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バシッ

その音と共に右頬に痛みが走る。

「あんたなんて嫌いよ!!!あんたの代わりなんていくらでもあるんだからね!」

彼女は走り去って行く_。

はぁ………またやってしまった。

自分は砂賀夜見(さが よみ)彼女に振られるのは6回、 彼女に殴られたのは6回、なんとも可哀想な男だ。

「自分、彼女に振られて殴られるって……なんて可哀想なんだろう…」

先程殴られた左頬を擦りながら立ち上がる。

自分も悪かったのかもしれない…でもきっと彼女達も悪いところはある。

例えば金遣いが荒かったり、ボディタッチが多かったり、浮気するし……まあ、それだけ自分が魅力的なのだろう。

そんな感じで、1ヶ月毎に彼女が変わる。

「どうして自分が振られるのだろう……こんなにも魅力的なのに………」

そうこう考えていると後ろから声が聞こえる。

「……そこ、そこの人ー」

どうせ、誰かが落とし物をしたのだろう。

「ちょっ、あっ!とまっ、止まって、止まってください!!」

「だっ、ちょっ…おいー!…そこの緑髪の人!!!」

……まさかの自分だった。

自分は立ち止まって振り返る。

そこには綺麗な白い髪をしたスタイルがいい人がいた。

「や、やっと、お、追いついた………」

走ったのだろうか、息が切れていた。

「あ、あの自分に何か用でしょう?」

「ん?あぁ…えぇっと、この、ハンカチ落ちていましたよ」

それは以前4人目の彼女から貰ったウサギのハンカチだった。

4人目の彼女はまつ毛が長くてツインテールが特徴な女性だった。

家事もしてくれるし、一緒に過ごす頻度も高かった。

でも、一つ問題があり、それは重度のメンヘラだったこと。

毎回病んではリストカットをし、酷い時は自殺をしようとしたこともある。

それを自分が毎回止めては慰め、甘やかすの繰り返しだった。

このままじゃいけないと思い別れたのがつい、2カ月前だ。

「あれ?違っ…違いました?」

自分は我に返り、再び会話に集中をする。

「自分のです。ありがとうございます。」

自分はハンカチを貰ってから立ち去ろうとするが、白い髪の人はそうはさせてくれない。

「では………ってその、頬どうしたんです?」

「少しタイプが合わなかったのか振られるついでに殴られただけです。どうして自分みたいな人を殴るのでしょうか……」

本当にそうだ。何故自分のような人を殴るのだろうか。自分は理解できなかった。

「大変でしたね。振られたあとで辛いでしょうから、それに傷も心配ですので少し休んで行きますか?」

画像

自分は一瞬動揺したが疲れたので休んでいくことにした。

にしても何故この人は初対面なのに他の誰より親切なのか。

まあ自分のような人がいたら親切にしたくなる気持ちは分からなくもない。

でも気になるのだ。

「……何で初対面なのにそんなに親切に接するんですか」

「まあ、怪我人は放っておけないですからね。それに…」

これから貴方には私を好きになってもらうからです。






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