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〘強がり〙
リクエスト頂いたものです。
“福徳目線”
リハ終わり
劇場の外に出ると、夜の空気が少し冷たかった。
「今日寒ない?」
俺がそう言う
後藤は空を見上げて
「まあ普通やろ」と答えた。
二人並んで歩き出す。
駅まではだいたい10分くらい。
特に急ぐ理由もないから、
いつもこんな感じでだらだら歩く。
あ、そういや
「今日のネタさ、最後んとこ変えた方がようない?」
後藤は少し考えてから
「いや、あれでええ」
「なんで」
「お前が一番笑ってたから」
後藤は前を向いたまま続ける
「お前が笑うたら、周りもウケる。」
「なんやそれ」
「ほんまやて」
…
駅が見えてきた。
その時、冷たい風が少し強く吹いた。
「うっわ寒」
後藤はそれを横目で見て、
着ていた上着を脱いだ。
「ほら」
俺の肩に掛ける
「え、ええよ」
「着とけ」
「お前も寒いやろ」
「寒ない」
なんなんコイツ…
行動がいちいち男前やねん。
そう思いながらも袖に手を通す
「ぴったりやな」
「そらそやろ」
後藤は満足そうに微笑んだ
…
“後藤目線”
改札の前に着く。
ここでいつも別れる。
俺は立ち止まった。
「じゃ」
少し間が置き、福徳が口を開く
「後藤」
「ん?」
「さっきのさ、ほんまなん?」
「さっきの?」
「俺が笑うてたらってやつ。」
「あ~…」
俺は少し考えて、こう言った
「お前が笑うたら、大体楽しいから。」
福徳の目が一瞬見開く
「…お前さ」
「そういうこと普通に言うよな。」
「言うたらあかんやつ?」
「いや、あかんくはないけど」
「ちょっとズルない?」
照れてんのか分からんけど、
目を伏せて笑う福徳に対して、
『可愛い』って思う自分がおった。
立ち尽くす俺に福徳が言う
「あ、電車来たわ」
「あぁ、」
福徳は改札に入る前に、俺の上着を脱いで返そうとした。
でも、俺は手を出さへん。
「え?」
「着て帰れ」
「いやええって」
「明日返してくれたらええから。」
福徳は少し困った顔で笑った。
「ほな有難く借りとくわ」
福徳が改札に入る。
数歩歩いてから振り返る。
「ありがとうな」
俺は小さく頷き、手を振る
福徳はそれを見て、少し笑ってから電車のホームへ向かった。
改札の外で、俺はしばらくそのまま立っていた。
腕を擦りながら呟く。
「さっむ…」
でも、口元は少し笑っとった。
〘強がり〙
コメント
8件

ふくごと多くてすみませんが主さんの書き方がものすごい大好きでして見たいんです‼️出来ればお願いします!

あの!大変なのはわかってますし忙しいのもわかってますが2話くらいのやつで書いて欲しいものがありまして、後藤さんが誘拐されて犯されてナカダシされちゃうけど2話の途中からちくが助けにくるというやつです💧
前々からずっと思っていたけど…果たしてこれは、本当に無料で読んでいい作品なのか😭🤍もったいなさすぎやしませんか、、 毎回よくこんなストーリー思いつくよなぁ…才能凄すぎて小説家になれそう。国語の教科書とか高校入試の「文学的文章」の問題としても普通に選抜されそうだし、主様がもし将来本出版したら絶対買います📕✨ タイトルセンスも抜群で、タイトルに込められた意図が、憶測から確信へと変わる瞬間も楽しめる💞