よろしく頼むよ、私の可愛いお人形さん♪……ふぅん、良い目をするじゃないの。
でも残念ねぇ、私はあんたが思ってるほど暇じゃあないのさ。
それにしてもあんた、随分とお楽しみらしいけど……まさか、このあたしを出し抜こうなんて考えちゃいないよねぇ? まぁ、精々頑張りなさい。
何事もほどほどにしときなってことよ。
えっ!? ちょ、ちょっと待って!! それ、どういう意味なの? 説明してくれないとわからないわよぉ~! ねぇったら、お願いだから教えてちょうだい! どうしてなのか、ちゃんと説明してくれなくっちゃ納得できないわ。
でも……そっか。
あなたにとって、わたしはその程度の存在なんだ……。
そういえば、前にも同じことがあったわ。
あの時は確か……そうだわ! 今思い出したんだけど、あの時の男の子の名前は確か―――
ううん、何でもない。
今のは忘れて頂戴。……あら? その顔は、まだわかってくれていないようね。
仕方がないわね。
ヒントをあげるから、自分で考えてみたらどうかしら? ほら、よく言うじゃない。考えることは大切なことだとかってね。
まあ私も偉そうなことは言えないけどさ。何しろ、ついこの間まではただの女子高生だったわけだし……。
それにしても……あの子ったら、一体どこに行っちゃったのかしらねぇ。
私が知る限りじゃ、あの子は誰よりもしっかり者で真面目だったんだけど……ちょっと目を離すとすぐこれなんだから! まあいいわ。それより今は、目の前の問題に集中しなくちゃ。
まずは……そうだわね。あなたは今、何を考えているのかしら? えっ?……ああ、そっかぁ~。そりゃそうだよねぇ~。うふふ♪ うん、わかったよぉ~。ありがとねー。バイバーイ☆ あらあら、ごめんなさいね。私ったらついつい話が逸れちゃって……。じゃあ、早速あなたのお話を聞かせて頂戴?……えっと、何々?『自分はどうしてこうなったのか?』ですってぇ?んもぅ!いきなり難しい質問するのねぇ。これでも一応、占い師なんだからさぁ、もっとわかりやすく言ってくれないかなぁ~。
まあいいわ、私が思うにあなたはきっと生まれつきの性格だと思うのよね。ほら、よく言うじゃない?性格っていうのはその人の生き方とか考え方によって変わるものでしょ?だから、今のあなたが変わってるんじゃなくて、昔の方が変だったんじゃないかしら? それにしても、変わった子ね。普通こういうときは私のことを褒めてくれるもんよ。私のどこが好きなのかって聞いてくるはずなんだけれど、あなたの場合は何も言わずにただじっと見つめてくるだけなんて……もしかして、言葉じゃ表せないくらい好きってことかしら? 私は別にあなたのことは嫌いじゃないわよ。でも、ごめんなさいね。やっぱり、今は好きな人が居るの。
あら、意外そうな顔しないでちょうだい。確かにあなたとは少しの間だけど一緒にいたけど、その間にお互いのことはほとんど知らないわけだし、そもそも、私たちの関係は恋人というよりも友人に近い関係だったと思うのよね。だから、付き合えない理由があるって訳でもないんだけど、今はまだ駄目かな。
んーっと、とりあえず今のところは誰ともお付き合いするつもりはないの。もちろん、そのうち彼氏ができたらいいなぁとは思ってるけどね!