コメント
0件
👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!
𝚂 𝙰 𝚁 𝙸です!
今日はRai様のコンテストに参加します!
「セリフ」 (効果音、行動)
それ以外心情 太い字 強調
注意
Irxs様のnmmn作品です。
青白 BL 地雷注意
『鈴の音に涙を添えて』
昔から人の涙の音が聴こえた
頭には至る所から聴こえる涙の音が響く
普通に雫が落ちて弾かれる音
小石が地面に叩きつくコツっとした音
金属がぶつかり合うガシャンとした音
人によって様々だ
人のために流した涙ほど美しく綺麗な音
自分勝手で人を傷つける涙ほど硬くごちゃごちゃした音がする
でも…
人の涙なんてほとんどが自己中だ
美しく綺麗な涙を流す人に出会った事がない
だから涙を流すなんて行為嫌いだ
弱さの象徴。人前でなんて恥ずすぎる
ずっとそう思ってたはずなのに…
白「…うるさい」
6月梅雨真っ只中のこの季節は特に五月蝿い
雨の音と人の涙の音で頭ががんがんする
好きだった雨がこの力(力というか呪縛)のせいで台無しだ
水「なにー?やっぱり雨の音凄いねぇ。綺麗な音だけど流石にここまでだとうるさいかも」
白「…そうやね」
1番ともいえる友人でさえも俺のこの力の事は知らない。
水「初兎ちゃん元気なくない?いつもならこんな雨に負けないくらいなのに体調悪い?」
白「そうかも…保健室行ってくるわ」
水「うん!お大事に〜」
嘘だよ…体調なんて悪くない
ガッシャンッぽつッぴしゃ…コンコツッ
白「ん”…あ”ぁ、頭いた”い泣きやんでよ”」
頭の中で色んな音が混ざり合う
綺麗な音などなく気味が悪い
白「誰か…解放してよ..ぉ゙」
こんな力もそれを持つ僕も嫌いだ…
シャララララン…
白「っ….?綺麗な音」
誰かが鈴を鳴らしたのだろうか
でも何故こんな授業中に…?
遠くまで聴こえるような大きい音じゃないから多分すぐ近くのはず
シャンシャン…シャララン
白「!こっちから音がする」
そういって僕は勢いよく保健室の窓を開けた
窓から見下ろした先には見覚えのある青い髪
白「…先輩」
いつもクールで周りから頼られる優等生
泣いているイメージなんてひとつもない
青「….っ?あ、え”っと」
先輩が鈴を鳴らしている訳じゃない…?
青 (ぽろぽろっ…)
シャララン….さらぁ……っ
白「涙の音…..ボソ」
青(ごしごしっ)
青「どうしたん?」
白「先輩こそですよ。なんでこんな所で泣いてるんですか。話、聴きますよ。」
青「…wありがとな」
青「でも大したことちゃうから!じゃあな」
白「え…!あ、先輩っ…!!」
白「行ってもうたぁ…にしても綺麗な音」
これまで聴いたどの音よりも美しく綺麗
きっと誰かを想った涙なんだろうな
そうじゃなきゃあんな音にはならないから
普通の人の涙なら音ですぐ分かる
でも先輩の涙はその姿を見るまで涙の音だと分からなかった
まるで…
白「涙がおまけみたい」
涙の音が鈴の音なんじゃなくて
鈴の音に涙が添えられている…みたいな
上手くは言えないけど先輩は心の綺麗な人だということ、ただそれだけ
この出来事のおかげかいつまでも鳴り止まない数多の涙の音が、鬱陶しかったはずのこの音が少し…ほんの少しだけ和らいだ気がした
──────────────────
先輩は泣き虫だ
はじめて先輩の涙の音を聴いたときから何回もその音を聴いている
何回理由を訊いても
青「あぁ…何でもないで、?」
なんてはぐらかされて逃げられる
まぁ、涙の理由なんて人に教えたくないとは思うけど…あんな高頻度で泣いてたら心配になるやんか、
干渉しすぎると嫌われるから最近は控えているけど本当は心配で仕方がない
なんて、最近の僕はおかしい
これまで人の涙を心配したことなんてなかった。僕にとっての涙は罪な存在だ
なのに先輩の事は気になってしまうのだ
やっぱりおかしくなってしまったみたい
先輩のせいだな…
──────────────────
梅雨も終わり夏が明け秋に移り変わる頃
白「そういや、最近先輩見かけないな」
先輩、先輩…って最近先輩の事ばかりだ
水「先輩ってだーれ?もしかして…気になってる人とか!?まさかn」
白「べ、別に気になってはいないけど…気になってはないんだけど…//先輩の事ばっか考えるというか、/」
水「それはもう好きじゃん、、」
白「そうじゃないってぇ、!」
水「いいや、絶対好きだね。素直になりな」
なんて会話を親友としていた時
シャラランシャラン•*¨*•.¸¸♬︎
白(ガタッ)
水「うぉ!?びっくりしたぁどうしたの?」
先輩の涙の音が聞こえたなんていえないから
白「ごめん!先生に呼ばれてるの忘れとったわ!行ってくる!」
水「そう?ならいいけど」
なんて嘘をつく
白「先輩…どこですか?」
いつも先輩を見かける場所
前までは僕の特等席だったあそこ
涙の音を聞きたくないからできるだけ人を避けていたあの時、ずっといた場所
白「保健室裏、かな」
──────────────────
そう息漏らした場所に行ったらやはり
シャラランシャンシャン
白「先輩、」
青「…w君はいつでもおるなぁ」
白「君じゃなくて初兎です」
青「ん、じゃあ初兎な」
白「教えてください。なんで先輩は今日も泣いてるんですか?」
青「毎回それ聞いてくるよなぁ。しゃあないな今日だけやで?」
いつもと違う答え
少しびっくりした
青「好きな人に振られてん…w」
白「へ..,」
青「その人がさ他に好きな人がおるから付き合えへんって、でもなそれなら幸せになってほしいなぁって思うねん」
白「そう、ですか」
青「なのに涙が止まらんのは何でなんかな」
先輩に好きな人がいた。
今の反応だと多分まだ____
ずっと閉じ込めていた感情が溢れ出そうだ
本当は僕も先輩が好き
青「聴いてくれてありがとな、もう大丈夫やから」
白「は、はい。じゃあまた.,.」
先輩がそういい去った後思わず涙が零れてきた
ガシャンガシャンッギン
白「うるさっ…w僕の涙ってめっちゃ醜いやん」
でも今はそれでいい。
何故かそう思えたんだ──────
𝑭𝒊𝒏.