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2人と1匹は、下から渦を巻いて崩れ落ちていく階段を見て、上に向かって走り出す
ジンペイ「ひぃ~~~~ッ!!」
?「フギ~~~~ッ!!」
アゲハ「いやぁ~~~~ッ!!」
2人+1匹は口々に叫びながら早送りしているかのような素早い動きで走りまくる
階段は、足元から止まることなく崩れていく
ネズミ(?)はアゲハの髪の毛につかまり、振り落とされないよう、必死に抱き着く
ジンペイ「ぬおおおおおお!!」
ジンペイは只管発狂しながら懸命に走る!走る!走る!
そして階段が全て崩れ終わってしまう間一髪で、2人は最上階の床を掴んだ!
だが、その掴まった拍子に、アゲハの髪の毛からネズミ(?)が振り落とされてしまった
アゲハとジンペイは限界まで手を伸ばす
アゲハ「ネズミ君!!」
ネズミ(?)も、その短い腕を懸命に伸ばすが、
あと本当にもう一息…!のところで届かず……
?「落ちるですねぃ~~~~」
呑気な悲鳴とともに、ネズミ(?)は塔の奈落へと落ちてしまった
ジンペイ「デブネズミ~~~!!」
アゲハ「ネズミ君~~~!!」
2人の悲痛な叫び声が、塔に虚しく響き渡る
すると、突然、アゲハのウォッチがポワーンと淡く光り出した
アゲハ「!?」
ネズミ(?)が落ちてしまった方から、煙のような妖気が漂ってきて、アゲハのウォッチ吸い込まれていく。
そして、チャリン…という音と共に、1枚のメダルが宙に浮いた
メダルにはネズミ(?)の絵と、『モモ』の名が刻んである
アゲハ「あの子、モモっていうんだ……」
アゲハは落ちてきたメダルを両手で受け止め、キュッと握りしめる
ジンペイ「死んで怨霊になったのか……デブネズミ……」
アゲハ「いや、だからモモ君ね……;」
ジンペイ「まあ、そんな事どうでもいいだろ。さ、早く中入ろうぜ」
アゲハ「…全く………ハア、分かったよ」
どこまでもお気楽なジンペイに思わずため息を漏らしてしまうアゲハ。
ジンペイは目の前にある扉を思いきり蹴り破った
ジンペイ「ちゃおー!」
?「!!!」
椅子に座っていた女の子は吃驚して振り返る
普通、こんなところに人がやってくる筈がないのだから、当然の反応だろう
部屋の中は豪華だが、(恐らく)必要最低限のものしか置いていない
アゲハと同じ制服を着ている(袖のラインは緑、ネクタイ無しの)女の子に、
アゲハは尋ねる
アゲハ「あなたが、エマちゃん?」
エマ「はい、大王路エマです」
エマは小さく頷くと、立ち上がって、軽い自己紹介をする
アゲハ「私は、月城アゲハ。こっちは、寺刃ジンペイ。
私達、学園長に頼まれてあなたに取り憑いてる悪霊を追い払いに来たんです」
ジンペイ「そういうこと!さあ、悪霊出して!」
カンフーポーズをし、悪霊がいつ出てきてもいいように構えるジンペイを見て、
エマは訳が分からないとでもいうような、困った顔をする
エマ「あのぉ、悪霊ってなんの事ですか?」
アゲハ「え?」
ジンペイ「えっ!?だから、君に取り憑いてる『ぐあ――ッ!(ゾンビ風)』って奴!」
エマ「さあ…?」
ジンペイの言ってる事が理解できず、首を傾げるエマ
確かに、どう見ても悪霊が取り憑いているような感じはないし、
そもそも嘘をついているような気配も全くない。
学園長と話が違うと思ったアゲハは、下で待機してる皆の元に、
イヤーチップで通信を取ることにした