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「それではハヤセルさん。私はこれで」「あなたは一緒に来ないのですか?」「私は裏に荷物を預けてから来ます故、先に行ってください」「わかりました。この借りはいつか必ずお返しいたします。ところであなたのお名前と所属組合をお伺いしても宜しいでしょうか?」「カイス商会のサフィン・ロエルです。借りは必要な時に声をかけますよ。それでは!」と言い残しロエルは館の裏に向かった。俺はその後門番に書類を見せ侯爵と面会をした「お初にお目にかかりますロメッカ侯爵」「よく来てくれましたな、旅の商人ハヤセル・ゼルディア殿。今日は金貨2億枚分の武具の支援と聞いていたが真か?」「作用でございます。本日私がお渡しいたしたいのはノルディア製の武具でございます。」そういうと使いの者がドアを開け武具を1つ侯爵に見せた「いかがでしょうか?」「ん〜…質は悪くなさそうだ。金貨2億枚分となると個数にして何セットほどあるのだ?」「セットにしておよそ200万セットでございます」「わかった。ではこのまま引き取ろう。君はもう帰ってよろしい。」「かしこまりましたでしたらこちらの契約書にサインを」「これは?」「私が侯爵に武具をお譲りしたことと原価との差額を侯爵が負担するという契約書です」「差額とは?」「あちらも他国との取引ゆえ原価だけ払って値上がりした時の差額を返してもらえないとなってしまったら構いません。それ故の保険でしょう。しかしノルディアは安定期に入りました故そのようなご心配は無用かと」「わかった」そう言うと侯爵は契約書にサインをし俺を部屋から追い出した。側近に荷物の停める場所を教えられ俺はノルディアの人が運んでくることを伝え館を後にした。さすがは要塞地区グレイスヴァルドだ。警備が厳重極まりない。地区から出るだけで2重3重の警備や身体検査などをされやっとのことで外に出ることができた。入る時はあんなにスムーズに入れたのに、とふと思ったがすぐに気がついた。ロエルと入ったときには身体検査なんてしていないしロエルもしていなかった。不思議に思いながらも宿に戻るとリーニとシュリメルは2人でババ抜きをしていた「こっちかな?それともこっちかな?」「勝ったら本当にアップルパイくれるんだよね?」「勿論さ☆」「ん〜…」見るとリーニの手札は2枚対するシュリメルはラスト1枚というよく見る光景になっていた。俺はリーニの手札を見てババでは無い方を凝視した。シュリメルは俺の性格をよく知っている。俺は基本正直に答えると思っている。つまりシュリメルは自分の味方をしていると思い込み俺が見ていない方のカードを取る確率が高くなるということだ。2人の争いをリーニの笑顔のために第三者の俺が干渉する。シュリメルには悪いが食べ物の恨みは怖いからな。