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1話 - 出逢い
深夜3時。大森元貴、若井滉斗、藤澤涼架は深夜の撮影を終え、帰路についていた。
珍しく徒歩での帰り道。
omr:「なんか最近こうやって帰ることも減っちゃったね」
wki:「まーね、忙しいもんね。いいことではあるんだけどね」
fjsw:「でもたまにこういう日があってもいいね~」
藤澤はスキップしだす。
omr:「涼ちゃんはため込みすぎるからね、たまにはいいかもね」
fjsw:「ほらめっちゃきれいだよ、夜の川とか!」
まるではじめての景色を見るかのように目を輝かせる藤澤。
大森はそれを微笑んで見つめる。
omr:「そうだね、、、ってなんかごみみたいなの、落ちてる。でかくね?」
wki:「でっけ」
fjsw:「見に行ってみる?僕見てくる。」
omr:「ほら、涼ちゃん行くんだから若井もいくよ」
wki:「、、、えっ!?俺も!?」
まるで自分は絶対に行きたくないとでも思っていたような、そして行くこともないと思っていた若井。
それを面白がるように大森が見つめる。
omr:「当たり前」
wki:「え、ちょ、こんな真夜中に怖くないの!?お化けだったらどうしようとか!!」
fjsw:「行こ行こー」
そう言って走り出す大森と藤澤。
若井はうなだれるようにあるきだす。
wki:「なんでそんなに走る元気が出てくんだよー、夜中の3時だぞ?」
若井の言葉はまるで届いていないかのように走り続ける二人。
二人が走り終えても若井は急ぐことなく歩き続ける。
omr:「いぇ~い、僕の勝ち~」
fjsw:「はぁ、はぁ、、、まけたぁ~!」
wki:「えっ!?これ勝負だったの!?」
勝負なことに気づいた若井は急いで走り出す。
この3人で勝負をしたらだいたいろくな事にならない。
omr:「じゃ、あれだね。」
何が来るか全く予想できてない若井。
omr:「若井君、アイスよろしくね?おっけ」
wki:「へっ!?いやいや、聞いてないって!」
omr:「言ってないって」
fjsw:「アハハハ」
omr:「アッハッハッハ」
wki:「いやいや、アッハッハッハじゃなくて!」
若井をからかう大森とそれをみて笑う藤澤。
それにうなだれる若井。
omr:「よし、帰るか」
そう言って踵をかえす大森。
wki:「いや、絶対違うだろ!せっかくここまで来たんだよ!?あと10mも歩けば到着だよ!?せめて見てよ!?」
fjsw:「ほ~い、よいしょ!」
そういって藤澤ははしっていった。
「なにか」には布がかかってたらしく、それをめくった。
fjsw:「え、、、」
omr:「どしたの、涼ちゃん」
藤澤が驚いた声を上げたので、大森と若井も見に行く。
そしたらそこには、、、
wki:「え、、、」
omr:「、、、子供だ」
そう、そこには12歳くらいの女の子が寝ていた。
wki:「え、まって、ヤバくね?え?やば――」
omr:「うるさいって。落ち着け」
wki:「あ、うん、、、」
fjsw:「え?これ大丈夫?警察行ったほうが、、、」
そこで、藤澤は女の子を見つめてぼーっとしている大森に気づく。
fjsw:「もときー、大丈夫?なんかあった?」
omr:「、、、あ、自分?何もない何もない」
fjsw:「あ、ほんと?今警察に連れて行こうか迷ってるんだけど」
大森はそれを聞くと、慌ててまくしたてる。
omr:「でも今深夜3時だよ?明日は朝8時から収録あるよ?警察行ったら絶対めんどくさいことになるし、なんなら早く帰ったほうがいいって」
wki:「でもここで見捨てるってこと?」
omr:「いや分かってる。ただ今じゃなくてもいいわけだし、、、もっと時間がある人に行ってもらったほうが、、、」
珍しく歯切れの悪い回答をした大森に、若井と藤澤は違和感を覚えた。
wki:「何か助けたくない理由でもあんの?」
大森は思った。「昔好きな子に似てて、嫌な思いでしか思い出せないから一緒に居るのは嫌だ」なんて言えるわけない、と。
大森は表情を変えることなく話し出す。
omr:「いや、特に。ただ外で寝てるってことは家庭でなんかあったってことでしょ?めんどくさいことになるじゃん」
wki&fjsw:「、、、。」
若井は珍しく非情な大森に顔をしかめる。
藤澤も何かあるな、と察したのか疑問そうな顔をする。
omr:「いや、分かってるよ!分かってるけど事実じゃん?」
wki:「でも放置したとしてもさ、悪いやつに捕まったらどーすんの?」
omr:「この女の子から見れば自分たちも変装した変な集団だけどね」
fjsw:「まあ、確かに、、、」
なんとか女の子を助けたい若井。
何とか反論しようとする。
wki:「いや、でもさ――」
omr:「それで自分たちが女の子を助けようとして、叫ばれて、警察呼ばれたら絶対野次馬くるじゃん。で、自分たちの写真をXやらにのっけられて終わり」
wki:「まーね、、、」
どうやら反論するのを諦めたらしい若井。
ただ、心の中では大森への不信感が募っていった。
理由があることは確かだが。
fjsw:「でもかわいそうじゃない?」
omr:「それはそう。どうする?」
wki:「でも警察に届けるしかなくない?」
しばらくの間沈黙が訪れた。
時間も、気づけば深夜の3時半になっていた。
しばらくして大森が口を開く。
omr:「、、、明日は今日より余裕あるじゃん?だから明日また来て、まだいたら警察行くので良くない?」
fjsw:「あ、確かに」
wki:「まあ、それならいっか、、、」
omr:「じゃ、バイバーイ」
一刻でも早くこの場から立ち去りたかったかのように帰ってしまう大森。
fjsw:「、、、バイバーイ」
wki:「また明日」
三人には、川の音がただただ大きく聞こえた。
そのなか、藤澤と若井は女の子が気になって何度も振り返った。
ただ、大森だけは一度も、振り返ることはなかった。
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