side💚
🩷「阿部ちゃん、こっちだよー!」
佐久間が笑顔で俺に手を振りながら、店の入り口で待っていた。
俺は少し躊躇いながらも、佐久間の元に歩み寄った。
💚「遅くなってごめん。」
🩷「全然いいよ!さぁ、早く入ろう!」
店内に入ると、そこは落ち着いた雰囲気のカフェで、静かな音楽が流れていた。
🩷「ここのケーキ、すごく美味しいんだよ!」
佐久間が楽しそうにメニューを見ながら話す。
俺もつられてメニューを見たが、どこか落ち着けない。
🩷「どうしたの、阿部ちゃん?」
佐久間が心配そうに俺の方を見てきた。
💚「いや、なんでもない。」
🩷「ほんとに?なんか悩んでる?」
💚「悩んでないって。」
俺は軽く笑いながら答えたけど、心の中では自分でも分からない何かを感じていた。
──どうして、こんなに落ち着かないんだろう。
🩷「でも、今日はちゃんと楽しい時間にしようね!」
💚「うん、そうだね。」
ケーキを注文した後、二人は窓際の席に座る。
佐久間は相変わらず楽しそうに話しているが、俺はどこか集中できていなかった。
🩷「ねぇ、阿部ちゃん。」
💚「ん?」
突然、佐久間が真剣な顔で俺を見つめる。
🩷「今日は、ちゃんと気を使わずに俺と話してよ。」
💚「え?」
🩷「前から思ってたんだけど、阿部ちゃんってすごく気を使いすぎなんだよ。」
💚「気を使うって、どういうこと?」
🩷「ほら、みんなのこと考えすぎて、素直に自分の気持ちを言わないじゃん。」
佐久間の言葉に、俺は思わず言葉を失った。
🩷「俺、阿部ちゃんがもっと素直になってくれたら嬉しいな。」
その言葉に、胸が締め付けられるような気がした。
🩷「俺が素直になったら、阿部ちゃんどう思う?」
佐久間が少し照れたように笑いながら聞いてくる。
💚「…それは、どうだろう。」
俺はぼんやりと答えるしかなかった。
💚「どうして、そんなに俺のことを気にしてくれるの?」
その問いかけに、佐久間はしばらく黙っていた。
そして、少し恥ずかしそうに言った。
🩷「だって、俺…阿部ちゃんのことが好きだから。」
💚「え…?」
その言葉が俺の耳に届いた瞬間、時間が止まったように感じた。
🩷「えっと…あ、いや、冗談だよ。」
佐久間はすぐに笑いながら誤魔化すが、俺の心臓は激しく鼓動を打っていた。
──好き…って、どういうことだよ。
その後、二人でいつも通りに会話を続けたけど、俺の頭の中は佐久間の言葉でいっぱいだった。
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