「はあ〜、疲れた。」
ミセスLOCKS!の収録をまとめてやり終えて、僕は話し疲れていつもより少ししゃがれた声で、また独り言を零した。控え室に戻って、スマホを確認し、飲み物などの荷物をカバンに入れる。元貴と若井に「ちゃんとカバンを持って来い。」と怒られてから、一応の形で持って来てはいるが、中身はスカスカだ。
まだ、僕の他には誰も控え室に戻ってきていない。あれ、そんなに元貴達と距離空いてたかな? と不思議に思っていると、ドアノブが下がって、誰かが来る気配がした。
扉が開くと、そこには若井の姿が。
「あ、若井、お疲れ。なんか遅かったね。」
若井は何も言わずに、扉を閉めて、内鍵をした。あれ、誰も着替えは無いはずだけど…というか、元貴は?
「どうしたの? 元貴は?」
ドアに向けていた身体をゆらりとこちらへ向け、若井が僕を見ている。と、思う。なんだか前髪が彼の目元を覆い隠していて、その表情が上手く読めない。
「…若井?」
いつもと纏う空気が違う気がして、僕は少し不安な声で呼びかける。不意に、若井がバッ! と両手を上に広げて、大声で叫んだ。
「『ベンのミッドナイト・モーニング』!!」
ズキュゥゥゥン!
その途端、彼の後ろに、黒い大きなサングラスをかけ、白シャツに黒レザーベストを着て、金のジャラジャラとしたネックレスと黒い大きなヘッドホンを首に掛けた『DJ若井』が眩い光と共に現れた。僕らよりも遥かに大きなその影に、驚きを隠せない。
「な…若井…そ、それ…スタン」
「『今日のゲストは…お前だ』」
若井と、後ろのDJ若井…いや、ベンが同時に発声し、僕をゆっくりと指差す。
「『 藤 澤 涼 架 !! 』」
「う、うわぁぁぁぁあ!!!」
再び、眩い光が僕を襲い、たまらず目を瞑った僕は叫び声を上げ、腕で顔を覆った。
藤澤「う…。あ…?!」
(藤澤先生、辺りを見渡す)
藤澤「な、ここは…?」
ベン「…ヘイヘイヘイ‼︎」
藤澤「?!」
(『ベンのミッドナイト・モーニング』ジングルが流れる)
ベン「さあ、始まりました!『ベンのミッドナイト・モーニング』!」
藤澤「…若井? これは…、ラジオ…ブース?」
ベン「…勝手に喋らないでくださいよお〜?ゲストは、俺に訊かれたことだけ答えるんで〜〜〜す!」
藤澤「ん…!!」
(藤澤先生、話せなくなる)
ベン「さあ〜藤澤先生、いや、涼ちゃん! まずは、ベンとヤる? 若井とヤる? どっちなんだい?!」
藤澤「…あっ! しゃ、しゃべれる…! ま、待って、これどういう」
ベン「訊かれたことだけ答えるんだ!」
藤澤「…!! ぅ…ぁ…わ、若井…!!」
ベン「な〜るほど〜、若井さんと、ってことですね〜? それでは! 若井さんカモン!」
(異空間ラジオブースに、若井先生がいきなり現れる)
藤澤「…!!」
若井「涼ちゃん…ごめん、俺…。」
ベン「さあさあさあ! 続いての質問は、これだあ! 涼ちゃん! ベッドに行く? それとも、このままここでする? どっちなんだい?!」
藤澤「…はあ!? ここ?! そもそもここってどこなんだよ!」
ベン「こ〜こ〜? ここって言いましたねえ? それではここで、ドン!ドン!ヤッちゃいまSHOW〜〜〜! 」
藤澤「え、あ、ちょ!」
(若井先生が、藤澤先生をラジオブースのテーブルに押し倒す)
藤澤「わ、若井…?!」
若井「涼ちゃん、好きだ。ずっと好きだった。」
藤澤「え…。」
若井「だから、俺だけのモノになって…。」
藤澤「………!! 」
(若井先生、藤澤先生にディープキスをする)
藤澤「ん…! は…っ、わ、…かぃ…!」
ベン「盛り上がってまいりましたあ! さあドン!ドン!イキましょう! 涼ちゃん! フェラする? フェラされる? どっちなんだい!?」
藤澤「…い、いい加減に…!」
若井・ベン「『お前こそいい加減に
聞かれたことだけ答えろ。』」
藤澤「…!! …さ…いや…す、する!」
(藤澤先生、不思議な力によって身体を起こされ、テーブルに立ち上がった若井先生の聳り立つモノに顔が近づく)
藤澤「…っ若井、若井…! なんとかここから抜け出」
若井「涼ちゃん、舐めて。」
藤澤「んむ…っ!」
(藤澤先生、勝手に頭を押さえつけられたように、若井先生の熱を口に含む)
藤澤「ん〜〜〜! っ…ん…!」
(激しく前後する藤澤先生の頭。テーブル上部のマイクが拾った卑猥な音が、藤澤先生のヘッドホンに大きく響く)
ベン「おお〜、すばらしい! 涼ちゃんも、満更ではなさそうだあ!」
藤澤「ん〜〜!!」
若井「涼ちゃん、最高…可愛すぎ…。」
(若井先生、恍惚とした表情で藤澤先生を見下ろしている。薄紫の髪を撫でて、腰を動かす)
藤澤「ん…!ん〜…!!」
(藤澤先生の小さなおクチでは受け止めきれない唾液が、たらりと唇から零れ落ちていく)
ベン「ではではあ、涼ちゃん! いよいよ本番だあ! 正常位でする? バックでする? 背面騎乗位でする? 騎乗位でする? 寝側位でする? 側位でする? 立ちバックでする? 寝バックでする? 松葉崩しでする?」
藤澤「まっへまっへまっへ…!」
若井「あ、涼ちゃんそれ気持ちいい…。そこで喋んないで…。」
藤澤「むうひゃい! ひゃえめあいんまあら! ひょーはらいへひょ!」
(藤澤先生、口に咥えたままなので上手く喋れない)
ベン「ん〜、これじゃあ選べないですねえ〜。じゃ、あ〜、若井さん、代わりに選んじゃいましょ〜う!」
藤澤「!!??」
(涙目で、若井先生を見上げる藤澤先生)
若井「…立ちバック…と、正常位で。」
ベン「ん〜〜〜!! おいおい、どっちなんだい??!!」
若井「どっちも、だよ。」
ベン「…ヘイヘイヘイ‼︎ シュンシュンシュン‼︎ フュンフュンフュン‼︎ 欲張りな若井さんも、嫌いじゃないぜえ〜〜!! それじゃあ涼ちゃん!」
(眉根を顰めて、ベンを見る藤澤先生)
ベン「…まずは〜立ちバックで、イッちゃいまSHOW!!」
藤澤「…!! わ、まっ………ああ!!」
(またもや瞬く間に体勢が変わり、更にいつの間にか一矢纏わぬ姿になっている藤澤先生が、テーブルに上体を預ける形で、若井先生に後ろを向けている)
藤澤「わ、若井…まさか、ホントにしないよね…?」
若井「………ここまできて、しないわけなくね?」
若井・ベン「『大丈夫、涼ちゃんは
気持ちいいだけだから。』」
藤澤「わかっ…ああ!!」
(勢いよく奥まで打ち付けられる若井先生の腰。しかし、ベンの能力によって潤いは充分に与えられ、またそこには快感だけが存在する)
藤澤「うそ…、うそうそうそ!!若井、待って!!」
若井「涼ちゃん、愛してるよ。」
(リズムよく繰り返し打ち付けられる腰。ガタガタと揺れるテーブルに必死にしがみ付く藤澤先生)
藤澤「あ…あ…な…んで…!」
(テーブル上部のマイクが、こぞって藤澤先生の嬌声を拾いに集まる。藤澤先生と若井先生のヘッドホンに、その甘い声が届けられる)
若井「涼ちゃん、最高…! めっちゃエロい…!」
藤澤「ん…あ…! さ、最低…!!」
ベン「最高〜! 最低で最高〜!! おいおいベン、どっちなんだい!!」
藤澤「うる、さい…! あ…、ま、まって、わかい、と…めてぇ…!!」
若井「…ん? もしかして、イキそう?」
藤澤「ち、ちが…! ああ…だめ、だめだめ…!!」
若井「いいよ、イッちゃお、涼ちゃん。」
ベン「そうそう! ドン!ドン!イッちゃいまSHOW〜!!」
藤澤「うるさい!! …あ、…ああ!!」
(藤澤先生、ガクガクと震えて、だらしなく垂れた中心から、ポタポタと白濁液が漏れ出ている)
若井「すご…涼ちゃん…めちゃくちゃエロいじゃん…。」
藤澤「…ち…ちがう…ちが…。」
(肩で息をして、力無く首を振る藤澤先生。その眼には涙が溜まっている)
ベン「さあ〜ではそろそろ! 正常位でフィニッシュとイッちゃいまSHOWかあ〜、若井さん!」
若井「…涼ちゃん、もうちょっと頑張って。」
藤澤「…ぅあ…っ!」
(力無く項垂れていた藤澤先生の身体が、大きく反転して、テーブル上で仰向けになった。若井先生が、その両脚を広げて持つ)
若井「涼ちゃん、愛してるよ。」
藤澤「あ…僕も…愛して…る…。」
(若井先生、にこりと微笑んで、藤澤先生に深いキスを落とす。藤澤先生も、首に腕を回して、舌を迎え入れる。若井先生の熱が、再び藤澤先生の中へ納められていく)
藤澤「あ……は……ぁ…わ、かい…。」
若井「涼ちゃん、涼ちゃん…!」
(夢中で腰を振る若井先生。マイクが拾う二人の荒い呼吸と、ぶつかり合う水音。耳からも淫靡な音声に侵されて、二人とも溶け合うように愛し合う)
若井「あ…ヤバい…イク…かも、…あ、…まだ、イキたくない…!」
ベン「おいおい若井さん、イクのかい? イかないのかい? どっちなんだい!?」
藤澤「あ…若井…も…だめ…イッて…!!」
ベン「おいおいベン、どっちなんだい!!??」
若井「うるせえ…! あ、イク……!!」
(藤澤先生の最奥に、己の欲を全て注ぎ込む若井先生。二人とも抱きしめ合ったまま、その身体をビクビクと震わせる)
藤澤「…若井…。」
(ジングルが鳴る)
ベン「さあ! ということでね! 早いもので涼ちゃん 、お時間が来てしまいましたよお〜! それでは、また、後で!」
藤澤「…へ?」
ベン「フシュウンシュンシュンシュン‼︎ ミッナイモーニン…‼︎」
「………っは…!」
眼を開けると、そこはラジオ局の控え室。部屋の隅に置かれた大きめのソファーに、いつの間にか横になっていた。僕は起き上がって、自分の身体を確認する。特に、何も変わりはないようだ…。つまり、さっきのは。
「…夢…?」
途端に、顔が真っ赤になる。僕は、一体どういう心境であんな夢を見てしまったのだろうか。それもこれも、さっきのラジオ収録の、イヤに頭に残る、若井のベンのせいだ…!
控え室のドアノブが、下にさがる。誰かが入ってくる気配がして、僕はソファーに座ったままそちらを凝視する。
「あれ、涼ちゃん、どしたの?」
若井が、ケロッとした顔で入ってきた。僕は、心臓の鼓動が速くなるのを感じる。
「…顔赤いよ? 熱?」
「い、や…違う…、と、思う…。」
いや、もしかして、ホントに熱があるのかも? だからあんな訳のわからない夢を見てしまったのかもしれない。そんなことを考えていたら、目の前に若井の顔があった。
「…んー、熱はそんなに無さそう…かな。」
僕のおでこに、若井のおでこがくっついている。スッと離れた顔を見ると、若井の頬も、わずかに朱く染まっていた。
「…若井…。」
「…ん? なに?」
「…俺のこと、どう思ってる…?」
「…え!?」
途端に、若井の顔が、耳まで真っ赤になった。僕は、ふふ、と微笑んで、若井に問いかける。
「若井…俺のこと、好き? 好きじゃない?」
「どっちなんだい?」
コメント
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ただいまぁーーーー☆ おかえりーーーー☆べーーーン🤣🤣 ありがとうありがとうございます✨ 揺り起こしたベンが楽しい笑 こんなにエロい言葉がいっぱいならんでこんなに笑えるセンシティブがあるなんてある意味感動してます✨ この2日間何も追えてないけどベンは見てた笑 ベンめっちゃうるさくておもしろい🤣🤣🤣 やっぱりベン最高✨こんなに楽しいベンがしばらく見れないなんで!夢から覚めないで笑
笑えた〜w ベンうるさっww 涼ちゃん必死だったけど、やるんか〜い!て誰もが突っ込んだよね! え、ちょ、涼ちゃん!ベンがしっかり憑依しちゃって、でもラストのシャイな若井さんいいねぇ👏