⚠️ATTENTION⚠️
ろふまおBL
四神パロディ
玄武愛され(甲斐田晴愛され)
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🌞視点
近頃、妖の襲撃が増えている。
特に東方。
刀也が対処しているそうだが、このままでは生活に支障をきたすかもしれないとのことだった。
「んー、、北方は特に異常なしなんだよなぁ。…..ま、それが怖くもあるんだけど」
それに。
「刀也の鱗落ちももうすぐだし」
“青龍の鱗落ち”、それは数千年に1度と言われるほどの珍しい出来事。
大規模な神事が執り行われ、七日七晩にわたって鱗の奉納作業が行われるそうだ。
「いっちょ尋ねてみますか」
決めたらすぐ行動、それが玄武というものである。
文を矢につけて東方の宮に向かって魔力を込め送り出す。
「ま、1秒でも読んでいれば“のちほど”になるし。…帳(チョウ)、悪いけど1日だけ宮を頼む」
帳というこの男、人間であるが魔術の使い手という稀代の才能の持ち主だ。
「えぇと、青龍サマのところにいかれるのですね?ではこの茶菓子でもお持ちください、確か青龍サマの大好物です」
そう言って差し出したのは、乾燥した果実を蜜に漬け込んだものだった。
「あいつ甘いの好きだからなぁ。帳、ありがとさん、じゃ行ってくる」
送り出しの礼を取った帳に少し加護を与えて、窓から飛び出した。
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「なんっだ、これ……、、」
東方は、活気があり笑顔溢れる街だったはず。
だが今眼下にあるのは、寂れ乾燥した建物と、身を寄せ合い身体を暖める人々の姿。
「これ、…まずいな。対処が遅れてるし、兵たちの気力も体力もとっくに尽きてる」
とにかく、刀也のところにいかなければ。
青龍の気配がある方向に飛び始めると、よりいっそう大陸の様子が伺えた。
大陸の南部にはまだ影響なし、逆に北が随分やられている。
「晴!!!!!」
突然名を呼ばれ、声のした方を振り向く。
そこには、空中に浮かび、今にも妖に取り込まれそうな刀也の姿があった。
「刀也?!なんで、結界は…?」
「今それどころじゃないから!大陸の方に結界張ってる!!」
四神にはそれぞれ、結界術が授けられている。
それも、相当強力な。
それが、自身と大陸、それぞれに結界を張れないほどに疲弊しているとは。
「ねぇ刀也!鱗落ち始まってるの!?」
少しだけ目を見開いた彼は、自身の腕を見る。
そこからは鱗がポロポロと、零れてしまっていた。
「そーとーやっばいじゃん…、、」
本来であれば川に身を沈めているときに鱗落ちは始まる。
それが、乾燥した空気の中で始まってしまった。
青龍にとって乾燥は大敵、今も身体に激痛が走っているはずだ。
「妖に取り込まれてる最中悪いんだけど、この状態のまま応急処置させて!宮に戻るまでの時間で手遅れになる!」
いつになく泣きそうな刀也の頭をそっと撫で、水の膜を魔力で作り出し、彼の身体全体に纏わせる。
刀也にまとわりついていた妖が、少しだけ力をゆるめた。
「痛いかもしれない、けどっ!!!」
思いっきり刀也の腕を引き、妖をひっぺがす。
「寄生虫ごときが…っ、四神に手を出せると思うな…っっっ!!!」
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「晴〜、そろそろ起きにゃあ、鱗落ちの儀式始まるで〜」
ぽんぽんと腹のあたりを優しく叩かれ、目が覚める。
「みなと、、。?あれ、今って…?」
「寄生虫野郎と戦ってからほんの2、3日ってとこやね。あ、刀也は1日前に起きて、今は祭事の最終確認中」
えぇ…???
「体力ありすぎじゃん…、若いって羨まし」
「にゃは、その分無茶しすぎってことやけど。一時は魔力のほとんどが失われて、生命の維持も大変だったくらいやし。でも晴の水膜のおかげで皮膚の損傷はなかったから、安心しな」
あのときの咄嗟の判断は、間違ってなかったということか。
「んー、それにしてもよく生き残ったよね、あんな高いところから落ちてさ「えぇえぇ、アナタたちは本当に運が良かった、何せ私の上に降ってきたんですからね」」
ん、?
「刀也の鱗落ちがもうすぐだからって、東方に移動してたんですよ。そしたら、アナタ方が上から降ってきましたね。えぇ」
なんてこった、生き残ったのは良かったけれども。
「ごめん、ハヤト「ほんっとうに!頼りなさいと、いつも…っっ、いつもいつも言っているでしょう!?」」
、。
「アナタたちが居なくなったら、東と北の地は誰が守るんです、無責任にも程がある、!!!
…..それに、寂しいでしょう、同胞が居なくなったら…!!」
ああ、どれだけこの神は優しいのだろう。
他の神のために泣き、大陸の民たちのために怒るなんて。
自分はまだ、彼のように美しい顔を腫らしてまで泣く価値が、まだ見つけられていない。
でも。
「次からは…っ、頼るようにするっ、、!心配かけてごめんなさい…..、、っ、、」
自然と涙が溢れて、とめどなく頬をつたった。
꙳⸌𖤐⸍꙳
東方にて、鱗落ちの祭事が行われた。
美しい衣を身にまとった四神は、大陸の、よりいっそうの繁栄を誓ったそうだ。
鱗を使った薬はあらゆる病を癒し、慰めたという。
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