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《これはセーラとエースの愛の試練の物語…》〜中庭〜
セーラ(マレウスと楽しく話してる)
〜廊下〜
エース「…」(セーラを眺めてる)
アズール「エースさん」
エース「ビクッ、ア、アズール先輩」
アズール「少しお話があります」
エース「なんですか?」
アズール「その前に移動しましょう。あまり、他人には聞かせたくないので」
エース「分かりました」
〜校舎裏の森〜
アズール「ここならいいでしょう」
エース「そうっすね。んで、何の話するんすか?」
アズール「セーラの事、どう思ってるんですか?」
エース「え?どうというのは?」
アズール「セーラを異性として好きなのかどうかです」
エース「!」
アズール「エースさんはもう知ってるはずです。セーラの呪いの事。それはもはや試練です。なので、生半可な思いでセーラと共にやらせるわけにはいきません。だからこそ、エースさんに聞いたんです。セーラの事をどう思っているのかを」
エース(そっか…。アズール先輩はセーラのことを大切に思って…。なら、ちゃんと答えねぇと)「…俺にとってセーラはかけがえのない大切な存在です。いつも笑顔でいて欲しいし、側にいたい。頼って欲しいし、甘えて欲しい。俺、セーラが男でも女でも好きになったと思います。だって、俺はセーラじゃなきゃダメなんです。代わりなんていない。その試練、覚悟を決めて乗り越えてみせます!」
アズール「!…そうですか。合格です」
エース「え?」
アズール「すみません、試すような真似をしてしまい」
エース「それはいいっすけど、合格ってどういう事?」
アズール「では、説明します。実は、皇帝陛下から直々の命令としてセーラと共に試練を乗り越えてくれる愛する者を見定めていたんです。それにエースさんは合格しました」
エース「!それって本当すっか⁈」
アズール「ええ。貴方のセーラへの熱い想い、受け止めましたよ。あとは、セーラ自身の気持ちと呪いの解呪方法です」
エース「その呪いって誰も解けないんすか?」
アズール「はい、今のところ。ですが、セーラの話によると必ず解けるよう仕掛けがあるようです。まだその手掛かりは見つけられていません」
エース「そうっすか」
アズール「エースさん。…もし、セーラが貴方を選んだら、セーラの事をよろしくお願いします」
エース「はい!必ず試練を乗り越えて、幸せにします!」
〜図書室〜
エース(とは言うものセーラ自身の気持ちをどうすっかだなぁ…。あ、そう言えば寮長からあれもらったっけ)
〜エースの回想〜
〜ハーツラビュル寮 談話室〜
デュース「やっと自覚したか、エース」
エース「ああ。って、知ってたのかよ⁈」
デュース「ん?ああ。エース、分かりやすかったからな」
エース「マジで?」
デュース「マジでだ。知らないのは寮長ぐらいじゃないか」
リドル「僕だって気づいてるよ」
エース「え、寮長⁈」
デュース「クローバー先輩、ダイヤモンド先輩も」
ケイト「なになに?2人で恋バナしてるの?お兄ちゃん達にも聞かせてよ」
トレイ「こら、ケイト。あまりエースを揶揄ってやるな。エースは真剣に考えているんだ」
エース「トレイ先輩、言わないでくださいよ。正直恥ずいっす」
トレイ「ははっ、悪い悪い」
リドル「エース。これをあげるよ」(エースに水族館のペアチケットをあげた)
デュース「それって、今大人気の水族館のペアチケットじゃないですか⁈」
エース「え⁈いいんすか?寮長」
リドル「構わないよ。僕は行く相手も暇もないからね。なら、エースとセーラが有効活用するといい」
エース(受け取った)「あざっす!寮長!」
リドル「しっかりセーラをエスコートするんだよ」
〜回想終了〜
エース「あの後、めっちゃ揶揄われた…。ん?あれは…」
セーラ(席に座って本を読んでる)
エース「セーラ」
セーラ「あ、エースくん」
エース「なんの本読んでんの?」
セーラ「これ?とある人魚姫のお話だよ」
エース「へぇ。どんな話?」
セーラ「人魚姫が陸の王子様を好きになるの。その後、困難を乗り越えて2人が幸せに暮らすっていうお話」
エース「ふーん。セーラ、その話好きなの?」
セーラ「うん。人魚姫が好きな人と無事結ばれるっていうのが憧れてね。自分もそういう人に逢えたらなぁって…」
エース「そっか。…あのさ」
セーラ「ん?」
エース「その、行ってみない?セーラの好きな話が元の水族館」
セーラ「え?あるの?」
エース「うん。これ」(チケットを見せた)
セーラ「え⁈これって凄い人気の水族館のチケット!よく取れたね」
エース「ああ、ちょっとね。…セーラが良かったら、一緒に行かない?」
セーラ「え、いいの?」
エース「セーラが予定とかないなら。俺もセーラと行ってみたいし…///」
セーラ「!…うん、行きたい!その水族館、行きたい!」
エース「!んじゃ、日にちや時間、集合場所など後で連絡するよ。お前、そろそろ寮に戻る時間じゃない?」
セーラ(時計を見た)「あ、そうだね。んじゃ、また後で。エースくん」(行った)
エース「おう」
〜ハーツラビュル寮 エースの部屋〜
エース「ッーーーー!よっしゃーーーーー!!」
デュース「エース、うるさいぞ」
エース「あはは、ごめんごめん」
デュース「なんか凄い浮かれてる…。は!もしかして…セーラをデートに誘えたのか?」
エース「ドキッ!」
デュース「そうか。良かったじゃないか」
エース「デュース。お前、鈍そうなのになんでこんな時に勘鋭いんだよ」
デュース「エースがあからさまだからな。セーラ、喜んでたのか?」
エース「おう。リドル寮長にはマジ感謝だな」
デュース「ふーん。かっこつけてセーラの前でヘマすんなよ、エース」
エース「はぁ?俺はそんな事しねぇし。そんなのなるのはデュースの方でしょ?」
デュース「そんな事ない!僕だってエスコートぐらいできる!」
エース「え〜?どうかな。ゴスマリの時、めっちゃ噛んでたし」
デュース「ぐっ…」
エース「ほら〜」
デュース「ッ…それよりいいのか?エース。今のうちに予定立てておかないと、セーラが行けなくなるんじゃないのか?」
エース「あ、ヤベ⁈部活とかあっから確認しねぇと」(行動開始)
デュース「…セーラにプレゼントとかするのか?」
エース「ん?んー、どうすっかな。なんで?」
デュース「ほら、セーラからたくさんクッキーとかもらったじゃないか。そのお返し」
エース「あー。でも、それデュースもじゃね?」
デュース「僕はセーラに直接聞いてマジカルホイールに乗せてあげた」
エース「はぁ⁈なにそれ聞いてない!」
デュース「今言ったからな。セーラが喜ぶもの、考えておけよ」
エース「はいはい」(セーラが喜ぶもの、ねぇ…)
〜オクタヴィネル寮 モストロ・ラウンジ〜
セーラ「♪」
ジェイド「セーラ、楽しそうですね」
フロイド「なんかあったの?」
セーラ「ふふっ。実は、(エースから誘われた事を話した)」
フロイド「へぇ、いいじゃん」
ジェイド「楽しんで来てください」
セーラ「はい!」
アズール「聞きましたよ、セーラ」
セーラ「アズール兄!」
アズール「エースさんとデートをするようですね」
セーラ「デ、デート⁈///違いますよ!ただ一緒に出かけないかと誘われただけで、」
アズール「いーえ!男女2人きりでお出かけなんてデート以外ありませんよ。セーラ、明日街に出かけますよ」
セーラ「え、急になんで⁈モストロ・ラウンジはどうするんですか⁈」
アズール「休みにします。セーラの私服を買うのが大事です。せっかくなので、おしゃれをしないと」
セーラ「え〜?確かに身だしなみは大事ですけど、服ありますよ」
アズール「それはほとんど貴女の男装用の私服でしょ!」
セーラ「えー、でも、」
アズール「問答無用です!何がなんでもセーラの私服を明日買いに行きますよ!」
セーラ「そんな…。ジェイド兄、フロイド兄。アズール兄を止めて」
ジェイド「では、僕はセーラに似合う靴や小物を選びましょう」
フロイド「俺はセーラに似合うヘアアレンジ見ておこうかな」
セーラ「え⁈」
アズール「なので、セーラ」
ジェイド「大人しく」
フロイド「おめかししようね?」
セーラ「ヒ、ヒィーーーー!!」
ーデート当日ー
〜鏡の間〜
エース「…」(私服姿でそわそわしてる)
セーラ「お待たせ!遅くなってごめんね!」(可愛い私服姿と髪型で登場)
エース「!いや、大丈夫。俺も今来たとこ」
セーラ「そっか。良かった…」
エース「その服と髪、(セーラの髪をサラッと触った)よく似合ってんじゃん」
セーラ「ドキッ!あ、ありがとう」
エース「あ、ごめん!///」
セーラ「ううん、大丈夫。確か、陽光の国の水族館に行くんだっけ?」
エース「うん」
セーラ「ふふっ。どんなところか楽しみだね」
エース「だな。さぁ、お手をどうぞ。姫様」(手を差し伸べた)
セーラ「!ふふっ。よろしくお願いします、王子様」(手を取り、闇の鏡の中へ入った)
エース「セーラ、着いたよ」
セーラ「ッ…(目を開けた)!うわ〜!✨」
〜陽光の国 水族館前〜
セーラ「凄い!陽光の国だ!まさか行けるとは思わなかった!」
エース「そんなに来たかったの?」
セーラ「うん!だから、今日エースくんと来れて嬉しい」
エース「そ、そっか///…んじゃ、水族館。入ってみるか」
セーラ「うん!」
〜水族館 エントランス〜
エース「水族館って言うより海の中じゃね?」
セーラ「うわ〜、綺麗✨」
エース「確か陽光の国に渡った人魚姫の故郷をモチーフなんだっけ?」
セーラ「うん!一応私も人魚姫だからこういうところでモチーフに使われるの嬉しいんだよね」
エース「来て良かった?」
セーラ「うん!連れて来てくれてありがとう、エースくん」
エース「おう。んじゃ、探索始めますか」
セーラ「はーい」
〜水族館 音楽エリア〜
エース「びっくりした。飛んできた水、かかった」
セーラ「ふふっ。多分巨大な魔法石か妖精達の力でコントロールしてるから。ガラスはないけど、水は入ってこないし、飛んできた水はかかるんじゃない?」
エース「はぁ〜、すげぇ大掛かり」
セーラ「大人気なのも頷けるね」
エース「だな。ん?これって、」
セーラ「私の故郷、珊瑚の海の音楽だね。偉大な海の作曲家が海の素晴らしさを歌った曲」
エース「知ってる。こっちでも有名だから聞いたことある」
セーラ「そうなんだ」
エース「こんなに綺麗なところを歌にするなんて凄いよな」
セーラ「ええ、本当に…」(水槽の方を眺めた)
エース(セーラの楽しそうな顔をチラッと見た)「んじゃ、次のところ行くか」
セーラ「うん!」(エースの手を繋いだ)
エース「⁈セ、セーラ?///」
セーラ「あ、ごめん!(手を離した)離れちゃいけないと思って…」
エース「…いいよ。(セーラの手を繋いだ)手、繋ご」
セーラ「!うん!」
2人は手を繋いだまま、タツノオトシゴや海の生き物を見た
〜水族館 ボートエリア〜
セーラ「うわ〜!✨ロマンチックなところ!」
スタッフA「ようこそ!次のエリアへはこのボートエリアのボートで移動していただきます。これまで住む世界が違った王子と人魚姫も昔、2人でボートに乗り向き合うことでお互いを知っていったんだとか。今では家族や恋人と乗る他、社交の場としても、この国で親しまれる乗り物のひとつです。魔導式ですので、乗っているだけで目的地までお送りします」
セーラ「ボート乗るのって初めて!ワクワクする!✨」
エース(先に乗った)「ひっくり返って落ちんなよ」(手を差し伸べた)
セーラ「うん。ありがとう」(手を取り、ボートに乗った)
スタッフ「では、いってらっしゃい」
セーラ「…ふふっ」
エース「ん?どうした?」
セーラ「いやぁ、アトランティカ記念博物館のことを思いだしちゃって」
エース「あー…あんまりいい思い出ないけどね」
セーラ「大変だったよね。…あの時、ありがとう」
エース「え?俺なんもしてねぇよ?」
セーラ「そんなことないよ。まぁ、エースくんにとっては些細な事かもね。でもね、嬉しかったんだ。アズール兄と幼馴染とバレた時、軽蔑されるかもって不安だったの。でも、君は誰よりも早くいつも通りの対応と私の心に寄り添ってくれた。とても心強かったんだ。だから、ありがとう」
エース「!そっか…」(正直あの時、俺は何も出来なかった。何もしてやれなかった。でも…そんなこと言ってくれんのは、お前だけだよ)
セーラ「?エースくん?どうしたの?」
エース「ん?いや、なんでもない」
セーラ「そっか。あ、そろそろ着くね。降りる準備しよう」
エース「ああ」
2人は無事に着き、ボートから降りた
〜水族館 パフォーマンスエリア〜
セーラ「わぁ✨イルカショー、私初めて!」
エース「そうなんだ。最前列に座れて良かったな」
セーラ「うん!」
スタッフB「では、イルカ達のジャンプショーをとくとご覧あれ!!」
イルカ達「キュキュキュー!!」(たくさんのジャンプパフォーマンスを見せた
セーラ「うわぁ、凄い!」
エース「セーラ!」(急に抱きしめた)
セーラ「え…?エー、」
バシャ(ジャンプの水飛沫が2人にかかった)
エース「ごめん。水飛沫がかかると思って」
セーラ「大丈夫。わざわざありがとね」(び、びっくりした…///)
イルカ「キュー…」(セーラ達の方へ近づいた)
エース「あ、もしかして謝ってる?」
セーラ「ふふっ、可愛い。大丈夫だよ」
イルカ「!キュー!」(仲間のところへ戻った)
セーラ「ふふっ。律儀なイルカさんだったね」
エース「だな。あとで服とか乾かさないと」
セーラ「そうだね」
2人はこの後、食べ物を食べたり、お土産屋さんとかでお土産を見たりなど満喫した
〜陽光の国 海岸通り〜
セーラ「ふぅ、楽しかった!こんなに遊んだの久しぶり!」
エース「確かに」
セーラ「お土産、喜ぶかなぁ…」(小声)
エース「…なぁ、セーラ」
セーラ「ん?なぁに?」
エース「目、閉じてくんない?」
セーラ「あ、うん」(閉じた)
エース(セーラの首に何か付けた)「いいよ」
セーラ(目を開けた)「!うわ〜✨素敵なネックレス!ハートのチャーム付いてる!いいの?」
エース「うん。いつもクッキーくれるお礼と今日のお礼」
セーラ「ふふっ、ありがとう」
エース「ああ。…セーラ」
セーラ「ん?」
エース「…」(セーラの左頬に手を添えた)
セーラ「?エースくん?」
エース「…セーラ、俺、お前のこと愛してる」
セーラ「…え…?あい?それって…」
エース「うん。俺がお前を異性として好きだってこと」
セーラ「…嘘…」
エース「嘘じゃない。俺にとってセーラはかけがえのない大切な存在だよ。いつも笑顔でいて欲しいし、側にいたい。頼って欲しいし、甘えて欲しい。俺、セーラが男でも女でも好きになったと思うんだ。だって、俺はセーラじゃなきゃダメなんだ。代わりなんていない…。なぁ、セーラ。俺の気持ち、答えてくれる?」
セーラ(エースくん、私をこんなに思ってくれてたんだ。でも…)「…1日…」
エース「え?」
セーラ「1日だけ答え待ってくれない?急だというのもあるけど、しっかり答えたいから少し私に時間をください!」
エース「…分かった(セーラの頭を撫でた)急だもんな。ゆっくりでいいよ。俺はいつでも待っているから」
セーラ「…うん、ありがとう」
エース「!そろそろ日が暮れるな。(セーラに手を差し伸べた)帰ろう、セーラ」
セーラ「…うん」(手をとった)
〜鏡舎〜
エース「本当にここまでいいの?寮まで送るよ」
セーラ「いいの。ここまで送ってくれるだけで嬉しいから。…エースくん」
エース「?何?」
セーラ「…ううん。しっかりお返事するから…」(風が少しフワッと吹いた)
エース「…あ、ああ」
セーラ(自分の寮への鏡に入った)
エース「…今の一体なんだ?なんかセーラの雰囲気が一瞬変わったような…?…後で本人に聞いてみよう」(同じく入った)
〜オクタヴィネル寮 セーラの部屋〜
セーラ「…覚悟を決める時が来たようだね…」
ー翌日ー
〜メインストリート〜
デュース「エース、昨日デートはどうだった?」
エース「ああ、楽しかったよ。楽しかったけど…」
デュース「なんかあったのか?」
エース「寮の鏡前まで送った時にセーラの雰囲気が一瞬変わった気がしたんだ。それがなんでなのかまだ分かんないでいるんだ」
デュース「なるほどな。ん?あれは…(何かに急いでいるアズールを見つけた)アーシェングロット先輩。そんなに慌ててどうしたんですか?」
アズール「ハァ、ハァ…セーラが、いなく、なりました…!」
デュース、エース「⁈」
デュース「どういう事ですか⁈」
アズール「それが分からないんです。部屋を見たら、机の上にこんなのが」(手紙をエースに渡した)
エース(受け取った)「手紙?(中身を見た)⁈これって…」
“皆さんへ
私はここにいられません。覚悟を決めたので。では、さよなら
セーラより”
デュース「手紙…。誰かが偽造した可能性はないんですか?」
アズール「それはないです。この字はセーラの字です。僕達で確かめました」
エース「先輩の言う通りで間違いない。この封筒、セーラがマレウス先輩によく使う封筒だ」
アズール「今から僕は学園長に話してきます。エースさん達はジェイド達と一緒にセーラを探してください」
デュース「分かりました。僕達は探しながら、他の人にも声を掛けておきます」
アズール「ありがとうございます。お願いします」
〜校舎裏の森〜
リドル「ここにもいないな…」
デュース「!ローズハート寮長、エースがいません」
リドル「なんだって⁈」
ケイト「え⁈エースちゃんどこに行ったの⁈」
トレイ「セーラがいないってのに、エースまでいなくなるとは…」
〜校門〜
エース「…先輩達と逸れちゃった」(セーラ、お前はどこにいんだよ。なんで、俺の前からいなくなった?答えてくれよ…!)
キラン✨(エースの左手首に付いてるブレスレットが光始めた)
エース「⁈これって、セーラから貰ったブレスレット。え、なんで光った⁈」
ブレスレットは校門の外の方へ光が差した
エース「!もしかして、セーラの居場所を教えてくれてんの?…だったら、行くっきゃないっしょ。セーラがいる場所へ」(光が差す方へ行った)
〜中庭〜
アズール「皆さん、見つかりましたか?」
皆(首を横に振った)
ジェイド「そうでしたか」
フロイド「あれ?カニちゃんどこ行ったの?」
デュース「それが探している間に逸れたようで…」
レオナ「はぁ…何やってんだか…」
ヴィル「全くこんな非常事態に何してんだか」
アズール「デュースさん。エースさんからセーラのことを聞いていませんか?例えば昨日の事とか」
デュース「昨日…あ!」
アズール「ありますか?」
デュース「詳しくは分かりませんが、送り届けた時に何やらセーラのオーラが変わったと言ってました」
アズール「オーラ…?」
ジェイド「他にありませんか?」
デュース「そうですね。確かエースの奴、デートプランを考えている時に告白しようと呟いていたような…?」
アズール、ジェイド、フロイド「⁈」
フロイド「それ本当だったら…」
ジェイド「手紙の内容に納得します」
カリム「え?そうなのか?」
リドル「アズール。分かりやすく話してくれないか?」
アズール「手紙の書かれた通りです。恐らく覚悟はセーラの呪いの事でしょう。セーラは試練を乗り越える為にここから出たという事です」
リドル「まさかその引き金がエースなのかい?」
ジェイド「ええ」
ケイト「え、なんで⁈」
フロイド「ハナダイくん、落ち着いてよ。前にアズールが呪いの事、説明したじゃん」
トレイ「!てことは、セーラの愛する人はエースってことか?」
デュース「そうなんですか⁈」
アズール「ええ。呪いの発動条件はセーラが好きな人に告白をする事。それは試練を受ける覚悟を同時に持つという事。もし、本当にエースさんがセーラに告白してこのようになったのであれば、合点がいきます」
ラギー「マジッスか…」
ジャック「んじゃ、エースの奴がいなくなったのは偶然じゃない?」
フロイド「!サバちゃん、小エビちゃん、アザラシちゃん。セーラはいつもブレスレット付けてた?」
デュース「付けてました。お気に入りだったようで」
グリム「俺様達が作った魔法石のやつだろ?確か運動以外はぜってぇ付けてたんだゾ」
ユウ「大事そうにしてました」
リドル「そう言えば、確かエースとお揃いと聞いたな。エース自身も肌身離さず付けていた」
ジェイド「!アズール」
アズール「ええ。ブレスレットは偶然でもエースさんがいなくなったのは偶然じゃないですね」
ジャミル「!まさか」
アズール「ええ、そのまさかです。セーラはそのお揃いのブレスレットを使い、エースさんを自分の場所へ誘導しているかもしれません」
皆「⁈」
エペル「でも、どうやって探すんですか?」
ルーク「恐らくだけど、学外に出た可能性があるよ」
オルト「そっか!手紙にはここにはいられないって書いてあった」
イデア「じゃあ、セーラ氏は外にいんの?」
ジェイド「その可能性はありますね」
フロイド「んじゃ、急いで探そう」
アズール「ですね。では、皆さんお願いします」
皆「はい!」
〜海岸〜
エース(ブレスレットに導かれて来たけど、ここにセーラがいるのか?)「…!」
セーラ(髪を下ろし、足に海をつからせた状態で海を眺めていた)
エース「セーラ!」
セーラ「!(振り返った)エースくん…」
エース「いなくなってびっくりしたんだけど。ほら、一緒に皆のところへ帰ろうぜ」(手を差し伸べた)
セーラ「…」(首を横に振った)
エース「⁈なんで?」
セーラ「私、覚悟決めたんだよ。貴方の思いに答える為に。そして、(エースの左頬に手を添えた)貴方と共に生きる未来の為に」
エース「え、それって⁈」
セーラ「エースくん、貴方を愛してます。私はエースくんに恋をしていたんだ。私を見る優しい目、寄り添ってくれる優しさ、太陽のような眩しい笑顔。こんなにも私はエースくんが好きでエースくんに染められたんだ。本当は自覚したくなかった。これ以上貴方を悲しませたくないし、苦しませたくなかったから…」
エース「セーラ…」
セーラ「でも、もう大丈夫」(足元から段々凍りづいてきた)
エース「⁈セーラ!」
セーラ「呪いが発動し、試練が始まる。(話しながら、水色のリボンをエースに渡した)エースくん」(口にキスした)
エース「⁈」
セーラ「私、信じてるから…」
エース「セーラ!!」
ドゴーン!!(音と共にセーラは氷の中に封じられた)
エース「セーラ…セーラーーーーーー!!」
その後、アズール達が到着した
アズール「!遅かったか…」
フロイド「え、嘘でしょ…」
ジェイド「セーラ…」
デュース「エース!!」(座り込んでるエースに寄り添った)
エース「セーラは俺に思いを伝えて…」
デュース「そうか。辛かったな…」
リドル「でも、こうしていられないのは分かっているだろ?エース」
エース「はい…。(立ち上がった)セーラは俺を信じると言ってくれました。なら、それに答え、必ずセーラを解放します!」
ケイト「うん!その意気だよ、エースちゃん!」
トレイ「切り替えていかないとな」
エース「はい!」
アズール「エースさん」
エース「!アズール先輩…」
アズール「セーラから何か託されてませんか?」
エース「このリボンなら託されたけど、他の物は何も…」
ジェイド「ポケットには何かありませんか?」
エース(探した)「!紙?」(折り畳まれた紙を見つけ、取り出した)
フロイド「!それ見せて」
エース「あ、はい」(紙をアズールに渡した)
アズール(受け取り、開いた)「!これは…」
“セレナーデ伝説に鍵がある”
ジェイド「セーラからのヒント…」
フロイド「残してくれたんだ…」
リドル「セレナーデ伝説とはなんだい?」
アズール「そうでした。知らない人がほとんどでしたね。簡潔に説明します。セレナーデ伝説とはセーラの一族の実話をお話にした物です。その中には教科書にも載っているトルマリン・セレナーデの事も書かれています」
エース「なんでセーラがその本を伝えようとしたんすか?」
ジェイド「恐らくですが、セーラは自分の呪いを調べていたと思います。その時にセレナーデ伝説に触れて何かを見つけたかもしれません」
フロイド「でも、セーラでは出来ないからカニちゃんに託した…」
アズール「その可能性はあります」
エース「セーラ…」
アズール「流石に今から探すと遅くなります。明日にしましょう」
エース「!なんで、今すぐじゃないと、」
ジェイド「お気持ちはわかります。ですが、セーラは身を滅ぼしてまで呪いを解いて欲しいと望みますか?」
エース「ッ…」
フロイド「早く解放してぇのは分かっけど、一回落ちつかねぇと。カニちゃんは尚更。目の前でセーラがああなったんだもん」
エース「…」
リドル「エース、フロイドの言う通りだ。まずは休まないと」
デュース「エース、無理するな」
エース「…分かった」
アズール「では、皆さん。明日10時に図書室へ集まってください」
皆はぞろぞろと学園へ戻った
エース「…(セーラの方を振り返った)セーラ…」(体を正面に向け、学園へ帰った)
〜ハーツラビュル寮 談話室〜
エース「…」
ケイト「エースちゃん…」
トレイ「エース…」
リドル「…(エースに近づいた)エース、今日はもう早く寝るんだ。セーラを思う気持ちは分かるが、セーラに元気のない顔を見せる気かい?」
エース「…ですね。俺は先に寝ます」(行った)
リドル「うん」
〜ハーツラビュル寮 エースの部屋〜
エース「…」(セーラ…。もし、夢で会えたら…)(寝た)
〜エースの夢〜
???「…ース、くん…エ、ース、くん…エースくん」
エース「ん…はっ!(目を開けた)真っ白…ここどこだ…?」
セーラ「ここはエースくんの夢の中だよ」(髪は下ろされ、白いワンピース姿)
エース「⁈セーラ…?」
セーラ「うん」
エース「セーラなの?」
セーラ「うん」
エース「ッーー、セーラ!!(抱きしめたが、すり抜けた)⁈」
セーラ「あー、ごめん。なんでかすり抜けちゃうんだ」
エース「そっか…。セーラ、お前はなんでここにいるの?」
セーラ「そうだね。私がエースくんのところへ行きたいと思ったからかな。まぁ、私はエースくんの夢にしか行けないけど」
エース「え、どういう事?」
セーラ「シルバーさんのユニーク魔法あるじゃない?私はそれが使えるみたいなんだ。でも、呪いの事もあって他の皆さんの所へは行けないんだよ」
エース「そっか。だけど、(セーラの左頬に手を添えるようにした)お前と会えて良かったよ」
セーラ「私も嬉しいよ」
エース「…セーラ。あの紙は一体…」
セーラ「あ、見つけた?私から与えられるヒントだよ」
エース「⁈んじゃあ、呪いは解けれんの?」
セーラ「うん、確実に。だけど、私は答えを教えられないから頼る形だけど、見つけて欲しいの」
エース「分かった。んじゃあ、簡単にセレナーデ伝説について教えてくんない?」
セーラ「いいよ。セレナーデ伝説は私の一族が元なのは知ってる?」
エース「ああ、アズール先輩から教えてもらった」
セーラ「なるほど。セレナーデ伝説は4つの話が1つにまとめられた本なんだ」
エース「へぇ」
セーラ「1つ目はトルマリン・セレナーデの英雄譚。2つ目は姫と騎士の悲しき恋愛話。3つ目は人魚の魂を救った王子の英雄譚。4つ目は皇帝と皇妃の愛の物語だよ」
エース「なるほどな。もしかしてこの中にヒントが?」
セーラ「詳しくは言えないけど、そうだよ。ついでに言うならば、今の私達の状況が語らわれているお話があるよ」
エース「!それって2つ目?」
セーラ「正解。辛いお話なんだ…」
エース「そっか。…もし、お前の呪いが解けたらセレナーデ伝説を読もっかな」
セーラ「本当⁈結構話面白いから是非読んで欲しい!」
エース「分かった。約束しようぜ」(小指を出した)
セーラ「!…うん」(そっと自分の小指を絡めた)
パラパラ…(天井から白から黒へ崩壊してる)
エース「⁈何これ⁈」
セーラ「…エースくんが夢から目覚めようとしてる」
エース「嘘⁈」
セーラ「エースくん。夢は必ず覚める。そして、呪いも必ず解ける。だから、(エースの両頬に手を添えた)私、待ってるから。貴方が寝た時、必ずここへまた来るよ。そして、現実で貴方が迎えに来てくれる事を信じるよ」
エース「セーラ…」
セーラ「夢に囚われないでね…」(足から消え始めた)
エース「セーラ!」
セーラ「大丈夫。夢の中でまた会いましょう、(エースの額にキスした)私の愛する人…」
エース「セーラ!!」(手を伸ばし、夢から覚めた)
〜ハーツラビュル寮 エースの部屋〜
エース「…夢…?」
デュース「大丈夫か?エース」
エース「デュース…」
エース「起こしに行ったら、お前魘されていたぞ」
エース「ああ…(起き上がった)実は、(夢の話をした)という事。信じてもらえるか分かんねぇけど、俺にとっての事実だ」
デュース「そうか、セーラが…。エース、僕は信じるぞ」
エース「!デュース…」
デュース「お前はこういう時に嘘をつかないし、シルバー先輩のユニーク魔法もあるからな。それに僕自身もそれが本当にあったと思いたいんだ」
エース「!…そうか。ありがとうな、デュース」
デュース「おう!さぁ、図書室へ行こう。セーラを助ける方法を探すんだ」
エース「ああ」
〜図書室〜
皆はもう集まっていた
アズール「来ましたね、エースさん」
エース「はい。これで全員ですか?」
ジェイド「ええ」
フロイド「んじゃ、カニちゃん来たし、セレナーデ伝説探すか〜」
デュース「そのセレナーデ伝説の本ってあるんですか?」
アズール「あります。一度セーラはその本を借りて僕たちに見せてくれました」
ジェイド「なので、見つからないわけがないんです」
カリム「そのセレナーデ伝説ってどんな話なんだ?」
エース「…4つの話が書かれいて、まとめられている」
フロイド「へぇ、カニちゃん物知りじゃん」
エース「いや、実は(夢でセーラと会った事とセーラに教えてもらった事を話した)」
アズール「そうでしたか。セーラが…」
エース「信じてもらえないかもしれませんが、」
アズール「信じますよ」
皆「⁈」
エース「!」
ジャミル「あのアズールが信じるって言ったか?」
イデア「え、幻聴?明日氷降る?」
アズール「失礼ですよ💢セーラならそんな事もいとも簡単に出来そうと思ったからそう言ったんです」
ジェイド「そうですね。セーラは監督生さんに負けず劣らずに驚く行動をしますので」
ユウ「そうですか?」
フロイド「そうそう。だから、疑わねぇよ」
エース「…そっか。ありがとうございます」
オルト「皆!そろそろセレナーデ伝説を探そう。早くセーラ・アクウェリアスさんの呪いの手掛かりを探さないと」
ラギー「んで、セレナーデ伝説ってどこら辺にあるんスか?」
アズール「僕の憶測が合ってれば、歴史のところでしょう」
マレウス「ん?お話と聞いたから僕はてっきりフィクションかと思った」
ジェイド「確かにそちらの方にもありますが、少し違います」
フロイド「俺たちが見つけるのは原本。他のところ探すと絵本とか小説しかねぇの」
リドル「つまり歴史書みたいな本を探せばいいんだね」
アズール「ええ。写真はこちら(見せた)これを探してください」
シルバー「古そうな本だな」
ジェイド「実際古いです。しかも、この原本はレアでこの世に2冊しかないんです」
セベク「よく学園で見つけたな」
フロイド「セーラのおかげだよ。セーラが見つけて俺たちに見せてくれた〜」
ルーク「ふふっ。君達は本当に仲良しだね」
ー数分後ー
エース「…」(一部の本をジッと見てる)
デュース「エース、何してるんだ?」
エース「ん?あー、少しこの本が気になってな」
デュース「エース…。セーラの呪いの手掛かりを探すんだろ?なに道草をしているん、」
エース(本をボタンのように押した)
ゴゴゴゴゴゴ…(揺れる音)
グリム「ふなっ⁈なんなんだゾ⁈」
ユウ(ゆ、揺れてる⁈)
レオナ「チッ!なんなんだ、一体」
エペル「な、何が起こってんだ⁈」
どこからか扉の開く音がした
ヴィル「これは…皆、見て頂戴」
皆(集まった。目線の先には地下に通ずる階段)
セベク「階段⁈何故こんなところに」
リリア「恐らくエースがボタンを押して開かれたんじゃ」
エースのブレスレットがまた光り、地下へと差した
エース「!これって…」
アズール「!まさか、地下へ進めとなってるんですか?」
エース「多分そうです。セーラのところへ行った時もこんな感じだった」
ジェイド「という事は、ブレスレットにはセーラの意思が宿っている事でしょうか?」
フロイド「アハァ、すげ〜」
マレウス「とりあえず行ってみようではないか」
皆で地下へ進んだ
〜地下 隠れ書庫〜
ケイト「うわっ⁈本がいっぱい!」
トレイ「こんなところがあったのか」
マレウス「ふむ、広いな」
リリア「ああ。こんな大人数でも大丈夫とはのう」
リドル「セーラはここで何を伝えたかったんだろう?」
エース「!」
1つの本がエースのところへ飛んで行き、手元に来た
アズール「!それは!」
ジェイド「セレナーデ伝説です!」
フロイド「しかも、セーラが見せたのと同じやつ!」
シルバー「どうしてここに…」
エース「…セーラがここを見つけた時に残してくれたんだ。この時の為に…」
アズール「…そうですね」
ジェイド「上に戻って手掛かりを探しましょう」
フロイド「だね」
皆(図書室に戻った)
〜図書室〜
リドル「あとは」(本を元に戻し、地下への道を閉じた)
アズール「では、見てみましょう」(本を開いた)
レオナ「…古い文字だな」
ラギー「でも、読めなくはないッスね」
ジャック「セーラの奴、よくこんなの読めたな」
ユウ「凄いね」
アズール(最後のページまでいった)「何もありませんね」
ジェイド「ええ」
フロイド「セーラのあの手紙、なんだったわけ?」
エース「…」
デュース「エース、どうした?」
エース「え、デュースは見えないの?最後の見返しにある字」
デュース「?何を言っているんだ?」
エース「だから、ここに、⁈(最後の見返しを触れたら、そこだけ光だした)な、何⁈」
皆「⁈」
触れたところから石版が出てきた
リドル「エースが触れたところから石版が出てきた⁈」
トレイ「なんでだろうな?」
アズール「!もしかして手掛かりはエースさんしか見つけられなかった?」
カリム「ん?どういう事だ?」
ジェイド「エースさんはセーラに選ばれた愛する人。その方にしかこの石版は見つけられなかったのかもしれないという話です」
ジャミル「確かにあり得そうだ」
フロイド「てか、間違いないんじゃね?石版にセーラの一族の紋章あるし」
ルーク「そうだね。古びてるが、間違いなくセレナーデ家の紋章だ」
エペル「でも、この古い文字難しそう」
ヴィル「恐らく古代呪文語の類いね。古代呪文語の辞書で調べましょう」
皆(古代呪文語の辞書で石版の単語を調べた)
エース「うっ…」(少し頭を抑え、しゃがんだ)
デュース「エース?エース!」(駆け寄った)
皆「⁈」
リドル「エース!」
トレイ「大丈夫か⁈」
ケイト「エースちゃん、大丈夫⁈」
エース「…セーラが…呼んでいる…」
皆「⁈」
イデア「え?どゆこと?」
オルト「セーラ・アクウェリアスさんは氷の中に閉じ込められてここにはいないのに」
アズール「!まさかエースさんは夢に無理矢理連れ出されそうになっている?」
皆「⁈」
ジェイド「!もしセーラとエースさんが夢で会っていたのが本当だとしたら」
フロイド「あり得るね」
デュース「だけど、このままではエースが」
リドル「!マレウス先輩。僕達にユニーク魔法を」
マレウス「⁈…何故だ?ローズハート」
リドル「僕達が眠り、エースも寝ればシルバーのユニーク魔法で僕達はエースの夢の中でセーラと接触が出来ます」
トレイ「確かにそれなら何か話し合える事ができるかもしれないな」
ケイト「リドルくん、あったまいい〜」
マレウス「…分かった。祝福(フェイ・オブ・マレフィセンス)」
皆「…」(寝た)
エース「ッ…」(セーラの声に身を任せ、寝た)
〜エースの夢〜
エース「…セーラ」
セーラ「急に呼び出してごめんね、エースくん」
エース「平気。ただ、なんで俺を呼び出したんだ?」
セーラ「そうだね。(自分のブレスレットを見た)私のブレスレットが教えてくれたんだ。皆さんが石版を見つけてくれた事を」
エース「⁈」
セーラ「その石版には私の呪いを解く方法がある。でも、足りないものがあるの」
エース「足りないもの?」
セーラ「それを教える前に」(横を見た)
エース「?(同じ方向を見た)デュース、皆…」
皆「セーラ!!」
フロイド「セーラ〜!!」(セーラに飛びついた)
セーラ「あ、フロイド兄危な、」
フロイド「ぶっ⁈」(透明な壁にぶつかった)
ラギー「フロイドくん大丈夫ッスか⁈」
ジャック「派手にいったな…」
レオナ「なんでこれ以上近づけないんだ?」
セーラ「それは私の呪いのせいなんです。私の呪いはエースくんと私の試練みたいなもの。部外者は近づけない」
カリム「だから、2人には近づけない」(めっちゃ透明な壁を触ってる)
ジャミル「カリム、やめろ💧」
ヴィル「でも、どうしてここにエースを呼んだの?」
セーラ「皆さんが石版を見つけたのを分かったのを知ったので、エースくんに伝えたい事があったんです」
エペル「伝えたい事?」
セーラ「…人魚姫の秘密」
アズール、ジェイド、フロイド「!」
ルーク「人魚姫の秘密?それは一体なんなんだい?」
セーラ「それはまだ皆さんには教えられないんです」
イデア「え?」
オルト「どうして?」
セーラ「私の呪いに関わるから…」
ビキッビキッ(夢が崩壊する音)
セベク「⁈なんの音だ⁈」
マレウス「!これは…」
セーラ「!夢が崩壊する。皆さん、早くここから脱出を!」
リリア「セーラとエースはどうするんじゃ⁈」
セーラ「私達は大丈夫。エースくんは覚めるだけで私もすぐ脱出ができます。皆さんは早くここから出ないと夢の狭間に囚われてしまう!」
アズール「ッ…セーラ…」
セーラ「大丈夫です。エースくんを、皆さんを信じます…!」
ジェイド「ッ…分かりました」
フロイド「ちゃんと帰って来てね」
セーラ「はい」
シルバー「皆掴まれ!!」
セーラ「私もサポートします!」
シルバー、セーラ「同じ夢を見よう!(ミート・イン・ア・ドリーム)」(皆は自分の夢に無事戻った)
エース「…セーラ。俺に伝えたいっていう足りないものって?」
セーラ「貴方には人魚姫の秘密、私の本当の名を教えます」
エース「?アクアマリン・セレナーデじゃねぇの?」
セーラ「色々あって更に偽名を名乗っていたんだ。私の本当の名を知ってるのは身内とアズールさん達のみ」
エース「なんで更に偽名を?」
セーラ「呪いの対策。呪いが解いてない状態で本当の名を他人から他人に教えてしまうと、その2人が凍りつくという代償があるんだ」
エース「なるほど。だから、アズール先輩達は口外出来なかった。そして、セーラも被害者が出ないように心がけていたんだ」
セーラ「うん…」
ビキッビキッ(夢が崩壊する音)
セーラ「…そろそろだ。エースくん、今から私の本当の名を言うよ。一語一句間違えないでね」
エース「ああ」
セーラ「私の本当の名は…“ ”」
エース「!」
セーラ「待ってるから…」
セーラが消えたのと同時にエースの夢が覚めた
〜図書室〜
エース「…ん…」(起きた)
マレウス「パチン」(皆を夢から覚ました)
皆(起きた)
デュース「エース、セーラと話せたか?」
エース「ああ」
デュース「それは良かった」
アズール「さて、皆さん。気を取り直して石版の解読に取り掛かりましょう」
皆(行動開始した)
エース「…」(石版を見た)
リドル「どうしたんだい?エース」
エース「…寮長、寮長にはこの文字が古代文字に見える?」
リドル「ん?僕にはそう見えるよ。もしかして、何か分かったのかい?」
エース「…いや、なんでもないっす(その場を離れた)…だけど、皆にはそう見えるのか。俺だけなんでかあの字が普通に読める。!まさか…!」
ー数時間後ー
ジャミル「解読終わりました!」
ヴィル「流石ね。レオナは意外だわ。まさか、アンタがそんなに古代呪文語が得意とは」
レオナ「御託はいい。とりあえず読め」
ジャミル「はい」
“夜の鏡満ちたりて。真の名と真実の愛を捧ぎし。闇は解き放たれ、姫が目覚めん”
マレウス「どういう事だ?」
リリア「さっぱり分からんのう」
リドル「…もしかして何かに例えられてるんじゃ」
皆「!」
ケイト「んじゃあ、夜の鏡ってなんだろう」
トレイ「それって月じゃないか?満ち足りてって事は満月かもな」
ジャック「確かに。そうだとしたら納得がいく」
ラギー「えっと、闇ってなんスかね?」
ルーク「この場合、セーラくんの呪いじゃないかな?この石版はセーラくんの解呪方法が記されてる。解き放つは呪いから解放されるって事じゃないかな」
カリム「てことは、姫ってセーラか?」
アズール「可能性はあります。セーラはセレナーデ家唯一の皇女。セーラは呪いから解放され、目覚めるという事でしょう」
エペル「じゃあ、この真の名と真実の愛ってなんだろう?」
イデア「あーこれお話の王道パターンですな。恐らくセーラ氏の本名とキスとかして目覚めさせるってやつっすな」
オルト「じゃあ、石版の解読の整理をするよ。満月の時に本当の名前とキスを捧げれば、呪いは解かれてセーラ・アクウェリアスさんが起きるって事だね」
リドル「そうなるね。しかし、これはエースがやらないといけないだろう?」
ジェイド「ええ。なにせセーラに選ばれた愛する人ですから。そうしないと呪いは解けませんので」
フロイド「あれ?カニちゃんどこ?」
皆「え?」
セベク「い、いない!こんな時に何故いないんだ⁈」
ユウ「どうしたんだろう?」
グリム「これじゃあ、セーラを助けれないんだゾ〜」
リドル「!もしかして…」
トレイ「ん?どうしたんだ?リドル」
リドル「エースに少し気になる事があったんだ」
ケイト「え、どういう事?」
リドル「エースが石版を見て僕にこう問いかけたんだ。僕にはこの文字が古代文字に見えるか?と」
アズール「!まさか…」
ジェイド「エースさんだけ普通に読めていた可能性があります」
皆「⁈」
アズール「ええ。そして、僕達より早く解読したかもしれません。皆さん、行きましょう!」
リドル「⁈どこに行く気だい⁈」
フロイド「セーラんとこ!そこにカニちゃんがいる。あと今日はちょうど満月なの!」
皆「!」(急いで準備した)
リドル「僕達も行くよ!」
デュース、トレイ、ケイト「はい、寮長!」
ー夜ー
〜メインストリート〜
皆(走ってる)
マレウス「そう言えば、セーラの真の名はアクアマリン・セレナーデなのか?」
ジェイド「いえ、違います」
セベク「え、違うのか⁈」
フロイド「セーラのそれも偽名。セーラの本当の名前は知ってるけど、言えない」
シルバー「なんでだ?」
アズール「呪いの対策なんです。この場で言ったら皆さん氷漬けにされますよ」
皆「⁈」
ジェイド「言ったご本人もなります。しかし、セーラから言うのは大丈夫です。それに彼女には合言葉があります」
リリア「それは人魚姫の秘密という言葉か?」
フロイド「そう。だから、今セーラの本当の名前知ってんのは身内と俺達とカニちゃんだよ」
レオナ「てか、なんで俺達は走らされてんだよ」
アズール「なら、レオナさんだけでもお留守番どうぞ。僕達はセーラの呪いの解放を見届けないといけないんです」
ジェイド「それが皇帝陛下と皇后様との約束なんです」
フロイド「それに“兄妹”として見届けたいし」
レオナ「!…ふっ、そうかよ」
ラギー「まぁ、皆行きたいのは変わらないッスよ」
デュース(エース…セーラ…)
〜海岸〜
エース「来たぞ、セーラ。今日は満月が綺麗だな〜」
セーラ「…」
エース「石版は解けたよ。俺さ、ここまで来る間にどんな愛の言葉を捧げようって考えていた」
セーラ「…」
エース「…お前が喋んないと寂しいな…」
セーラ「あ!(後ろから振り返った)エースくん!」(エースの脳裏にその場面が一瞬よぎった)
エース「…(セーラに近づいた)セーラ、帰って来いよ。お前がいないとダメなんだ。起きてよ、俺の大好きな女の子。…ステラ・セレナーデ…」(セーラの閉じ込められてる氷にキスをし、少し離れた)
ビキッビキッ(ひび割れた音)
エース「?」
ビキビキビキビキビキッ!パリーン!!(氷が完全に割れた音)
セーラ「…」
エース「!セーラ!!」
セーラ「…エースくん!!(解放されて、そのまま倒れるようにエースに抱きついた)会いたかった!会いたかった…」
エース(抱えるように抱きしめた)「俺もだよ、セーラ。本当無事で良かった…」(涙目)
セーラ「ありがとう。本当にありがとう、エースくん。私を助けてくれて。私を愛してくれてありがとう」
エース「ああ、俺もありがとう。俺を心から愛してくれてありがとう」
セーラ「エースくん…」
2人は夜明けと共に口付けをした
セーラ「貴方を信じてました…」
エース「…待っていてくれてありがとな、セーラ。いや、ステラか」
セーラ「ふふっ、呼びやすい方でいいよ」
エース「分かった。でも、しばらくはお前の本当の名前で呼びたい」
セーラ「分かったよ」
皆「セーラ!!」(セーラとエースに駆け寄った)
セーラ「皆さん!」(エースに下ろしてもらった)
アズール「セーラ…良かった…」(優しく抱きしめた)
セーラ「アズール兄…」
ジェイド「本当無事で良かったです…」(同じく)
フロイド「本当良かったよ〜、セーラ〜」(同じく)
セーラ「ジェイド兄…フロイド兄…ただいま」
アズール、ジェイド、フロイド「!おかえり、セーラ」
皆でワイワイとセーラと話始めた
デュース「…いいのか?エース。セーラが取られてるぞ」
エース「大丈夫。それに縛っちゃったらステラには悪いし、俺は充分話した」
デュース「!…そうか」
エース「…ステラ!」
セーラ「?うん」
エース「これからもよろしくな!」
セーラ「!こちらこそよろしくね、エース!」
エース「!…おう!」
《2人はお互い微笑みあった。私は皆のおかげで無事に呪いを解く事が出来た。こうして私は好きな人と結ばれ、幸せになりました》
〜the end〜
【あとがき】
セーラシリーズ一旦は終わりました!!セーラシリーズはこれから番外編やイベントのパソストをゆっくりやっていきたいと思います。ここまで読んでくれた方々ありがとうございます。