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間接照明しかない薄暗い寝室。
中央にキングサイズのベッド。
左の壁際には大きな棚。
右の壁際は全面ガラス張りの異様な部屋だ。
そんな異質な場所に、私は3日前から囚われている。
左足と右手首に分厚い枷と鎖が付けられている上に、
唯一の扉は施錠され、ガラスは無駄にかたい。
そして、恐らくこの一室を管理しているのは、
「…ああ、起きたのかい?おはよう」
まさに今、部屋に入ってきたこの男だろう。
「…」
やや長めの黒髪。塩顔の整った顔立ち。自分より遥かに高い身長。
(拳では勝てないな)
そう断念させられる相手だ。
食事も睡眠も、衛生面でも不足のない生活を送らされている。
それの見返りを今のところは求められていない。
本能的な恐怖を感じつつ、ほんの少し彼から離れた。
「そんなに怯えなくても、何もしないさ」
彼は穏やかに笑っているが、私にはそんな余裕はない。
加えて…。
彼は扉から入ってきた。
鍵、開いているだろう。
彼の巨体をすり抜けて、扉を開けて逃げるくらいならできるのでは?
私が立ち上がって、駆け出そうとした瞬間。
足が思い切り後ろに引っ張られた。
「うあっ⁉︎」
ああ、そういえば鎖で繋がっているのを忘れていた…。
彼は満足そうに、倒れた私の頭を撫でた。