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チャイムが鳴った瞬間、教室の空気が一気に変わる。
椅子が引かれる音、誰かの笑い声、机を叩く音。
👑「なっちゃん、お昼どこで食べるー?」
みことが弁当袋を振りながら聞いてくる。
🍍「……人少ないし、教室でいい」
正直、今日は疲れた。
朝から情報量が多すぎる。
(入学式、クラス、知らない人、そして……)
―――いるま。
名前を思い出しただけで、心臓がちょっと跳ねる。
🍍「らんは?」
🌸「もちろん一緒〜!」
らんはすでに俺の隣の席に腰掛けていて、机をくっつけてきていた。
🍍「ちょ、近い!💢」
🌸「いいじゃん〜」
この距離感、ほんとに慣れない。
俺たち3人で机を囲んで弁当を広げた、その時。
👑「……あれ」
みことが、教室の入口の方を見て目を丸くした。
俺もつられて視線を向ける。
そこにいたのは―――
いるまだった。
落ち着いた歩き方。
でも、周りの視線を集めてるのが一瞬でわかる。
女子がひそひそ話してるし、何人かはガン見してる。
🍍(やっぱ、モテるよな……)
そう思った瞬間、なぜか胸の奥がちくっとした。
📢「A組って、ここ?」
いるまが誰かに聞いている。
「あ、はい! そうです!」
女子の声がやけに張り切ってる。
いるまは軽く礼を言って、教室の中を見渡し―――
そして、俺を見つけた。
目が合った。
昨日と同じように、ほんの少し驚いた顔をしてから、
また、あの柔らかい笑み。
🍍「……」
やめて。
そんな顔で見るの。
📢「なつ」
名前を呼ばれた瞬間、背筋が跳ねた。
🍍「え、あ、なに……?」
声が小さくなる。
📢「一緒に食べていい?」
🍍(い、いっしょ……!?)
らんが横で、露骨にニヤニヤしてる。
🌸「いいよね? なっちゃん?」
🍍「らん!💢」
🌸「別にいいよ〜」
らんは楽しそうだ。
俺は一瞬迷ったけど、断る理由もなくて、
小さく頷いた。
🍍「……いい、けど」
📢「ありがと」
そう言って、いるまは自然に俺の隣の席を引いた。
距離、近い。
ちょっと近い。
🍍(落ち着け、落ち着け……)
📢「俺、いるま。B組」
🌸「俺、らん。A組!」
👑 「みこと!」
みことも元気よく手を挙げる。
いるまは一人ひとりの名前をちゃんと聞いて、
丁寧に覚えようとしているのがわかった。
📢「仲いいんだ?3人」
👑「うん! 中学から!」
みことが答える。
その時。
「おーい! いるまくん!」
廊下から、やたら元気な声が響いた。
次の瞬間、教室のドアが勢いよく開く。
「いるまくーん!!」
飛び込んできたのは、
明るくて、騒がしくて、ちょっと子犬みたいな男子。
📢「お前、勝手にA組来んなって!」
🦈「昼一緒に食べよって言ったやん!」
📢「……こさめ」
いるまがため息をつく。
🍍「こさめくん?」
俺が聞くと、その子はにっと笑った。
🦈「そう! こさめ! B組!」
テンション、高すぎる。
🦈「で、すっちーは?」
こさめが廊下を覗いた瞬間。
🍵「呼ばなくても来てるよ」
落ち着いた声。
すちが、そこにいた。
背が高くて、姿勢がよくて。
穏やかな雰囲気なのに、どこか頼れる感じ。
🍵「お邪魔します」
礼儀正しく言って、教室に入ってくる。
🌸「うわ、真面目そう」
らんが小声で言う。
🍵「すちです。B組です。」
すちは軽く会釈してから、
なぜかみことを見て、少しだけ目を見開いた。
🍵「……」
みことも、じっと見つめ返している。
(なに、この空気)
二人の間に、一瞬だけ変な間が生まれた。
👑「……あ!」
みことが突然声を上げる。
👑「すっちー!」
🍵「……え?」
👑「名前、すっちーでいい?」
すちが一瞬固まってから、困ったように笑った。
🍵「……いいよ」
👑「やった!」
みことは満面の笑み。
その様子を見て、すちの表情が柔らかくなるのを、
俺は見逃さなかった。
🍍「……なにこれ」
らんが俺の耳元で囁く。
🌸「一目惚れじゃない?」
🍍「 そう、、なのか、?」
でも、否定できなかった。
こうして、
A組とB組、6人が一つの机を囲んだ。
教室の真ん中で、
明らかに目立つ集団。
🍵「狭くない?」
👑「全然!」
🦈「弁当見せて!」
🌸「それ甘そう!」
会話が止まらない。
気づけば、自然に笑っていた。
……だけど。
俺の意識は、どうしても隣にいる人に向いてしまう。
いるまは、俺の弁当を覗き込んで、
📢「甘いの多くない?」
🍍「うるさい」
📢「好きなんだ」
🍍「……別に」
照れ隠しでそっぽを向くと、
いるまは小さく笑った。
📢「かわいいな」
🍍「だからかわいいって言うな!///」
その瞬間らんとみことがこっちを見てた。
🍍「え、なに?」
👑🌸「なっちゃん?」
らんとみことが一斉に反応する。
俺は顔が熱くなって、
もう何も言えなくなった。
いるまは、
そんな俺を見て、満足そうに目を細めていた。
―――この時はまだ、知らなかった。
この昼休みが、
6人の関係が一気に動き出す“始まり”だったことを。
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