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エピソード4:改札前
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目黒(やっぱ駅は人多いな…)
俺は『ダンベル』という
お隣さんのふっかさんと
岩本君、ラウが働くカフェで
お昼をすませてきたところだ。
『ダンベル』には翔太たちも
通ってて、世間って狭いのかな?
って思っちゃった
目黒(今日はもう夜ご飯いいかな。)
あまりにも親子丼が美味しくて
いっぱい食べさせてもらったから
お腹がいっぱいだった。
満足感で浮かれつつも
歩いて改札前を通りかける。
?)__丁度、いただきます。
モブおじ)じゃあまた会おうね。
亮平くん。
目黒)、?
聞き覚えのある声と名前。
盗み聞きは申し訳ないけど
話しる人たちの方向を
ぱっと見てしまった。
目黒)え?
まさにそこに立っていたのは
阿部亮平だった。
いや、これこそ世間狭くない?
、、まて。
めっちゃ作り笑顔じゃん、、
阿部)じゃあ、、失礼しますね。
モブおじ)気をつけてね♡
いや、、親戚、、?
いや作り笑顔すぎたよね?
てかその前にあのおじさんから
ぱんっぱんの封筒渡されてたけどさ、
絶対お金じゃん!
いや、いやいやダメダメ俺。
阿部亮平のことはなんも知らないし
パニックになっちゃだめだ。
俺は5万円を返すだけ。
今こそ阿部亮平に渡さないと。
急いでカバンを開ける。
財布や携帯をどけても
あの封筒は見当たらない。
目黒)……あっ!!!
そうだ、、5万円は家だ、
お店へ行く前に
玄関の所に
隠して置いてきたんだった…
このときはもう阿部亮平は
改札を通り抜けて、
どこかに行ってしまった。
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目黒)ただいま……
居たのに渡せなかったという
ちょっとの絶望感が
えげつなくて、また今日も
誰もいない家に向かって独り言を
呟く。
そろそろ渡したいのに
なかなかタイミングが合わない。
というか、阿部亮平が
頭にありすぎて、最近てんぱりすぎ
てる気しかしない。
今まで順調に行く予定だったのに。
阿部亮平と全く喋ったこともなく、
違う学年で先輩なのに。
阿部亮平のことなんて
忘れちゃってしまえばいいのに。
馴れてない東京という都会への不安と
最近上京したばっかりで
独りでのストレスで
今はなんでもネガティブになってしまう。
目黒(本当はこの時間が
無駄なんだけどな…。)
本当にこの通りだった。
そしてこれからは、
これ以上に阿部亮平と
深い関係になるとは
今の俺だったら
思わず腰が抜けるだろう。
今は自分自身でいっぱいいっぱい
だったのに。
想像以上に、阿部亮平の辛さを
まだ俺は分かっていなかった。
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