この作品はフィクションです。実在の人物や団体などとは一切関係ありません
______________________________________
宮舘side
『さて…と。ふっか、今までありがと』
《お前だけだよそんな潔いの…》
憧れのレザージャケットなるものを着れて今俺の気分は最高。ズボンと靴に隠れて1ミリも見えないからと言う理由で、靴下は鮮やかな青色にした。組み合わせ的に見えたらちょっと恥ずかしいけど、まあ彼が好きだと言った色だったから。そんなこんな着替え終わっていつも通りのテンション感で出ていこうと思ったらふっかにそんなことを言われた。昨日今日のうちで出ていったのは確かしょーた含めて俺以外に3人?だったはず。確かにあの3人は何かしらの不安抱えて行きそうだなあ、言われてみたらしょーたが俺の唯一の気がかりかもしれない
『…しょーたはさ、寂しそうにしてなかった?』
《ん?》
『ここから出るとき。どうせしょーたのことだから、俺のこと話してたんでしょ』
《よくわかってんな、アイツのこと。わら》
やっぱりか。外に出てからも何とかして連絡取れたらいいんだけど。それか俺の主人は多分凄く良い人だから無理は承知の上で1回言ってみて探すのもありかもしれない。
『まあ多分、しょーたも俺も良いとこ引き取って貰えたんだろうし大丈夫だよね』
《ん、大丈夫よ。まぁじでいい人だから》
『だよね、ありがとう』
ふっかが俺らに嘘をついたことは収容期間中一度もなかった。また出てからも手紙とか現状報告として送らなきゃな、なんて思いつつ彼に向き合う
『じゃあ、行ってくるよ。またね、深澤さん』
《ん、行ってらっしゃい。また連絡寄越せよ~わら》
こうして俺はなんかすんごいでかい人の家に引き取られることになった
______________________________________
「宮舘涼太さん?」
『あっ、はいそうです。えっと、貴方が俺の…』
でっけえ。背が高すぎる。190くらいあるか?動いてるのが不思議なくらい絵になる…というか、彫刻みたいな人だ。
「そー。正式名称は村上真都ラウールって言うんだけど長いからラウールって呼んで!」
『ラウールさん…ハーフ、?ですか?』
「うん、ベネズエラと日本のハーフ。中々良い遺伝子でしょ笑」
『そうですね笑 身長高いし、凄くお顔が綺麗だ』
「やだもー、そういうリップサービスも習ってくんの?」
『いや、これは勝手に覚えたやつですね』
「どこで覚えてくんの…」
ラウールさんが車のドアを開けてくれたから急いで乗り込む。わぁお、座席ふかふかだ。扉が自動で閉まったかと思うと、俺がシートベルトをつけた直後に急に走り出した。けれど、全然揺れない。どうなってんだこの車
「ちょっと俺色々忙しい人間でさぁ、同居人の子に全然構ってあげられてないんだよね」
『ほう…?』
「んで、なんで宮舘さん…んー…舘さんでいっか。舘さんを引き取ったかなんだけど」
『あ、はい』
「その子の相手、してあげてほしくて」
『ラウールさんの何かではなく?笑』
「そう、もちろん俺が家にいるときは俺とも仲良くしてほしいなーって思ってるんだけど、そのさみしんぼくんに友達を作ってあげたくて」
『だからって人間買うのはあれですけどね、笑』
「そー、倫理観的にあれだから迷ってたのよとっても」
とかなんとか話しているとふと気が付いた。なんか景色すぎていくの早くね?普通の道路じゃないのかこれ
『えっはや…』
「ん?ここ高速だからね」
『こーそく、?』
「そ、高速道路。んーなんて言ったらいいかな。えと、普通の道路の2倍弱くらいの速さでぶっとばせる」
『へぇ…そんな道路あるんですね』
とか言ってたらでっかい機械みたいなのを通ってピって音がして。んでなんかちっさいゲートみたいなのが開いて車がその機械を通り抜けた。すげえ
______________________________________
「あ、上に荷物もって行かせたからちょっと整理してくる?」
『え、すみませんわざわざ…ありがとうございます』
「いーのよ、今日から家族なんだし俺のが年下なんだから遠慮せずなんでも言って!」
『え、やっぱ年下?』
「そ。めっちゃため口使っちゃって申し訳ないけど笑」
『いや良いんですけど…とりあえず荷物出してきます』
「はーい、そろそろ同居人帰ってくる頃だろうし俺は下で待っとくよ」
二階にあると言う俺の部屋へ向かうとご丁寧にだてのへや、と書いてある張り紙が。ちゃんと俺が読めるよう平仮名にしてくれたらしい
『さてと……ん?これしょーたのじゃん…』
荷解きしようと段ボールを開いたらなぜか大量の化粧品が。なんで1つ目でこんなもんが出てくるの、俺の荷物は?てかこれしょーたか施設に返しに行かなきゃじゃん…とか思ってたら何やら下がうるさい。同居人なる人が帰ってきたようだ
「…俺も~~ね…おいでー」
『俺ですかー?』
「そーだよ、落ち着いたらおいでー」
まだこの荷解きは始まってもないけれど、彼らを待たせるわけにはいかない。ドタドタと階段をかけ降りて恐らく彼らがいるであろう玄関先へ向かう。飛び込んできたのはなんだか不思議な光景だった
『すみません遅くなっ…』
[…りょーた、?]
いやいや意味わかんない、しょーた居るんだけど。ん?さっきお別れしたんじゃ…てか出てったのそっちのが早かったよね?
『え、なんでしょーた?』
【えっここ知り合い?】
んで誰だこの人、なんか優しそう。あ、この人がラウールさんの言う同居人か
「同室の子、連れてきちゃった♡」
なるほど、俺しょーたのために連れてこられたのね
コメント
3件

これからが、楽しみ❤️❤️
いいねぇ☺️✨