注意書き
・無一郎が血気術により3歳になってしまいました
・有一郎がとにかく無一郎を可愛がるお話
・ゆうむい
・有一郎は無一郎専用の隠設定
「はぁっ!?無一郎が3歳になった!?
どういうことですか、胡蝶さん、」
「言った通りです。今回、無一郎くんが
倒した鬼が少し特殊な鬼だったらしく、
その鬼の血気術に当たってしまったんです。
そのせいで無一郎くんは3歳に
なってしまったのですが……。
それ以外の傷はありませんのでご安心を。 」
「い、いつ……弟は治るんですか」
「そうですね……。私が検査した限り、
3日後には治るかと。さすがに3歳児
になってくると任務にも行かせられないので、しばらく有一郎くんが責任もって
無一郎くんをお世話して欲しいのです。
この子、記憶もないらしいので。」
「そう、ですか………。わかりました。
俺が責任もってこいつをお世話します。」
「ふふ、心強いですね。それでは、
3日間頼みましたよ。何か困る事が
あれば、蝶屋敷にいらしてくださいね。
有一郎君もまだ14歳ですし、
できないこともあるかもしれないので。」
「……はい!ありがとうございます。」
「では。私はこれで」
そういうと胡蝶さんはお辞儀をして
帰って行った。
無一郎が怪我をせず帰ってきてくれたのは
嬉しいが………まさか、無一郎が
3歳児になるなんて。
…………それにしても、
「あ、あぅ~、あぷ」
「っぐ…………!!」
可愛すぎるだろ俺の弟~~!?!?!?
どういう事だよ!!俺の弟が…!!!
いつもの無一郎ももちろん可愛いが、
3歳児は流石に可愛すぎるぞ……。
いや、落ち着くんだ。俺。
俺はこいつの兄だ。そう。落ち着け……。
俺がこいつを世話するんだ!!
「む、無一郎………」
「ぅー、にいしゃ、だっこぉ……」
待て待て待て待てやめてくれ…!!
上目遣い+涙目でせがむのは
ずるいだろ!!!するけれども!!!!
「わかったわかった………。
お前は本当に可愛いやつだな。」
「にいしゃ、ふふ、あったか…い」
無一郎は俺にだっこされると、
無一郎の全力の力で俺をだきしめてきた。
でもやっぱり3歳児だから弱い。
可愛いな。ほんと。
そしてしばらく俺が背中をぽんぽんと
叩いてやると、眠たくなってきたのか
無一郎はすやすやと寝息を立てながら
寝てしまった。
俺は起こさないように無一郎を布団の上に
寝かしつけた後、 夜ご飯の支度を
することにした。
*
「ふ、ふぇ…!あうぅ…にいしゃっ、
やだぁ……にいしゃどこぉ…」
しばらく晩飯の支度をしていると、
いきなり無一郎の声が聞こえた。
「なっ……無一郎!?」
俺は無一郎の声を聞き付け、すぐさま
無一郎の元へ駆けつけた。
「にいしゃ~、!なんれ、ぼくのそばから、
ないないするの…ぉ!」
「ごっ、ごめんな…ご飯作ってたから、」
「にいしゃ、ぼくひとり、やだ…!
にいしゃと、いっしょ、いる…!」
「っ……そうだよな、ごめんな」
俺は泣きじゃくっている無一郎の頭を
優しく撫でた。
もちろん、申し訳なさの方が気持ちは
でかい。が、やっぱり無一郎が
可愛すぎる。
3歳ということもあって、言葉が
ちゃんと言えてないところも可愛いし、
声がまだ幼いのも可愛い。
それに、まだ小さいから髪の毛が
肩までしかないのがとてつもなく可愛い。
俺……我慢の限界かも。
こいつのこと吸っていいよな??
猫吸いみたいに、無一郎吸いしていいよな??
俺はそっと無一郎を抱きしめ、
無一郎の匂いを嗅ぎまくった。
「やっ…にいしゃ、くすぐった、」
「……………はぁ、」
無一郎の匂い…たまらない……
こんな匂いだったのか……
癖になりそうだ。ほんっっとうに
俺の弟可愛い………。
もうこいつ、一生3歳児でいいんじゃないか?
鬼と戦わなくて済むし、可愛いし。
親の気持ちが何となくわかる気がする…。
*
2日目。
俺は無一郎を連れて街に出かける
事にした。
「無一郎、なんか食べたいものあるか?」
「んー、わかんないー!」
「…うーん、そりゃそうか。
………あ、ここはどうだ。ほら、
パンケーキっていう店、最近人気らしいぞ」
「ぱんけぇき…??」
「…………ああ、でもなかなか食べれない
貴重な物だ。でも、今日は特別だ。
一緒に食べるか」
「たべりゅ……!!」
………そう。本当はこのパンケーキという
食べ物は、ものすごく高い。
でも、無一郎が柱をやってくれている
おかけで、こんな高い食べ物を
いくらでも食べることができる。
でも、無駄遣いはしたくないので、
半分は将来の無一郎のために俺が
貯金している。
でもまぁ……たまにはこういう贅沢も
いいよな。こいつ3歳だし。
「いらっしゃいませ。何にしますか?」
「大きいパンケーキひとつ下さい。」
「はい、かしこまりました。」
こいつは3歳児だからひとつのパンケーキ
すら食べれないだろう。だから、
半分こして食べ合うことにした。
*
「お待たせいたしました。こちら、
当店自慢のパンケーキでございます。
こちらの蜂蜜をかけてお召し上がりください」
「ありがとうございます。………ほら、
見ろ。無一郎。これがパンケーキだぞ」
「おいしそうだねぇ…!はやく、
もぐもぐしたい、」
「わかったわかった。ほら、俺が
切ってやるから少し待ってろ」
俺は無一郎が食べれる大きさに
パンケーキをカットし、無一郎に
食べさせた。
「んー!!!おいしぃ…!
あまいねぇ……。」
「そうかそうか。いっぱい食べて
大きくなれよ。」
やっぱり俺の弟は食べる姿も
可愛らしい……口いっぱいに
頬張って食べて美味しそうに
もぐもぐしてる姿可愛すぎるだろ。
俺は2人でパンケーキをゆっくり
味わいながら食べた。
*
最終日の三日目。
3歳の無一郎と過ごす日々はあっという間
だった。なんだか寂しいな。
最後なんだし、今日は無一郎と
まったり過ごすって決めた。
「にいしゃ、なでなで、して!!」
「はいはい。」
「んへぇ、にいしゃのおてて、
おっきぃねぇ!!」
「そうだな。でもお前、大きくなったら
俺よりももっと大きくなるぞ」
「そうなのー!?」
「……あぁ、」
「にいしゃより、おてて、おっきぃ
なって、ぼくが、にいしゃまもる!!」
「………!!」
びっくりした。まさか3歳のお前から
守るというワードが出るとは…。
でも俺は、ずっとお前に守られてばっか
だから、もういいんだ。
「………守らなくて、いい」
「どうしてー?ぼく、おてて、にいしゃ
より、おっきぃなるんでしょ?
にいしゃまもって、しあわせにするのー!」
「………俺はな、無一郎。 お前が元気で、
幸せで、毎日 生きててくれれば俺は
幸せなんだぞ。」
「じゃあっ、にいしゃ、しあわせなの?」
「………そうだな」
「へへ、そうなんだぁ、ぼくも、
にいしゃといっしょ、しあわせ!!」
俺は無一郎の頭を優しく撫で、
抱き寄せた。
きっとこの血気術が解ければ、
また無一郎は任務に行くのだろう。
あぁ、嫌だなぁ。毎日毎日、
お前が任務に行く時、俺は胸が
締め付けられるんだ。
お前は柱だから、そんなことはないって
分かってる。
でも、”万が一”の事があったら、
俺はもう、耐えれない。
だから、今だけは。今だけはこうして、
2人でまったりした時間を過ごしたい。
俺は隠だからお前と一緒に戦うことは
できないけれど、俺のできることは
なんだってしてやりたい。
本当は、柱なんかやめて欲しい。
でも、みんなお前を求めてる。
だから、俺には止める資格がない。
だからせめて、お願いだからずっと
生きててくれ。それが俺の幸せだから。
「………なぁ、無一郎」
「なあに?」
「また、パンケーキ食べに行こうな。
約束だぞ」
「やくそく…!うんっ!にいしゃと、
またおいしいものたべる!」
「…………そうだな。」
*
次の日の朝
「……っあれ、僕何してたんだっけ、」
「起きたか。おはよう。」
「おはよう…、ねぇ、僕鬼を倒してから
記憶が無いんだけど、いつまで
寝込んでたの?」
「お前、血気術に当たって3日間3歳児に
なってたんだぞ。」
「………えっ!?!?うそっ」
「嘘じゃない。小さい時のお前、
可愛かったなぁ………。」
「なっ、なにそれ!今の僕が
可愛くないみたいじゃん!!」
「いや…今のお前も可愛いぞ。
でも、3歳の方が可愛かったな。」
「酷いや兄さん!!そうやって
僕をいじめて!!」
「いじめてなんかない。
3歳の頃のお前は可愛いしか無かったが、
今のお前は可愛いより色気が増したな
って事だよ。」
「………はぁっ!?兄さんの変態! 」
「悪かったな」
「………3歳の僕と今の僕、どっちが
好きなの?」
「 柱なんてやってなかった、3歳の純粋な
お前が好きだったな。見た目の話じゃ
無くて。………俺は、柱なんかやらずに
幸せになって欲しかったから」
「…………ごめん」
「なんで謝るんだよ、別に怒ってなんかない」
「…僕、柱やってるけど幸せだよ。
だって、柱になったおかげで沢山の
仲間たちに出会えたし、仲間のお陰で
記憶を取り戻すことだって出来たんだ。
……痣が出てしまったから長くは
生きられないけれど。
それでも……。柱で良かったって、
思えるよ。いつ死んでもおかしくない
けどね。」
「そんな事言うなよ………」
「あのね、1つお願いがあるの。」
「………なんだ」
「もし僕が死んだら、兄さんも一緒に
死んでくれる?僕一人じゃ耐えれないよ」
「……全く、14歳になってもお前は
変わらないな。
………いいけど、それは最悪の場合な。
死ぬ前提で話すな。絶対生きろよ」
「………うん、わかってるよ。僕も
兄さんを置いて逝けないし」
「言ったな。約束だからな」
「ふふ、約束、ね」
その後、俺は無一郎が3歳になった時の
話をしてあげた。 (無一郎が恥ずかしそうに聞いていたのが 可愛かった。)
END
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1件
3歳のむいくんかわええ······