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『 最愛の人 』
時々私は
もう他の人が使ってしまっている
小さな病室を見に行く
「……」
今そこにはお婆さんがいる
少し黄ばんだカーテンが
ゆらゆらと動いている
「おばあちゃん、来たよ」
私は入ってただ一つの方向へ歩く
「おぉ…心春ちゃん、また来たんやねぇ……」
「元気してた?これ、おばさんが持って行ってって」
それは真っ赤ないちご
ピカピカ光っていて宝石のようないちご
おばあちゃんは食べる?と聞くように
首を少し傾げた
「うん、食べたい」
私とおばあちゃんは親族ではない
たまに孫なのかと間違われるが
歳の差のある友達のような関係だ
「ごめんね、最近塾とかテストで忙しくて…」
「当たり前や、私は病室で横たわってるだけやけど」
「心春ちゃんはまだやらなアカンこと沢山あるやろぉ?」
でも実際
実のおばあちゃんを亡くしている私には
本当のおばあちゃんのような存在だ
「ん~、でも会えへんくなってたのは事実やし…」
「おばあちゃんに久々に会えて私嬉しいんやで~?」
おばあちゃんは嬉しそうに微笑んだ
私は人の笑う顔が好き
どんな顔よりも
「…心春ちゃん、中学生なってもう1年かぁ……」
「早いねぇ……」
「せやな、おばあちゃんと会ってもう1年や」
おばあちゃんはじっとこちらを見つめる
私は黙々といちごを口に放り込む
「…今は寂しくない?」
おばあちゃんはそう尋ねた
「…ううん、寂しい」
「でも懐かしいかなぁ~」
私は目線を下ろした
肌の荒れた私の汚い手は
昔よりも酷くなっている
ストレスは良くないと医者は言う
でもどうしようも無い
私は毎夜彼女に魘されているのだから
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皆さんは愛する人はいますか。
私はいますが、人間とは不思議なものですね
忘れたいことを忘れられない
私は誰かを好きになったとしても
長い日々の過去を思い出して
勝手に苦しんでしまいます。
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コメント
3件
前半のおばあちゃんと主人公の会話がめっちゃ可愛いし、儚い感じがするな〜(*^^*)最後の線で区切ってある所が日記?みたいに見えてその日記?みたいのと前半の会話を合わせてみたら主人公がどこか遠くの地方へ行っておばあちゃんに言う事が出来なくて心残りみたいにも見えるけど…別で考えておばあちゃんが一緒の眠りについてしまいそれが悲しく主人公の心残りになってしまったのかもという考えるを思いました!長文失礼💦