「“憧れ”の恋じゃない…?」
美穂(みほ)の「好き」が、俺のほしい「好き」なのかもしれない―――。
そんなふうに思うと、 眩暈(めまい)がしそうなほど胸が甘く、苦しくなった。
ただ、思い過ごしじゃない気がしても、信じ切れるほどの確信はない。
だから、ちゃんと確かめたかった。
美穂の心を感じ取ろうと、瞳の奥をじっと見つめた時、目の前から着信音が鳴り響いた。
慌ててスマホを取り出した美穂は、画面を見て困ったように眉をさげた。
様子から察するに、今日会うだれかからの電話だろう。
「……ごめん。もう行かなきゃだよね、楽しんでおいで」
美穂に用事があると知っていたのに、離れがたくて、引きとめるような形になってしまった。
「あかねさんのことは、きっと大丈夫だよ」
優しく微笑み、俺がいたら行きづらいだろうと、先に背を向けた。
だけど……すこし歩いたところでため息がこぼれる。 **************
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