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大嫌いだ

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大嫌いだ

1 - 第1話

♥

119

2024年05月12日

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メンタル不安定な時書いたので文章おかしいですがご了承ください

死にたい

もう嫌だ

何もつらいことなんてないのに

幸せな毎日なのに

こんな自分が大嫌いだ

「~だよねぇ」

「~でさぁ」

のんびりと友達の通話をミュートで聞く。特に何をするでもなく、只々耳に突っ込んだワイヤレスイヤホンから流れる音声に浸っている。だがしっかりと会話内容を聞くでもなく、所謂BGMとして聞いているだけ。この時間は幸せだ。人が話しているが自分は話さず、人が楽しそうに話していることを聞くだけだから。

ふと手元にあった本をぱらぱらとめくる。ちょうど栞が挟んであったところに書いてあった文章は、主人公が上様に対して失態を犯した、というものだった。その主人公は無知だったことと上様のやさしさによって許されていた。けどその文章を見た途端ドクンと言葉にしようもないほどのものがこみ上げてきた。通話は何時の間にか終わっていた。

「あ、やばい」

カッターを取り出した。腕には数えきれないほどの切り傷の白い痕。折角薄くなってきたのに…なんてためらう。けど、腕にカッターを押し当てガリっと音がするほど強く、短く引いた。腕の皮をくいと引っ張れば浅くぱくりと割れたような傷跡があらわになる。ガリ、ガリ、その横にもう二本付け足して、別の場所も切った。

切った場所は合計四か所12本。離れ離れだから四か所に絆創膏を貼った。それでも足りない、苦しい何かがこみ上げてくる。Twitterに通知がピロンとなった。

{きんとき:死にたいの?死んだら寂しいなぁ}

DMだった。俺がさっき死にたいといったから。大丈夫だとDMを返し、ぼうっと絆創膏まみれの腕を見る。

ねぇきんとき。きんときは自分を優しくないだとか、優しいの皮をかぶった屑人間だとかいうけどさ、そんなに謙遜しないで、君はとっても優しいから。もしきんとき、君が優しくない屑人間なのだとしたら、俺はどうなるんだろう。最低なド屑にでもなるのかな。

そう一人彼に届きすらしない返信をして目を伏せる。嗚呼、漫画のように、小説のように、気が付かず涙を流せたら。タイミングよくポロポロと泣き出すことができたら、どれだけ楽になるのだろうか。どれだけ苦しまずに済むだろうか。泣きたいときに泣いたらいい。彼に言われた言葉だが、生憎俺には泣くことができない。泣きたいから泣くなんて、悲しい、つらい、苦しいから泣くなんて、どれだけ贅沢なことなのだろうか。泣けない瞳は汚い、醜い。みんなから奇麗といわれるこの水色の瞳も、泣けないんならくすんだ曇り空のようにしか、それよりももっと醜い色にしか感じない。

呼吸が苦しくなる。心臓が動かないように感じてくる。手足の感覚がなくなってひどく息遣いが荒くなる。なのに零れてくるのは乾ききった辛い辛い笑い声だった。

もう助けてくれ。俺を、Nakamuという存在を。最近元気になったと思ったらこれなんだ。もう嫌になってきたんだ。

吐けない吐き気、だんだん見えなくなってくる視界、細かに震える手と涙を流さず泣いている心。

もう全てどうでもよくなってしまった。寝ようじゃあないか。寝れないことは気にしない。おやすみなさいと、明日うまく笑えるかなんて意味のない不安を抱きながら眠りについた。

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