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ある日、ウチに背の高い男の人たちが来て
目の前で両親を刺し殺した。
スッキリした。
開放された。
心地よかった。
真っ赤な血が飛び散る様が綺麗で、
ずっと見ていたかった。
感動のあまり、涙が出た。自然と笑えた。
人生で初めて、心の底から笑った。
死んだ…死んだ死んだ!!
これでやっと開放される。
僕は普通に生きられる!
「何だこのガキ…笑ってんぞ」
「見たところ5、6才児だけど…」
「…一応縛っておけ、質問したいことがある」
「「了解」」
「今からする質問に「はい」か「いいえ」で答えてね」
「…はい」
「…この人達って君の両親で合ってる?」
「はい」
「君はさ、両親が死んで悲しい?」
「いいえ。」
「なら、悔しい?」
「…はい」
「…嬉しい?」
「はい」
「どうしてか、聞いてもいいかな?」
「…はい」
「喋っていいよ」
優しい声をかけてくるその男は
まるで神様みたいだった。
僕は神様に懺悔するみたいに
今までのこと全てを話した。
「そっか…大変だったね。」
「だから…僕は、不幸なんです。
近所に友達もいないし、両親は僕に暴力を振るうし、
……でも、それでも生きたかった、死にたくなかった。
自分が死なないようにするにはどうすればいいか、
いつも考えてた。その時「あぁ、殺せばいいんだ」って
……だから、死んでくれてありがたいです。
でも、できることなら自分の手で殺してやりたかった。
…以上です。」
「…なるほどね」
「可哀想ですね」
「……」
「それじゃ、念願の夢が叶った瞬間、
お前はどう思った?」
「……綺麗…って……思いました。」
「合格だな…」
「へ?」
「最後はお前が決めろ……
ここで殺されるか、俺らと汚れ仕事をするか」
「…ここで殺されるのは嫌ですね
せっかく今まで殺されないように頑張ってたのに」
「そんじゃ、着いて来るってことでいいな?」
「はい!」
「決まり!!ようこそ俺たちの世界へ!」
「……」
初めてだった
大人を怖くないと思ったのは
「ッ…」
急に差し出された手に驚いて
目をつぶってしまった僕を見て
3人の男はこう言った。
「おいで」
この時、僕はまだ齢五才だ。
世間知らずだし、まだまだ小さかった。
そんな僕を見て、その男達は
僕に
「おいで」
と言ってくれた。