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※Attention
こちらの作品はirxsのnmmn作品となっております
上記単語に見覚えのない方、意味を知らない方は
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ご本人様とは全く関係ありません
ただいま読み切りの激甘青桃を書いております。
甘すぎて、なんか吐きそうになってます(?)
出来上がり次第公開しますので、
少々お待ちください!
Day2 留守番と猫
ペットの猫は、
お留守番中何をしているのでしょうか。
いたずらも好きだけど、寂しがりな猫はきっと……
「おはよぉ」
「ん、おはよ」
朝、ないこが朝ごはんを作る音と匂いで
目が覚めた。
ないこは、朝が弱い俺と違って、
どうやら朝に強いらしい。
少なくとも、
ここに来てから、
1度も俺がないこより先に
起きたことはない。
それに、家事の手際もいい。
もうすぐできそうやな、
と思っていた朝ごはんは、
気づけば全部、
食卓の上に並べられていた。
「食べよ」
ないこがそう言って
当たり前のように椅子に座る。
その姿はどっちが家主なのか、
分からなくなるほど、様になっていた。
「あちっ」
不意に、コーヒーを口につけたないこが
小さく声をあげた。
湯気がたっているわけでもないし、
そんなに熱そうには見えなかったから、
俺も同じようにカップを持つ。
一口飲んでみると、
熱いというより、
冷めかけといったほうが近いぬるさだった。
「……ないこ、猫舌なん?
いつも、コーヒーぬるいし」
そう言うと、むっとした顔で
ないこはこちらを見た。
「……別に猫舌じゃないし、
熱いのが苦手なだけ」
それを猫舌って言うんやけどな、
と笑うと、
「ちゃんと意味違うし」
と、負けじと言い返してきた。
そのあとも
ないこは時々舌を出しては、
小さく「熱っ」と零していて、
つい声を出して笑ってしまった。
案の定、睨まれたが、
それすら面白くて笑い続けると
最後にはだんだん相手にされなくなった。
「忘れ物ないな?」
「うん、大丈夫」
「りょーかい、じゃ閉めるな」
忘れ物を確認してから、
玄関の鍵を閉め、
そのままその鍵をないこの手に乗せた。
きょとん、と
意味が分からんと言いたげな顔。
「今日、会議あって、
帰るの遅くなりそうなんよ」
「……うん」
「せやから、鍵。
先に帰ったら、開けといて」
そう言うと、
ないこは、一瞬だけ考えるように
視線を落としてから、こくっと頷いた。
「夕飯は?」
ぽつりと落ちたその一言が、
玄関に残る。
「んー…、遅くなるから、えぇよ。
先に寝とってな。
ちゃんと、ドライヤーはするんよ?」
そう言って、靴を履き直しながら、
念押しみたいに、つけ足す。
その瞬間、
ないこの頭の上に、
しゅんと垂れた猫耳が見えた気がした。
もちろん、
そんなもんあるはずないんやけど。
「なるべく早く帰るようにするな」
そう言うと、
ないこはかすかに目を見開いて、
すぐに視線をそらした。
「無理しなくていいよ」
そう返しながらも、
鍵を握る指が、
ほんの少しだけ強くなったのを、
俺は見逃さなかった。
「ちゃんと、帰ってくるから」
独り言みたいに呟いて、
俺は、鞄を肩に掛け直す。
腕時計に目を通すと、
もう行かなきゃまずい時間だった。
「そろそろ行くな」
ないこの頭にぽんと手を置いて、
足早に駅に向かった。
背後から
「……子供扱いすんじゃねぇよ、ばーか」
というないこの声も聞こえぬまま。
「んんー、終わったぁ……」
隣から、
同僚の初兎が伸びをしながら、
そう言うのを聞きつつ、
俺は、急いで帰る支度をする。
その様子に気づいた初兎が
首を傾げて、声をかけてきた。
「まろちゃん、今日は飲み行かへんの?」
その声に反応して、
もう一人の同僚である、あにきも
こちらへ視線を向ける。
会議や残業などで帰りが遅くなった日は、
俺たち3人で飲みに行くのが
ルーティンになっていた。
けど、今日は違う。
今日は、ないこが待っている。
朝、あんなことを言った手前、
飲みに行くわけにはいかなかった。
「今日はパスさして。ごめんな」
2人に軽く手を合わせる。
すると、あにきが眉をあげた。
「珍しいな、なんかあったんか?」
そりゃそうだ。
俺は酒に弱いくせに、お酒が好きで、
飲みに行かない俺は、周りから見れば、
相当珍しい。
正直に、
ないこのことを話せたら楽なんやけど、
2人にとっては、
ただの〝知らん高校生〟でしかない。
余計な心配はかけたくなかった。
……というわけで
「あ、あー……、最近、猫飼い始めたんよ。
飼い始めたばっかりやからさ、
寂しがってへんかな、思て……」
自分でも分かるくらい、
いかにも怪しい嘘をついた。
いつも良くしてくれている2人に
嘘をつくのは心が痛いが、今はしゃあない。
許してくれ。
「え、そうなん!?
今度うちのニコと会わせてえぇ?
一緒に写真撮ろうや」
……マジか、この嘘で通るんや。
初兎。
お前はもうちょっと人を疑うことを
覚えたほうがええかもしれん。
「寂しがりなタイプなんやな。
写真、見せてや」
あにき、あいつはだいぶ警戒心が強いんや。
写真なんて、撮らせる気があるわけない。
「まだ人慣れしてへん感じがするから、
会わせるのにも、
しばらく時間がかかるかもしれへん」
ないこを、
この2人に会わせるまでに、
ちゃんと話せるようにせんとあかんな。
「写真は、また今度撮ってくるな」
……完全に
自分で自分の首絞めた気もするけど、
嘘をついた俺が悪い。
早めに、話せるように努めます……。
ないこが起きないように、
音を立てぬよう気をつけて玄関を開け、
そのまま静かにリビングに入る。
終電での帰宅。
時計を見るまでもなく、
もう12時はとうに回っていた。
ご飯はいらないと言ったため、
ないこが家に来てから
初めてのコンビニ飯。
適当に選んだそれらを、
リビングのテーブルに並べ、
1人で箸をつける。
最近は、
ないこの手料理で、
誰かと一緒に食べるのが
当たり前になっていた。
そのせいか、
1人で食べる食事が、
やけに寂しく感じられる。
前までは、
それが普通だったはずなのに。
弁当の端を箸でつつきながら、
そんなことを考えて、
自分でも苦笑いする。
たった1週間。
それだけで、
こんなにも生活が変わるもんやな。
食べ終わった容器を片付けて、
流しで手を洗う。
夜の静寂に、水の音がひときわ響いた。
電気を落として、
寝室へ向かう途中、
ふと、ないこの部屋の前で足が止まる。
ドアの隙間から、
まだ消されていない明かりが、
細く廊下へこぼれていた。
……まだ起きているんか?
「ないこ〜?」
声を落として名前を呼びながら、
扉をガチャリと開ける。
机の上には、
勉強したような跡が残っている。
けれど、肝心の部屋主の姿がない。
どこ行ったんや?
風呂もトイレも
さっき見た限りでは誰もいなかった。
……となると。
「……いた」
俺の部屋だった。
ベッドの上。
見慣れた布団の端に、
小さく丸まった影がひとつ。
「ないこ?」
起こさないように、
声を潜めて名前を呼ぶ。
返事はない。
代わりに、
規則正しい寝息が、静かに返ってきた。
近づいて覗き込むと、
布団を顔の半分まで引き寄せ、
身体を小さく縮めて眠っていた。
……寒かったんやろか。
そっと、掛け布団をかけ直す。
それでも目を覚ます気配はなく、
眉間の皺も消えたまま。
起きている時には見せない、
ひどく無防備な姿。
「起きてるときと、えらい違いやな……」
小さく呟き、
俺はベッドの端に腰を下ろす。
恐る恐る頭を撫でると、
目は閉じたままなのに、
表情だけがふっとやわらいだ。
撫でる手を拒む気配はない。
「……ふふ」
どうしてここで寝ているのかは
分からないが、
起こすわけにもいかない。
かといって、
このまま追い出す気にもなれん。
しばらく迷ってから、
そっと、ベッドの反対側に横になった。
布団越しに伝わる体温は、
思ったより、近い。
……明日の朝、
絶対、何か言われるやろな。
そう思いながらも、
久しぶりに感じる人の温もりに抗えず、
俺の意識は、ゆっくり沈んでいった。
コメント
2件
猫舌な桃さん可愛すぎます…💕💕 この二人の絡みずっと見てられます…!!𐔌ᵔ ܸ . .ᵔ ꣓ 猫と嘘をついてしまった青さんと白黒さんが今後どうなるのか気になりすぎですっ😖💘 吐くほど甘々な小説……、!?✨✨ありがとうございます…楽しみにしております😭😭💕 私の方も着々と書き進めておりますので、もう少しお待ちして頂けると幸いです!🥹🫶🏻️💓