テラーノベル

テラーノベル

テレビCM放送中!!
テラーノベル(Teller Novel)

タイトル、作家名、タグで検索

ストーリーを書く

恋愛小説短編集!

一覧ページ

「恋愛小説短編集!」のメインビジュアル

恋愛小説短編集!

2 - 幸せの形/NL 【赤白】

♥

205

2025年02月02日

シェアするシェアする
報告する

アテンション

・年齢操作🈶

・赤白

・白さん女体化

   

『赤』 「白」

   

それでは、どぞー!

✂ーーーーーーーーーーーーーーーーーー✂

   

『もっと、もっと早くに撮っておいたら良かったなぁ…』

ある男性は、そう呟きながらカメラを回した。

     

      

    

あるところに、夢見る少女がいました。

その少女の夢は、いつか走ることです。

なぜそんなことが夢?と思った方はいるでしょう。

なぜならその子は、生まれつき足が不自由だからです。

そんな少女には、少し年の離れたお友達がいました。

そのお友達は少女の昔からのお友達、ずっとずーっと一緒です。

「なぁなぁ」

『どうしたの』

「いつか、走れる日ってくるんかなぁ」

「幸せってくるんかな…」

雲のない、すごく綺麗な青空が広がっている日。

少女はお友達に疑問をぶつけました。

少女の車椅子を押しながら、男の子はその返事を考えました。

『あのね、幸せってくるものじゃないんだよ』

「どういうことなん?」

『幸せは自分から近づいていくもの、だから来るものでは無いんだよ』

幸せは来るものではなく、自分から近づいていくもの。

彼はそう答えました。

「そうなんや…」

女の子は納得したような声を出しましたが、実はあまり分かっていませんでした。

    

    

月日は流れ、少女は魅力的な女性となりました。

ですが、まだ夢は叶ったことはありません。

「はよ走ってみたいわ…」

『いつかは走れるようになるよ』

つまんないという顔をした女性に、 男の子は少し微笑みながら答えました。

『来週頃には走れるかもね』

「なんで分かるんよ」

『長年の勘ってやつ』

「長年の勘ってなんや?」

女性は、ふざけて言ったのだと思ったのだけれど、なんとなく男性の言葉に引っかかっていました。

    

    

『お願いします、俺の__の代わりに、あの子を走れるようにしてください』

なにかに向かって話しかける男性を見ました。

その男性はとても真剣そうで、なんだか止めに入れない、そのくらい真剣な声でした。

    

    

そして次の週。

なんと本当に、女性の足が動かせるようになりました。

毎朝女性は、足が動かせるかなと淡い期待を持ちながら、足を動かそうとしていました。

そして、ついにその日がやってきたのです。

「り、りうちゃ…りうちゃん!」

女性はベットから飛び起き、ある人の元へと走りました。

親よりも、兄弟よりも先にこのことを知らせたい人が居ます。

その人は、長年の付き合いの男性… いや、幼馴染で大好きな、りうらさんに。

「り、りうちゃん!」

『おわ…どうしたの初兎ちゃん、って…』

『歩けてる…?』

「歩けた、歩けたよ」

「やっと夢、叶ったよ!」

女性は…初兎さんは今までよりも、すごくキラキラした笑顔で伝えました。

さっきまで驚いていたりうらさんも、みるみる笑顔に変わっていきました。

『良かった、良かったよ…っ』

りうらさんは、初兎さんに近づいて、初兎さんを抱きしめました。

まだ、まだこのままでいたい。

そう思いました。

    

     

『ぁー…喋りずらくなってきてるなぁ』

「りうちゃん、なにしてん…? 」

ある日の深夜。

りうらさんは、カメラを回して、1人でボソボソと喋っていました。

そして、だんだんと、声が出にくくなっているのが分かります。

『え、初兎ちゃっ…?』

後ろから好きで、大好きでたまらない、あの人の声が聞こえました。

後ろを振り向くと、後ろにはあの人が立っていました。

「りうちゃん、なにか隠しとるんやろ」

『俺はなにも…っ』

「何もしとらんかったらなぁ…うち宛てに動画なんか撮らんやろ…っ」

「なぁ、教えてやっ…」

なく声が聞こえる。

大好きなあの人の、泣く声が。

『…言うよ、全部』

    

      

りうらさんは、隠さず、全てを話しました。

「うちのせいで、りうちゃんの声が使えんくなるんか…?」

『初兎ちゃんのせいじゃないよ』

「嘘や、うちのせいやもん」

「うちの夢があんなんやったから、りうちゃんが喋れんくなった」

「あんなこと、言わんかったら…っ」

『初兎』

初兎さんが自分のことを責めている時、初めてりうらさんは初兎さんのことを呼び捨てで呼びました。

「ん、え…?」

初兎さんが振り向くと、りうらさんは初兎さんに口付けをしました。

その後、あの頃と変わらない笑顔で言いました。

『初兎のせいじゃないよ、じゃなかったらこんな事しないでしょ』

と、あの頃とは違う声で。

      

      

「りうちゃんっ」

『どうしたの?』

話しかけると、文字で返事が返ってきます。

もう、彼の声は聞けません。

もし声が聞けたら、話せたらどれだけ幸せか。

そう彼女は何度も考えたことがあります。

ですが、幸せは来るものではなく、自分から近づいていくもの。

だから、声を聞いて話す、という幸せを上回るような幸せに、これから2人で近づいていきます。

     

「大好きやで」

『俺も、大好き』

そよ風が吹きました。

まるで、そのそよ風は2人のことを見届けているかのように、優しく吹いていました。

     

     

幸せの形。 fin

✂ーーーーーーーーーーーーーーーーーー✂

ここまで読んでくださり、ありがとうございました!

リクエストも受け付けておりますのでよければ!!

それでは、おつあいでした!

恋愛小説短編集!

作品ページ作品ページ
次の話を読む

この作品はいかがでしたか?

205

コメント

2

ユーザー

何この感動作めっちゃ好き😭💕 赤くんも白ちゃんも健気だなぁ…、可愛いなぁ… 赤くんが「俺の__の代わりに」って言ってるから、白さんの健康な足との引き換えだったのかな、…とか考えたらもう涙腺崩壊しちゃうよ…!!!!お互いがお互いを大事にしてるのが分かるのって良いよねぇ…🥹

チャット小説はテラーノベルアプリをインストール
テラーノベルのスクリーンショット
テラーノベル

電車の中でも寝る前のベッドの中でもサクサク快適に。
もっと読みたい!がどんどんみつかる。
「読んで」「書いて」毎日が楽しくなる小説アプリをダウンロードしよう。

Apple StoreGoogle Play Store
本棚

ホーム

本棚

検索

ストーリーを書く
本棚

通知

本棚

本棚