テラーノベル
アプリでサクサク楽しめる
「うっ…本当?なら、普通に取ってね……?」
「はいはい」
敦の言葉を信じて目を瞑った瞬間だった。
「ひゃん……っ!?」
ペロッと、頬に生温かくてざらついた感触が走り、ビクッと身体が震えた。
反射的に目を開けると、そこには楽しげに目を細める敦の姿があった。
「し、しゅん!まさか、また嘘ついたんでしょ……っ!」
「嘘じゃないって。クリームがついてたのは本当だよ?」
敦の舌が、僕の頬についたクリームを舐め取ったのだと気づいた瞬間
羞恥心で頬がカッと熱くなった。
「だ、だからって、舌で取るとか聞いてな…っ」
「手で取ってあげるとも言ってないからね」
悪びれもせず笑う敦に、僕は一瞬言葉を失うが、慌てて反論する。
「し、しゅんのバカ…っ、」
「反論してるのにヘニョヘニョじゃん」
「もう…!僕のことからかう暇あったらクレープ食べようよ…!」
「いや、隣に可愛い子がいるとそっちに目行っちゃうじゃん…?」
「え、か、可愛い…?…って、そ、そんなこと言ったってダメだから…!」
嬉しさと恥ずかしさで頬を染めて頬を押さえると
「ふふ…っ、ひろって単純だよね」
「えっ」
「今だって秒で機嫌直るし。相変わらず、表情コロコロ変わるなぁって」
面白がるように言われて、急激に恥ずかしさと悔しさが押し寄せてきた。
「そんなこと…!」
「俺に意地悪されても顔赤くするだけじゃん?」
「だ、だって、意地悪されても好きだもん…っ」
つい、本音が溢れた。
敦にどれだけからかわれたり、意地悪をされても、そんなに怒ることはなくて
ドMみたいだけど、確かに喜んでいる自分がいた。
しかし、僕の発言を聞いた敦は何故か一瞬固まったあとに、ため息をこぼした。
「ひろって…本当にそういうとこだよね」
「な、なにが…?」
「息を吐くように俺を煽るっていうか、可愛いこと言うとこ」
「え、どこも煽ってないよ…ね??えっ、バカって言ったこと??」
「無自覚か…」
「へ?煽ってるって、なに?無自覚って?」
「さっきの、意地悪されても好きって言ってきたやつ」
「え、そ、それは自然に本音が出ちゃっただけで、煽ってなんか…」
「イジメられても好きって言われてるのと同じだし、十分男心煽ってるから」
「えぇ、でもでも!元はと言えばしゅんが僕に意地悪するからだよ?!」
僕がプンスカしながら言うと、敦はくすっと笑いながら「はいはい、ごめんね」と謝って、僕の頭を撫でた。
「も、もう…そうやって誤魔化して……」
「ひろだってたまには怒ればいいのに。そしたら俺も意地悪するのやめるかもよ?」
怒るというワードを聞いて、以前敦と喧嘩したときの記憶が連想された。
「ま、前みたいに酷いこと言ってしゅんのこと突き放しちゃったらやだし…」
「! ひろ…」
22
51
611
コメント
0件
👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!