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繋ぎ止める声「……ねぇ、嘘でしょ?」
スマホを握りしめた18号の顔から、一気に血の気が引いた。冗談で言うような奴じゃないことは、付き合いの長さが教えてくれる。即座に電話をかけるが、しろせんせーの応答はない。
りぃちょ「ニキ、しろの家、一番近いの誰だ!?」
ニキ「俺が行く。りぃちょ、お前は18号と連絡回せ! キャスは中止だ、全員集まるぞ!」
ニキの鋭い指示が飛ぶ。おなごけんの賑やかなノリは、この瞬間、仲間を救うための「結束」へと変わった。
扉の向こう側
数十分後、しろせんせーのマンションの前に、息を切らしたメンバーたちが集結した。
まちこ「しろせんせー! 開けて! しろせんせー!!」
まちこりーたがドアを叩き、りぃちょが必死にインターホンを押し続ける。
返事はない。しかし、微かに中から物音が聞こえた。
キャメ「鍵、かかってねぇぞ!」
キャメロンがノブを回すと、鍵は開いていた。招き入れたのか、それとも鍵をかける気力さえ失っていたのか。
部屋の中は、静まり返っていた。
ただ一つ、デスクの上のモニターだけが青白く光り、無数の心無い言葉が並ぶ掲示板を映し出している。
その光の届かない部屋の隅で、しろせんせーは膝を抱えて震えていた。
しろ「……来ないで。見ないでよ……」
掠れた声。いつも笑顔でツッコミでくれる面影は、どこにもなかった。
独りにさせない
ニキ「バカ野郎」
一番に駆け寄ったニキが、彼の肩を強く掴んだ。
「何がだ?一人で抱え込んで、こんなになるまで黙ってて……。お前、俺たちを誰だと思ってんだよ」
しろ「だって、俺がが何を言っても、みんな……叩くから……。俺がいない方が、おなごけんは……」
18「そんなないでしょ!!」
18号が叫んだ。
「ネットの顔も知らねぇ奴らの言葉と、毎日一緒に笑ってる俺たちの言葉、どっちが本物か分かんねぇのかよ!」
りぃちょが、モニターの電源を乱暴に切った。青白い光が消え、暗闇の中にメンバーたちの確かな気配だけが残る。
りぃちょ「しろせんせー、お前は良い奴だよ。でも、一人で完璧でいなきゃいけないわけじゃない」
まちこりーたが、静かに隣に座った。
「俺たちがいる。叩く奴が1万人いても、俺らがお前を肯定してやる。だから、もうそのスマホは見なくていい」
雨上がりの予感
しろせんせーの目から、堰を切ったように涙が溢れ出した。
喉の奥で押し殺していた嗚咽が、部屋に響く。
メンバーたちは、彼が泣き止むまで、ただ静かにそばにいた。誰一人として、「頑張れ」とは言わなかった。
「……ありが、とう」
数時間が経ち、ようやくしろせんせーが口を開いた。
「よし、肉食いに行くぞ! お前の奢りな、天才!」
「なんでだよ! 救出された側だろうが!?」
いつもの、ほんの少しだけトゲのある、けれど温かいやり取り。
外の雨は、いつの間にか止んでいた。
まだ心の傷が消えたわけではない。明日になれば、また怖い言葉が並ぶかもしれない。
けれど、次にその波に飲まれそうになったとき、引き止めてくれる手がここにはある。
「……ありがと。みんな」
仮面の下の、本当の笑顔が、少しだけ戻った夜だった。
#ご本人様には関係ありません