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ゆんしょ
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#いわふか
ゆんしょ
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離れに大介を連れて帰りそっと横たえる
綺麗な顔は殴られたせいで左頬が腫れ口の端が
切れている
蓮 原、医者を連れてきてくれ
俺達は少し刃物が刺さったくらいどうって事無いが大介は違う
大介 ん…蓮…ここは?
蓮 起きた?俺が借りてる家だ
大介 そうなんだ
蓮 今医者を呼んでいる
大介 医者?そんなん勿体ない
蓮 刃物の傷跡だ、診てもらえ
医者に手当てをしてもらい安静にしていれば良いと言われ安心した
原 蓮さんお湯と着替えお持ちしました
桶に入った湯と手ぬぐい
蓮 大介、体拭こうか
大介 うん…
帯を解き浴衣を脱いで肌を露わにする
日に当たっていなかった白い肌に残る痣
蓮 辛かったな…
そっと背中を拭いてやる
前を拭こうとすると
大介 後は自分でやるよ
俺から手ぬぐいを受取拭いてゆく
足を拭いていた大介の顔が歪む
大介 少し向こうむいてて
言う通りに反対を向く、するとちいさな声で
ちきしょうっちきしょうっと
男に充てがわれた場所を何度も拭いている
蓮 そんなにしたら傷になる
大介の手を掴み止める
大介 だって…汚い…俺…
静かに頬を伝う涙
大介の顔に手をやり指で拭う
蓮 そんな事無い、大介は昔も今も綺麗だ
持ってこさせた新しい浴衣を着せ、布団に寝かせる
蓮 今日はゆっくり寝て、邪魔する人はもういないから
大介 うん… 寝るまで手繋いでくれる?
蓮 ああ、おやすみ大介
俺の手をぎゅっと握り眠りにつく
手を話そうとすると小さな声で
いや…
と呟く
俺は大介の隣に横になってその顔を眺めていた
ときおり苦しそうにうなされる
大丈夫だよと頭を撫でてやると少し微笑んだ気がした
朝日の眩しさに目をあける
隣にいたはずの大介がいない
焦って周りを見回すと少し開いた障子の隙間から庭へと続く縁側に人の足が見える
障子を開けると朝日を浴びて眠っている
蓮 こんなとこで寝てたら暑いだろ
大介 だって朝日をいっぱい浴びたかったんだ
嬉しそうな顔で笑う
長い間夜の街で過ごしていた大介にはこんな些細な事が喜びになる
よく見ると浴衣がはだけている
蓮 そこまで這って行ったのか?
大介 だって歩けないから…
蓮 次は俺に言ってくれ、何処でも連れて行ってやる
暫くすると原が食事を持ってくる
なんて事の無い朝飯
大介 朝からこんなの食べていいの?
蓮 これからはこれが普通だ、大介は痩せてるからちゃんと食べろ
目を輝かせご飯を口いっぱいにして食べる
それが小動物のようで吹き出して締まった
大介 なんで笑うんだよっ
蓮 だって、そんな口いっぱいにして プッ
大介 はぁ〜食ったぁ〜
畳に大の字になって寝転ぶ
大介 なぁ蓮、連れ出してくれたのは有り難いんだけど、俺何したらいいんだ?
蓮 何も…今は傷を早く直す事だけだ
大介 でも、タダ飯食うわけには行かないし
蓮 なら俺が仕事から帰って来た時、笑顔で迎えてくれ
大介 それだけ?
蓮 それだけだ、でも俺にとって必要なんだ
大介 蓮の仕事って危ない事なんだよね…
昨日親父が見つかったから逃げるって…
それにあんな事…
蓮 本当は大介に知られたく無かった…
俺の家は目黒組ってヤクザもんだよ
跡目を継ぎたく無いって言ったら修行って名目で
ここに出された
大介 出されたって言っても跡取りには変わりはないんじゃ
蓮 跡目は弟に継がせる
大介 どうしてもそんなに嫌だったの?
蓮 跡目を継ぐには嫁を取らなきゃいけねえ
そんなもん俺は要らなかった
大介 なんで?普通は嫁さんもらうでしょ
蓮 俺は嫁にしたい人は昔から一人だけだ
大介よりデカくなったら考えてくれるんだろ?
幼い頃、怪我をしたせいで結局手の届く細い枝に付いた桜しか渡せなかった
大介に桜を渡し
俺の嫁になって
そうお願いした
大介は困った顔をして
お前が俺よりデカくなったら考えてやるよ
約束だよ、絶対大介よりデカくていい男になる
大介 覚えてたのかよ
蓮 俺が好きなのは大介だけだ…ずっと
大介 お前…デカくていい男になり過ぎだよ
ぶっきらぼうに言ってそっぽを向く大介の耳は
少し赤くなっていた
コメント
1件
うわあ、このエピソード、胸がギュッと締め付けられるようでした……。大介くんが「自分は汚い」って泣きながら体を何度も拭く場面は、想像するだけで辛くて。でも、そんな彼を蓮さんが「綺麗だ」と包み込む優しさがもう、堪らないですね。小さい頃の「桜の結婚約束」の伏線がここで回収されるとは思わなかったので、驚きとともに「そう来たか!」と声が出ました。大介の耳が赤くなる描写、最高です。