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第6話 【 本当の話 偽りの話 】
「 ユナ、貴方は 」
「 ん? 」
「 いえ…… 」
「 昔話でもしましょうか。 」
「 いいんですか!、 私、昔話好きです 」
昔、ユナと言う女の子がいた。
それはそれは可愛いかった。
お母さんからは愛され
お父さんから愛でられ
おばあちゃんから何事も褒められ
おじいちゃんとも仲良しだった。
でもユナは死んだ。
お母さんが殺したそうだった。
15の年という若さで。
きっともっといきたかったのだろう。
その家族は村のみんなに好かれてた。
お母さんが殺したとみんなに知られたら
きっと……
おばあちゃんが思いついた。
みんなで死のう。
そして1515年7月19日
家族みな灰になった。
村のものは悲しんだ
とても
とても。
その話を受け継いできた。
今まで。
1998年
誰かが言った。
その家族をまた、呼び起こそう。
きっと
生きてるさ。
1999年7月19日
其の家族は生まれた。
「 なんか、怖いね 」
「 ふふ、 」
「 私達はね、 」
「 死者なのよ。ユナ。 」
「 それはその昔話じゃ、 」
「 …… 」
「 貴方には双子が居たのよ。ユナ 」
「 名前はメイ。 」
「 腹違いだけれどね。 」
「 双子、 」
そんな、
無理やりな
偽りの話なのに
「 今 」
「 世間では私達はもう…ね、 」
「 貴方が虐められたのは 」
「 貴方の物が無くなったのは 」
「 貴方がこの世にいないから 」
「 物も消えてるから 」
「 ねえユナ、 」
「 メイに会いに帰りましょう 」
「 ユナ 」
「 結。 」
「 結、命。 」
「 ね、? 」
そんな馬鹿な話だった。
メイドは?
セバスチャンは?
皆死んでいたの?
そんな、
「 馬鹿な、 」
私の命は
いつの歴史にも結ばれ
受け継がれる程
愛されていた。
ねえ
見ている貴方。
ユナ。
私は
誰として
生きていたんだろう。
END