖くんには、這いばいさんが見えてないのかな、
“ ..私 手 離す ? ”
「え、でも、」
“ 大丈夫 ! 私 あなた 一緒 ! ”
「!” 分かった ありがとう ”」
私は這いばいさんの頭の位置を探し、優しく撫でた
「巴?」
「あ、ううん!何でもない
手は、なんかこうしてないと怖くて」
「そうなんだな!やっぱり目見えてないと大変なんだな」
「うーん、最初は大変だったけど、
今はもう慣れちゃったから」
「へぇ!やっぱ巴はすげぇな!」
「!えへへ、そんな事ないよー、」
そんな事を話している内に、校長先生の挨拶が聞こえ、学校へ辿り着いたことを知った
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「、、、」
学校へ着き、しばらく巴と話していると先生がやってきた
つまらない先生の話を聞き流しながら、俺は巴の横顔を見つめていた
ガキの俺でも分かる、美人な巴
雪みたいに白い肌とサラサラな髪に、頬は桜みたいなほのかな桃色
小学校へ入った時から隣の巴、話しかけようとしたけどいつもどこかへ行ってしまい、
話しかける機会を見失ってしまった
だから昨日、話しかけれて良かったと思う
「ふわぁぁ、」
巴が欠伸をし、むぐむぐと口を動かした
それすらも綺麗だと思う俺は、彼女に惚れてしまったのだろうか
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その頃、二人の怪異は
“ ..ずるい 彼 ずっと 見る 彼女 ! ”
“ クッ! 彼女 名前 知る 彼女 可能 連れて行く ! ”
教室の隅で虎杖に嫉妬の念を抱いていた
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