コメント
1件
補足 乱歩さんは太宰さんの幻聴、幻覚が見えているだけです。 太宰さんが死んだ、という事実に乱歩さんのストレスが限界突破して太宰さんの幻聴、幻覚が見えるようになってます ついでにPTSDまで患っちゃってます
番外、江戸川乱歩。
「……」
「…乱歩さん、その…なんと言うか、」
「別にそういうの良い。……」
社内は海の水面の様に静まっている。
国木田でもタイピングの音が時々途切れては、また音が聞こえるのを繰り返しているようで、仕事が思うように進まないのだろう。
太宰は、今日も休みだ。
体調が優れないのだろうか_____
違う、僕が殺した。
僕が殺したんだ。
あの日、僕が、この手で。
なんで忘れているんだろう。
僕は忘れちゃ駄目なのにな。
太宰を殺す先日、「私を忘れないで」と太宰が言っていたんだ。
何で?なんで忘れた?
忘れてはいけないんだ。
太宰の事を、忘れてはいけないんだ。
目の前の視界が、ぐにゃり、と歪む。
あ、これやばいやつ。
「乱歩さん!」
「……どうしたの?皆」
どうやら、僕は倒れて居たらしい。
「心配しましたよ!乱歩さんも死んでしまうかと…」
「……“も”?…最近、誰か死んだっけ」
え、と社員全員の声が揃う。
「 あれ、皆どうしたの?集まって 」
「太宰、最近誰か死んだっけ」
「 事件も無かったから、誰も死んでない筈ですよ? 」
「だよね。」
「…乱歩さん?」
「何?」
「“誰に話しかけているんですか?”」
え、なんで?
「だって、そこにいるじゃん、太宰が」
「、乱歩さん、太宰は先日死んでしまったのでは……」
「は?そんな訳ないじゃん。太宰は死なないよ」
太宰治は生きている。